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田中熱工が環境に優しい熱処理加工を実現†
【ねじ・ネジ・業界紙】全面リニューアルした第1号炉熱処理ラインは、廃水・廃油の完全社内処理がおこなえる環境に優しい熱処理加工をメインコンセプトに、流量型洗浄方式の採用や新しい焼入油の開発導入、焼戻し炉の新設並びに廃水リサイクル燃料化システム導入など、今までの熱処理加工とは異なる画期的な機能を備えている。各設備並びにライン全体での特徴を以下に紹介する。
▽流量型洗浄方式は、従来の前・中間洗浄機はシャワータイプの水圧式洗浄により製品に付着した焼入油や異物を落としていたが、流量型は滝のように滑らかに洗浄水が製品に降り注ぐことによって、洗浄機内からの洗浄水の飛散を防ぐ。また中間洗浄では磁気波動による水処理装置が設けられ、人体に良いとされるイオン分解した水が製品の洗浄にも使用される仕組みである。▽新しい焼入油は、新日本石油†の協力のもとに一般に流通する焼入性に優れたアスファルト系焼入油(黒色)に変わるものとして、精製度合いを極限に上げ添加剤を注入したポリマー系のオリジナルブレンド油。焼入の冷却性能はもちろん対洗浄性を考慮した油であり、粘度性が低くて焼入後の製品との分離性は良く、調合する水との結合力が高い。
この洗浄方式と新焼入油により、焼入には粘度性の高いアスファルト系油を使用しないことから、焼入後の製品に付着した油を分離する際に一般的に用いる塩素系有機溶剤(メチレンクロライド)も不要となり、作業性が向上し環境に優しく従来の洗浄と同等の外観特性をトータルコーディネイトで実現した。
▽新設の焼戻し炉は、熱源を電気炉からLPGガス炉へと変えて、温度域の変更を一八〇℃から六五〇℃までに拡大し、更なるニーズに応える高品質生産を可能にしている。トータルでのノックス発生量も、電気炉より低減となる。
▽廃水リサイクル燃料化システムは、前・中間洗浄工程から多量発生する油を含んだ廃水(または廃油)を燃焼させて、焼戻し工程から噴出した排煙に吹きかけて煙の消化処理をおこない、その熱エネルギーを焼戻し工程処理に使用する温水の熱源として再利用。
これらの設備並びにシステムは、第1号熱処理炉ラインの操業時に連動して稼動する仕組みとなっており、熱処理工程から出る廃水・廃油・排煙の全てを工場内で完全に処理と循環リサイクルがおこなえ、正しく“地球環境に優しいモノづくり”に加えて外部への産業廃棄物の処理委託コスト削減や労働者の作業環境改善など、様々な効果をあらわす画期的な熱処理加工の新生工場として誕生した。
なお、同社では更なる環境問題への取り組みにISO14001やKESシステム認証を視野に入れた活動を推進していくと共に、同グループ企業の†エマナックでは新日本石油系商社との間に油類全般の販売権を獲得しており、共同開発した新焼入油及び産業用油等のほか、熱処理加工を内製化するねじ企業などへの廃水リサイクル燃料化システムの斡旋展開を図る。
第1918号
見出し一覧
- 田中熱工が環境に優しい熱処理加工を実現† -- 2004/01/13 火曜日