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国境なき医師団、ソマリア…戦闘から逃げ惑う人びとと手当を受ける負傷者たち

ニュースリリース|国境なき医師団|

 ソマリア中央部・ガルガダッド地方では最近急増している戦闘の影響で、多くの人びとが犠牲となり、数千人が避難を余儀なくされている。

 国境なき医師団(MSF)のソマリア医療チームは、1月4日に勃発した2グループ間での激しい戦闘を受け、グリ・エル市内にあるイスタルリン病院で負傷者46人の治療と受け入れにあたった。

 2週間以上前の戦闘開始以来、MSFがこの地域で治療した負傷者の合計は86人にも上る。

 地方に避難場所を求め、グリ・エル市とこの地方の首都デュサ・マレブからは4万5千人~6万人が逃げ出したと報告されているが、避難民たちは必要な援助からの隔絶を強いられている。

 ソマリアでMSFの活動を統括するトム・クインは語る。「ガルガダッド地域における状況は日々悪化しており、グリ・エル市とデュサ・マレブ市は廃墟と化しています。戦闘開始以前は、週に200人程度の子どもたちを診察していたのですが、今やMSFの診療病棟には、ほぼ誰もいません。これまでの医療ニーズの高さを考えると、大変心配なことです。何万人もの女性、子ども、高齢者が逃げ出し、食糧、水、医療ケアへのアクセスが難しくなっています。」

 現地調査の初期報告によれば、現況は憂慮すべきものである。MSFスタッフが聞いた話では、避難民たちは、数家族が昼間は木陰に身を寄せ、夜もそのまま野外で眠るといった生活を送っている。

 もとより食糧の乏しい状況に水と医療の不足が輪をかける中、戦闘の影響で状況は悪化の一途をたどる恐れがある。戦闘開始以前でさえ、MSFが援助しているイスタルリン病院では、毎月80~100人の重度栄養失調児の治療を行っていた。

 更に、クインはこう語る。「暴力から逃れた人びとの元に赴き、援助を届けることが重要なのですが、この地方ではそれがますます困難になっています。情勢不安から、空輸とトラック輸送の両方が制限されており、医薬品と救援物資の供給が従来に増して難しい状況です。」

 何日もの交渉を経た後、MSFは避難民の人びとへ清潔な水をトラックで輸送する作業を開始した。しかし、戦闘の最中で常に状況が変化していることから、森へ避難した人びとに対し、直接医療を提供することは難しい状況にある。

 ガルガダッド地方で活動を行うMSFのチームにとって、人道援助を提供するために数々の障害を解決することが最優先事項であるが、それはまた、見過ごすことができないほどに援助ニーズが山積するソマリア国内の他の地方においても同じことである。

 国際社会の目は大部分がソマリア海域における海賊問題に向けられているが、数百万人にのぼるソマリアの人びとの苦しみは見過ごされたままである。

 MSFはソマリア南部と中央部の9つの地域において医療プログラムを運営しており、2006年以降、ソマリア・ガルガダッド地方グリ・エル市内のイスタルリン病院にて活動を行っている。2008年は月平均で3700人への診察、病院の外来部門での医薬品の無料配布と、毎月約330人の入院患者の受け入れを行った。

 MSFはまた、この地域において2つの診療所を運営している。1つはガルガダッド地方の首都であるデュサ・マレブ市であり、もう一つは2008年1月に開院したヒンデル(Hinder)である。2008年、これら2つの診療所では月平均で1600件の診察が行われた。

本件に関するお問い合わせは、
広報担当:村上・辻まで

特定非営利活動法人 国境なき医師団(MSF)日本
TEL:03-5286-6137 / 6143 FAX:03-5286-6124
E-mail: press@tokyo.msf.org  http://www.msf.or.jp

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