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大阪府立産研の業種別景気ヒアリング調査(3)
【ねじ・ネジ・業界紙】【生産は増加】
社団法人日本ねじ工業協会の資料からねじの全国生産動向をみると、平成14年から生産は回復基調に入り、15年は、数量、金額とも増加しており、数量の対前年比伸び率は2・9%、同様に、金額の対前年比伸び率は3・0%となっている。
企業のヒアリングから数量、金額とも増加したのは、自動車、機械、建設、輸出の増加が大きく寄与している。特に自動車が好調であったのが大きいとのことである。好調な自動車でもコスト・ダウン要求が厳しく、原材料価格となる線材価格の値上げを製品価格に転嫁することが難しい環境にある。他の機械向けの受注条件も同様な環境にある。
【輸出は増加】
財務省貿易統計によると平成15年の輸出実績は、数量では一九万八,六二〇トン、金額では一,五五三億七四四万円で、前年比率は数量で8・7%、金額で2・1%の伸びとなっている。金額が微増にとどまったのは為替変動の影響が大きいためと思われる。
数量の増加は、主に仕向け先の米国向けが前年比6・0%の増加と特に中国向けが前年比68・9%の増加によるものである。主な輸出品目はボルトとナットであり、この2品目で輸出数量の75・3%を占めている。
【輸入も急増】
同じく財務省貿易統計によると平成15年の輸入実績は、数量で一五万二,六四五トン、金額は四二七億四,八二九万円で、前年比率でみると数量で20・0%の増加、金額で11・2%の増加となっている。数量、金額ともに前年を大幅に上回っており、過去最高を更新している。
仕入先別では、1位の中国が七万四,五四五トン、一一四億八,七二二万円で、シェアはそれぞれ48・8%、26・9である。前年比率は数量で24・1%増、金額で26・4%増といずれも大幅な増加となっている。2位の台湾は五万五,三六七トン、一一〇億四,四八三万円で、シェアはそれぞれ36・3%、25・8%である。前年比率でみると数量で17・0%増、金額で19・7%増と中国と同様に大幅な増加となっている。中国と台湾両国で輸入のシェアは数量で85・1%、金額で52・7%でほとんどが両国からの輸入である。
輸入が急増したのは、日本ねじ工業協会によるとコスト競争力から海外の安いねじ部品を使う動きが一段と強まったことと、品質が向上したことをあげており、今後ますます、この動きは強まるものとみられる。
第1941号2・3面
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- 大阪府立産研の業種別景気ヒアリング調査(3) -- 2004/08/27 金曜日