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三菱マテリアル、鉄道トンネルで地中熱利用システム技術採用

 三菱マテリアルは、連結子会社である三菱マテリアルテクノが開発したコイル型水平熱交換器による「地中熱利用システム技術」が、日本で初めて鉄道トンネル事業(小田急電鉄複々線化事業)に採用されたことを発表した。

 「地中熱利用システム技術」は、土壌の断熱機能により大気中の温度変化の影響を受けにくく、一年を通してほぼ一定である地中の温度(地中熱)をヒートポンプの熱源として活用することで、冷暖房や融雪・給湯などに利用するもの。

 夏期は冷たい地中に熱を放熱(冷房運転)し、冬期は温かい地中から採熱(暖房運転)することで、ヒートポンプの仕事量を減らし、省エネルギー効果によりランニングコストやCO2排出量の低減に貢献する。

 この地中熱を利用するために必要な熱交換方式には、(1)ボーリングマシンを用いて孔井を掘削し、熱交換器を挿入するボアホール方式、(2)建物基礎杭内に熱交換器を設置し熱交換杭として活用する基礎杭方式、(3)土壌や耐圧版・トンネル下床版等に熱交換器を広く敷設する水平方式の3種類がある。

 三菱マテリアルテクノは、上記3種類の地中熱交換方式すべてについて調査・設計・施工技術を保有し、かつ多くの施工実績を持つ熱交換方式のフロントランナー企業である。特に水平方式については同社が開発し、平成22-23年度の「環境省地球温暖化対策等技術開発事業」を通じて実用化に至っている。

 今回の小田急電鉄複々線化事業(上下線を各2本ずつ計4本の線路にする事業)に、日本で初めて採用されたコイル型水平熱交換器による地中熱利用システムは、上記技術開発事業の成果を実用化したもの。

 具体的には、東北沢駅と世田谷代田駅を対象に、開削工法で掘り抜いた箱形トンネル下床版にコイル型水平熱交換器を敷設、ホーム空調の一部に利用している。この地中熱利用システムの導入により、空気熱源ヒートポンプと比べ、CO2排出量とランニングコストを年間約30%削減できる予定。


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