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三井化学、ヘレウスの歯科材料事業を買収

【ハーナウ(ドイツ)2013年4月4日PRN=共同JBN】ドイツのハーナウに本社を置く貴金属、技術グループのヘレウス(Heraeus)は歯科材料事業を分離する。この事業グループ全体は、世界で1万3000人の従業員を持つ上場化学グループの三井化学に買収される。買収には反トラスト当局の承認が必要である。

ヘレウス・デンタル(Heraeus Dental)は人工装具治療用の貴金属合金と材料、全面装具治療用の歯と材料、鋳造材料、局部麻酔に使われる化合物を含む歯科ソリューション、材料のトッププロバイダーの1社にランクされている。従業員総数は世界で1400人。2012年の売上高は3億6000万ユーロ。顧客には歯科医師、歯科技術者、その他歯科分野の人々が含まれている。

新しい材料、治療法の導入は、最近数年のヘレウス・デンタルの事業を根本的に変化させた。特に、ヘレウスの伝統的な中核事業である貴金属製品は歯科医療では劇的に減少した。

ヘレウス・デンタルは能率化計画を開始して市場の需要に対応した。それに加えてデジタル人工装具分野の活動にまで活動を拡大した。ヘレウス・デンタルの活動は収益を上げており、将来の発展を十分望める立場にある。

しかし、この事業分野の根本的な変化を考慮してヘレウスはポートフォリオ評価を行った後、この事業グループを売却することを決定した。三井化学はこの事業分野の活動拡大を計画しており、これはヘレウス・デンタルに発展の大変有望な機会を与えることになる。ヘレウス役員会のヤン・リナート氏は「この新たな運命はヘレウス・デンタルにとって長期的発展の大変よい機会だと考えている。これはわれわれの売却決定の重要な要素だった」と語っている。

三井化学はこの事業グループ買収に伴い、世界20カ所のすべての従業員を維持する方針である。ヘレウス・デンタルの既存の経営陣はそのまま留任し、同社の事業を継続する。三井化学はヘレウス・デンタルの現在の戦略をサポートし、継続する方針である。現時点では、この1年間に導入された措置以上の人員削減は計画されていない。ヘレウス・デンタルの経営会社であるヘレウス・クルツァー社(Heraeus Kulzer GmbH)の本社はハーナウにとどまる。

ヘレウスは現在の成長戦略を続ける。収益性のあるニッチ市場での内部成長に加えて、これには市場での競争力のある地位を強化し、新たな事業部門を開く買収が含まれている。


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