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村上住職、神田雑学大学で講演 小栗上野介の功績を紐解く

小栗上野介
講演会の様子
小栗上野介
講演を行った村上住職
 米国からねじを持ち帰り、その後の日本近代化に多大なる影響を与えた、幕臣・小栗上野介忠順に関する講演会「小栗上野介の日本改造-幕府の運命、日本の運命-」(神田雑学大学主催)が19日、千代田区社会福祉協議会で行われた。

 小栗公は、江戸時代末期に活躍した幕臣。安政7年(1860年)に遣米使節団として渡米。このときの見聞を基に、横須賀造船所の建設や日本初の株式会社設立、郵便制度・鉄道の提唱など、日本近代化の方策を実行に移した。また、米国との製鉄技術の差に驚愕し、記念にねじを持ち帰ったことでも知られている。

 今回、講師を務めた村上泰賢さん(東善寺住職)は、小栗公の功績と秘められた歴史的事実を紐解きながら「小栗忠順ら遣米使節は勝海舟の乗った咸臨丸ではなくアメリカの軍艦ポウハタン号で渡米した」「勝海舟は遣米使節ではなく、護衛船という名目で出かけた咸臨丸に乗船したが、その役目は艦長でもなく『教授方取扱』というものだった」と説明した。

 更に「明治以降の教育は、途中のサンフランシスコまでを往復した咸臨丸を表に出して教えて国威発揚の材料に扱い、肝心の遣米使節をまともに扱わないため、ほとんどの国民が『勝海舟が遣米使節』『遣米使節は咸臨丸で渡米した』と誤解している」と指摘した。

 また、当時の新聞記事(ニューヨークタイムズ)を引き合いに「米国人は遣米使節団の衣類や刀等を見て、日本人は洗練された文化を持っている。ろくに工業が発達していないのにこれだけのもを作る。日本と外国との道が開かれて行けば、日本人は我々(米国)のようなものを真似して作ってしまうだろう」と賞賛していたことも紹介した。

 講演会は今後、福島や群馬、神奈川で行われる予定。日程については以下の通り。

 ◆日仏現代アーティストによる「アートプロジェクト前橋2011」として8月20日午後4時より、群馬県・前橋スズラン別館5Fにで「日仏交流のさきがけ-小栗上野介」(村上泰賢さん講師)と題し実施。

 ◆会津文化団体連絡協議会創立50年・会津若松市民文化祭50回記念行事として、9月3日午後1時半より、福島県・会津文化団体連絡協議会よで歴史講演会「幕府の運命、日本の運命」(同氏講師)を実施。午後2時半からは「戊辰・会津戦争を考える」と題したパネルディスカッションが開かれる。

 このパネルディスカッションには、コーディネーターに副会長の森田慶一氏、小栗上野介顕彰会理事の村上泰賢氏、吉田松陰顕彰会の山本貞寿氏、白虎隊記念館長の早川廣中氏、幕末史を見直す会顧問の梁田直幸氏、会津史談会会長の坂内實氏、会津史学会理事の前田宣裕氏が出席する。

 ◆11月中には神奈川県横須賀市でヴェルニー小栗祭が開かれる。

 ◆小栗上野介顕彰会機関誌「たつなみ」36号発刊 小栗上野介顕彰会の機関誌「たつなみ」36号が発刊される。東善寺「たつなみ会」会員には発行次第送付。主な目次は、○小栗まつり 演奏会・講演要旨「小栗上野介の日本改造」…村上泰賢、○高崎の「小栗上野介展」・式辞…市川平治会長・概要・記念演奏会・記念講 演要旨「日本の心―近世から近代へ―」德川恒孝、○紙芝居「小栗上野介」の制作…唐沢祐太郎、○「小栗上野介の側室ウタ」は存在しない…村上泰賢、○千葉県内の小栗領と小栗上野介について…彦坂徹、○本の紹介平凡社新書「小栗上野介」・「咸臨丸、大海をゆく」「勝海舟と福沢諭吉」、○小栗上野介顕彰のあゆみ平成22年/規約/役員名簿/編集後記。


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