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ボーイング787型機ファーストフライト無事終了、一歩踏み出す

ボーイング787
ファーストフライトを実施した787(写真・米ボーイング)
 米ボーイングは15日(日本時間16日)、次世代旅客機『787ドリームライナー』の初試験飛行を無事終えた。当初予定から2年遅れとなったが、2010年の初号機納入に向けて確かな一歩を踏み込んだ。今後は6機のテスト機を使い、世界各地で24時間体制よるフライトテストが実施する。

 テスト機によるファーストフライトは現地時間午前10時27分に実施された。約1万2000人の来賓・社員に見守られるなか、ペインフィールドを離陸、約3時間の飛行を終えて午後1時33分にボーイングフィールドに着陸した。

テスト機を操縦したのは787型機のチーフパイロットであるマイクキャリカー氏とキャプテンのランディネヴィル氏で、機体状況やシステムのテストを実施。このテストのデータは、搭載されている機器によって収集され、地上のフライトテストチームにリアルタイムで送信されている。

 787型テスト機は、エバレット離陸後、ファン・デ・フカ海峡の東側上空を通るルートで飛行し、その間のテストでは、最高度1万5000フィート(4572メートル)まで上昇、最高運航速度も時速180ノット(時速333キロ)まで上げた。

 787型機プログラム担当バイス・プレジデント兼ゼネラル・マネージャーのスコットファンチャー氏は、「21世紀に入ってからの初の最新型機である787型機の開発、製造に携わってきた世界各地のチームメンバーにとって、本日は誇らしい、歴史的な日となった。これからのフライトテストを通して、航空会社や乗客の皆様にこれまでにないレベルの効率性と快適性を提供する最高の航空機を完成させる」と述べた。

 また、ボーイング・ジャパンのニコール・パイアセキ社長は、「本日は、ボーイングにとっても、日本にとっても素晴らしい日となった。日本を含め、世界各地でこのプログラムに携わるチームメンバーの努力が、このファーストフライトで実となった。新型機のファーストフライトというのは、ある意味では赤ちゃんが初めて歩いた時の感覚と似ており、その喜びと誇りの気持ちをぜひ皆さんと共有させて頂きたいと思う。もちろん、これはローンチカスタマーであるANAへのデリバリーに向けた1歩であることには変わりはない。これからの数カ月間、私たちのお客様である航空会社、そのお客様である乗客の皆様、そして環境のためにも、この新型機を真の『ゲーム チェンジャー』とすべく、全力で取り組む」と述べた。

 今回のファーストフライト用テスト機は、ロールスロイス製トレント1000のエンジンを搭載しており、他の5機のテスト機と共に、この先数カ月におよぶフライトテストプログラムに使用される。なお、テスト機の中の2機はGE製GEnxエンジンが搭載される。

 787型機が採用する最新のテクノロジーは、同サイズの航空機と比べて20%の燃料効率性が向上し、貨物搭載量は45%増量、客室内は、より清浄された空気、大型窓、大型手荷物収納棚、改善された照明設備などをはじめとした乗客に快適性を与える多くの要素を採り入れている。なお現時点で55社より840機を受注している。

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