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日本女性の経済パワー活用を、ウィメン-オミクス・ドット・コム

 【パリ9日PRN=共同JBN】ジェンダーバランスのビジネスケースを策定し、企業、国家に対する女性の経済的影響力を調査する初のウェブサイト、ウィメン-オミクス・ドット・コム(WOMEN-omics.com)の新しい論文は「日本経済で女性の力は十分活用されておらず、特にこの国が輸出市場の世界的不況の影響でよろめいているときだけに、貴重な人材を無駄にする余裕はない」と述べている。ウィメン-オミクスは世界的企業向けの有力なジェンダー・コンサルタントで創設者、発行人のアビバ・ウィッテンベルク-コックス氏が1月に開設した。

 ウィメン-オミクスは「OECD(経済開発協力機構)の統計によると、25-54歳の年齢層の日本女性で仕事を持っているのは67・4%にすぎず、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、フィンランドなど女性有職率が最も高いOECD諸国より15%ポイント低い。しかも女性の学歴がOECDのなかで最も高い国の1つである日本で、女性人材の不十分な活用が起こっている」と指摘している。

 マッキンゼー、カタリストの研究によると、ジェンダーバランスの寄与によって組織としての業績が根本的に改善されることが知られている。ウィメン-オミクスは「日本ではこの点で状況は特に悲惨である。日本企業のウェブサイトでどの経営チームを見ても、男性の顔の列がこちらを見返しているのが見えるだろう」と述べている。

 ウィメン-オミクスとウィッテンベルク-コックス氏は、女性が縮小しつつある日本の労働力プール、および出生率の低下、に対する回答だと信じている。ウィッテンベルク-コックス氏は「OECDは経済に対する女性の参加率の高さと出生率の高さには正の相関関係があることを発見した。世界の女性は自分たちの持つ経済的パワーを示しており、日本の女性も同じことができる。女性は世界の人材プールの半分以上を構成しており、消費者の購入の80%に責任を持っている。最終的な結論は、高齢化する労働力、出生率の低下、熟練労働力の不足という難問に対する中核が女性だということである」と語っている。

 2008年に日本のある大手エレクトロニクス会社のマネジャー1万1000人のうち女性は170人にすぎず、しかもこれは数年にわたって女性登用計画を続けてきた企業でのことだった。そうであっても、有望な兆候はある。ウィメン-オミクスは、世界的なヘッドハンティング会社ハイドリック・アンド・ストラグルズ東京事務所の飯沼綾プリンシパルが日本の多国籍企業は女性管理職を引きつけることにより熱心になっていると語ったことを引用している。飯沼プリンシパルは「現在の経済環境でさえ、多くの顧客がほかの大半のポストで採用を凍結しながら女性管理職の採用を続けている」と述べている。飯沼氏は、例えばトヨタは今後5年間に少なくとも5人の女性ゼネラルマネジャーを採用する計画だと指摘している。

 ウィメン-オミクスの論文は、特に「サラリーマン」文化を引用しながら、「スマートなリーダーは、現在の経済環境の真の試練が成功する企業を構築するという古くからの問題に対する新たな回答をつくることであることを知っている。新たな回答の1つがこれまでよりはるかに多くの才能ある女性を企業のトップに含め、企業を新たなコースに導くことであるのは疑いない」と述べている。

 「日本は変われるか。経済革命の出現を待つ」と題するこのウィメン-オミクス論文の全文は以下で見ることができる。

  http://www.women-omics.com/758-0-why-women-mean-business-in-japan.html

 ▽アビバ・ウィッテンベルク-コックス氏が3月16日に東京へ
 企業に対する有力なジェンダー・コンサルタントで、「なぜ女性はビジネスを意味するのか:次の経済革命の出現」(ウィリー社刊、2008年)の共著者、ウィメン-オミクス・コムの創設者、発行人であるアビバ・ウィッテンベルク-コックス氏は日本女性の経済的パワーに関するレセプション出席と基調パネル報告のため、3月16日に日本を訪れる。

 UBS、コカコーラ、アメリカンエクスプレス、FEW、AWF、GEWEL、TAC女性グループがスポンサーのこのプログラムは3月16日午後6から9時まで東京の大手町1丁目5-1、大手町ファーストスクエアのUBSイーストタワーで開催される。登録と詳しい情報はfew@gol.comへ。

 ▽プレス対応
 3月16日の東京滞在中のウィッテンベルク-コックス氏とのインタビュー申し込みはジョエル・クートゥイ(Joelle Couthouis)、電話+33 1 39 75 42 24またはjoelle@20-first.comへ。

 ▽ウィメン-オミクスについて
 ウィメン-オミクス・ドット・コム(www.WOMEN-omics.com)はジェンダーバランスのビジネスケースを策定し、企業、国家に対する女性の経済的影響力を調査する初のウェブサイトである。企業、国家に対する女性の経済的影響力増大について毎日更新の独占的な世界的リポーティングを提供するウィメン-オミクスはこの分野で最高の情報、アイデア、洞察を集めている。このサイトは企業リーダー、トップ管理職、政策立案者、ジャーナリスト、研究者、ビジネススクール、職場の女性向けに設計されている。

 ▽アビバ・ウィッテンベルク-コックス(Avivah Wittenberg-Cox)氏について
 アビバ・ウィッテンベルク-コックス氏はウィメン-オミクス・ドット・コムの創設者、発行人である。パリに住む同氏は企業ジェンダー・バイリンガリズム(企業に男性の言葉も女性の言葉も話すようにさせる)の専門家で、欧州の有力なジェンダー・コンサルタント会社の1つである20-firstのCEOであり、アリソン・メートランド氏と共著でベストセラーの「なぜ女性はビジネスを意味するのか:次の経済革命の出現」(ウィリー社刊、2008年)を出版した。この本は夏に韓国でも出版される。
 3月11-13日にウィッテンベルク-コックス氏はINSEADのアジアキャンパス・セミナー「次の経済革命の出現」での基調演説、シンガポール米国商業会議所での演説など講演活動のためにシンガポールを訪れる。


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