現在位置: HOME > ニュース&コラム > プレスリリース > 記事


[PR] 

自動車用リチウムイオン電池の最新技術開発動向は…DELTA i.D.調査

ニュースリリース|リチウムイオン電池|

 株式会社DELTA i.D.総合研究所(東京都千代田区、代表取締役社長:石澤一未)は、自動車用リチウムイオン電池の最新技術開発動向に関する報告書をとりまとめた。

[調査概要]
 1991年、ソニーが開発したリチウムイオン二次電池(以下LIBと記載)が世に出てより目覚しい発展を続けるLIBは、すでに少量ながら電気自動車 (以下EVと記載)やハイブリッド自動車(以下HEVと記載)に搭載され始め、今後プラグインハイブリッド自動車(以下PHEVと記載)搭載用としても本格的な普及が期待されている。
 特に昨今、世界的に問題となっている地球温暖化ガスのCO2削減やガソリン価格の暴騰など、地球環境の保全やエネルギー対策の点で、その解決策の一助としてのLIB搭載EV/HEV/PHEVなどが環境対応車として注目を浴び、本格的普及が焦眉の急となっている。

 現在、三菱自動車、富士重工、日産自動車等がLIB搭載車を上市しているに過ぎないが、今後、内外各社のEV/HEV/PHEVにLIBの搭載が着実に進んで行くものと予想される。現時点では、トヨタおよびホンダは2009年以降のHEVにLIBの搭載を予定しているが、当初、巷間流布されていた 2008年頃におけるHEVのLIB搭載は、元々難しい計画であったこともあり、2009年~2011年が本格的なLIB搭載開始時期と見るのが妥当であろう。

 また、昨年から小型リチウムイオン電池市場の中で起こっている発火事故等、安全性確保の点で、自動車メーカの慎重度が更に増したことも否めない事実である。

 しかし、自動車メーカ各社とも、LIBの研究開発については、手を緩めることなく進行しており、その背景には、現行のHEVに課せられている各種問題を解決する為には、「LIBが最も近いところにある」という共通認識があり、2010年頃には、各社ともLIB搭載車を発売すると発表している。短期的には、秒読み段階に入ったものと思われる。

 こうした進捗状況の中、当社は研究開発技術調査を基に、EV/HEV/PHEV 搭載用のLIBおよびLIB関連のブレーク予測を解析した報告書を発刊することとした。現在、LIBの高性能はほぼ検証され、次は、重要課題である安全性とコストの詰めにその軸足を移す段階へと入っている。基本的には、技術の課題であり、解決して行くものと予測される。

 本報告書では、内外の電池関連の学会誌、機関誌、雑誌、専門セミナー等、特にEV/HEV/PHEV 搭載用二次電池関連の最新専門情報を2006年~2007年にかけ250件以上調査、解析した。

 また、解析編を担当した著者はEV搭載用等のLIB研究開発に1990年代前半より携わっており、過去15年以上に渡る技術開発の経緯、蓄積を踏まえた上での解析を行っている。

 今、何故「EV/HEV/PHEV 用二次電池はLIBなのか」に答えるのが、この報告書である。

藤原 信浩(技術士:電気電子部門)

[技術開発概況]
 小型LIBは、発売当初から今日まで、約2倍以上の高エネルギー密度になっている。これらより推測して、大型化すると 80%のエネルギー密度になり、安全性確保、組み電池化などで70%のエネルギー密度になる。これでもLIBは、高エネルギー密度であり、実用化可能な範囲である。安全性、信頼性およびコストは克服可能な課題である。下図のように、2010年前後から車メーカ各社一斉にHEV /EVの販売競争になる。

 正極材料では、高性能なNiを含む3元系化合物、安全性の高いMn系、Feオリビン系などが積極的に開発を進めている傾向にある。特に、Feオリビン系の発表数の増加が顕著である。また、正極Mn系、負極カーボンの組み合わせは、十数年来、高温保存課題が解決出来ていなかった。しかし、最近の発表では、高温保存でもMnが溶解しない発表が見られた。

 負極では、ハードカーボン、Sn系、Ti系などの開発発表が見られた。EV/HEV/PHE用カーボンとしては、近年再認識されているハードカーボンが多用されている。長寿命を求められる自動車用には、ハードカーボンのようにLiの挿脱時の膨張収縮のないものでなければならない。最近、この点でハードカーボンが見直されている。また、容量増加のために、グラファイトと混合して採用している例もある。

 コスト的には、Mn系正極の導入からスタートすると考えられる。この時、負極はTi系などカーボン以外も発表されている。

 HEV用にはTi系負極なども考えられる。PHEV/EVなどには、Sn、Siなどの高容量の負極材料が用いられると予測される。いずれも、耐久性を考えるならば、充電電圧に細心の注意が必要である。

 電解液は、電解液不燃剤、フッ素系難燃性電解液など安全性向上に寄与する技術発表が増加した。これは、小型電池の安全性向上を克服するために開発スピードが加速した成果でもある。

 安全性向上については、電池材料のみでなく、製造方法、電池制御方法などについても調査・分析を行った。安全性の観点から、ポリマー電池の研究も進んでいる。

 下図のように、中長期的には、HEVに高出力電池を求めるというよりも、PHEV/EVになり高容量、大容量化に進むものと予測。これにより、中長期的には車載するLIBの容量が増える傾向になるので、単一電池としては、出力負荷が少なくなる傾向になるものと予測。

 自動車メーカが、電池メーカと共同出資などで積極的にLIBの開発に直接手を下すことになった。自動車メーカは、電池メーカとの共同開発でないと、LIBの開発は困難と考えたことが大きい発展になると予測される。(図参照→http://www.news2u.net/incidental_dsp.php?id=0&rid=NRR200828952)

[資料体裁]
発刊日:2007年12月27日  
体裁:A4縦 350頁
定価:157,500円(税込)

関連記事

powered by weblio


キーワードリチウムイオン電池で検索 

 ここで掲載されている記事は、企業や団体、機関などのプレスリリースを、弊紙仕様の表記に替えることを除いてほぼ原文のまま公開しています。この記事に関する問い合わせ、ご質問はそれぞれの発表者にご連絡下さい。




トラックバック

リリース速報(提供:共同通信PRワイヤー)

※見出しをクリックすると共同通信PRワイヤーの記事ページに移動します。

バックナンバー

購読のご案内

取材依頼・プレスリリース

注目のニュース
最新の各社ニュース
写真ニュース

最新の写真30件を表示する