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三菱電機、衛星からの温室効果ガス計測を目指した「小型CO2濃度計測ライダ」開発

ニュースリリース|三菱電機 小型CO2濃度計測ライダ|

 独立行政法人宇宙航空研究開発機構(理事長:立川 敬二、以下「JAXA」)と三菱電機株式会社(執行役社長:下村 節宏、以下「三菱電機」)は、衛星からCO2濃度を高精度かつ高速に計測する独自のCW(Continuous Wave、連続波)変調方式を開発するとともに、その方式を採用した世界最高の高精度・高速の計測が可能な地上検証モデル「小型CO2濃度計測ライダ」の開発に成功しました。

 ▽開発の背景と概要
 地球温暖化の防止や地球環境問題に対する意識の高まりを背景に、CO2をはじめとした温室効果ガスの濃度を、地球規模で観測できる人工衛星搭載センサへの期待が高まっています。これに関し、地表で反射された太陽光のスペクトルを利用するパッシブ(受動型)センサにより、温室効果ガスの濃度を観測する衛星(GOSAT:Greenhouse gases Observing SATellite)が今年度の冬に打ち上げられる予定です。一方、アクティブ(能動型)センサの一つとして、レーザ光を空間に発信して反射体に当たってはね返ってくる光を測定するレーダであるライダ(LIDAR: Light Detection And Ranging)があります。日米欧では、高精度で高速なCO2濃度計測を実現するため、わずかに波長が異なる2つのレーザ光を送受し、CO2分子による光の吸収量が波長間で異なることを利用してCO2濃度を計測するDIAL(DIfferential Absorption LIDAR、差分吸収ライダ)の研究開発が行われています。しかし従来のDIALは、大型でかつ高精度な計測に長時間を要し、衛星に搭載するアクティブセンサに必要な高い計測精度、高速性、小型化の実現が困難でした。

 今回、JAXAと三菱電機は、独自のCW変調方式を採用した小型のCO2濃度計測ライダを開発し、世界最高の計測精度と高速性を達成しました。本ライダは、GOSATに搭載するセンサの観測性能を評価するために用います。またこの方式は、衛星搭載用のセンサとしても有効な方式です。

 ▽主な開発成果
 <1>CW変調方式を開発し、装置の小型化と高信頼化を実現
  2つのレーザ光源から波長が異なる2つのレーザ光を発信し、各々に対し異なる周波数で変調をかけた後に光合波器を使って1本のファイバに合波し、このファイバから計測したい空間に2波長同時に送信するCW変調方式を開発しました。

  この方式によれば、光ファイバ増幅器をはじめ、フレキシブルかつ高信頼な通信用光ファイバ部品が使用でき、装置の小型化と高信頼化を実現できます。

 <2>CO2濃度の測定で、計測時間32秒、計測精度4ppmと世界最高性能を達成
CW変調方式を採用したCO2濃度計測ライダを開発しました。

 この装置は1km先までの空間におけるCO2濃度の変化を32秒間隔で計測でき、計測精度4ppm※1相当と高精度であり、高速性と計測精度において世界最高性能を達成しています。

 ※1 parts per million、大気中に存在する分子百万個に含まれている計測対象分子の数。計測精度4ppmは分子100万個あたりに含まれるCO2分子の個数を4個の誤差で計測できるということ

 ▽今後の展開
 今後、CO2濃度の計測精度に関するより詳細な検証を行った後に、本装置を航空機に搭載して衛星搭載時の模擬試験を実施するとともに、衛星搭載に向けた技術開発を進めたいと考えています。

【関連サイト】
三菱電機ホームページ http://www.mitsubishielectric.co.jp/

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