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NEDO技術開発機構、鳥翼型垂直軸タービン流れの可視化

ニュースリリース|NEDO技術開発機構|

NEDO技術開発機構
集風器付き鳥翼型垂直軸風力発電機の概念図
 【独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 日本工業大学 工学部 機械工学科】よりたくさんの風を「受け」より効率よく風を「避ける」しなやかで鳥の翼のような風力発電システム鳥翼型垂直軸風力タービンと風を効率的に風車へ流す集風器。

【新規発表事項】
 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO技術開発機構)の産業技術研究助成事業(予算規模:約50億円)の一環として、埼玉県宮代町にある日本工業大学の准教授、丹澤祥晃氏は、翼型垂直軸風力タービンと風を効率的に風車へ流す集風器を備えた鳥の翼のような風力発電システムを開発しました。

 このシステムは台風の際に起きる強風時に、主に安全面のため強制停止させ、発電できなかった従来の風力発電に対し、強風時には風を「避ける」ことで発電を持続させ、風速50m/sec以上での稼動も実現するという風力発電システムです。

 風を効率よく風車に誘導するための集風器で1.6倍もの風力エネルギーを集めることに成功し、その発電量は集風器を使わない場合に比べて2倍の発電量が得られています。
今後、耐強風性と騒音低減の研究と発電力の向上、小型化が実現できれば、家庭用屋上設置型の風力発電システムとして活用が期待できます。


1.背景および研究概要
 現在、風力発電技術はプロペラ型を主体に商用利用として導入が進んでいますが、風向・風量の安定した地域に限られるなど、クリーンエネルギーとして期待される一方で、不安定な風向・風量を持つ自然な風エネルギーの特性を踏まえ、このエネルギーについてどう「安定化」を図るかが課題です。当技術開発は、風力エネルギーを安定・効率よく利用するための「集風器」と、集めた風を効率よく電気に変えるための風車(垂直軸タービン)を開発し、家庭用風力発電としてクリーンエネルギーの社会的普及に貢献する技術です。

 従来の風車技術と異なるのは、鳥の翼をイメージした柔軟構造の縦型風車という点。そして風を受ける面はより抵抗を受けやすく、しなり、風を受けてはいけない面は抵抗を少なくする点です。また台風など強風時には風を受けにくくするためにスリットを設けて風を逃がすなど、翼自体に工夫があります。
集風器は風車のまわりに設置し、どの風向からでも風車に風を誘導するよう角度をもたせて設置されており風向によらず風力エネルギーを効率よく風車に伝えます。その結果、少ない風力でも発電が可能です。

2.競合技術への強み
1) 独創的形状:鳥翼型風車の発想は他に類例を見ない形状。鳥が翼を動かす時に生み出される空気抵抗の違いを風車設計に活かせないかと考えた点が本技術開発アプローチの原点。
2) 風力エネルギーの効率的利用(1.6倍):集風器を風車のまわりに設置して風を風車に誘導することで、集風器がない場合に比べ1.6倍もの風力エネルギーを得ています。これは従来の風力発電とは異なる仕組みです。
3) 発電量(2倍):集風器を使うことで風力エネルギーを集中できるとともに鳥翼型風車が風を柔軟に受け止める特性から、その発電量は集風器を使わない場合と比べて2倍の発電量が得られます。

3.今後の展望
 当初のパワー係数(風力タービン回転領域の時間当たりの風力エネルギーに対する風力タービンの軸出力)は0.05程度でしたが改善が進み現在は約0.09まで向上しました。今後は、安全性確認のための寿命試験、フィールドでの実証試験などを行う中で風車効率の改善を施す必要があります。そして通常家庭の使用電力量の50%(年間1500Wh程度)の供給ができるよう開発を進めていきます。また本技術開発成果の製品化を目指して、高性能化、量産化、コストダウン手法の開発、意匠デザインの検討なども行う必要がありますので、今後は、現在の提携企業との共同開発をさらに進めつつ、資本力のある提携先を探して行きます。

4.問い合わせ先
 (1)技術内容について
《代表研究者名・所属機関・部署名・役職名》
 丹澤 祥晃(日本工業大学 工学部 機械工学科 准教授)
TEL:0480-33-7638      FAX:0480-33-7645
e-mail:tanzawa@nit.ac.jp   URL:http://www.nit.ac.jp/kyoin/m13.html 

(2)制度内容について
NEDO技術開発機構 研究開発推進部 若手研究グラントグループ
 板橋 信俊、日高 博和、千田 和也
TEL:044-520-5174 FAX:044-520-5178

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