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IBMがソーラーファーム技術発表、集光型太陽電池コストを大幅削減

ニュースリリース|IBM|

IBM、ソーラーファーム技術の飛躍的な前進を発表 【米国ニューヨーク州アーモンク、2008年5月15日(現地時間)】IBM(本社:米国ニューヨーク州アーモンク、会長:サミュエル・J・パルミサーノ、NYSE:IBM)は15日、太陽光発電技術の研究が飛躍的な前進を遂げたことを発表しました。これにより、太陽エネルギーを利用した発電のコストを大幅に削減できる可能性が生まれました。

 IBMの科学者は、子供が虫メガネを使って葉を燃やしたりキャンプをする人が火をおこしたりするのと同じような方法で、大型レンズを使って過去最高の 230ワットの太陽エネルギーを1平方センチメートルという小さな太陽電池に集めました。このエネルギーは次に70ワットの利用可能な電力に変換されます。この電力は、集光型太陽光発電装置(CPV)を使ったソーラーファームで使用される一般的な電池で得られるエネルギーの約5倍に相当します。

 このプロジェクトを実験室から実用システムに発展させることができたなら、IBMはCPVシステムのコストを著しく下げることができると考えています。 IBMのシステムは、ソーラーファームで使用する光電池の数をはるかに少なくし、レンズを大型化してそれぞれの光電池により多くの光量を集めることで、全体の部品数の削減が可能になり大きなコスト削減が実現できます。

 例えば1平方センチメートルあたり約20ワットの太陽エネルギーを光電池に集めている200sunのシステム(1sunは、晴れた夏の日の正午の太陽エネルギーに相当するエネルギーを表す単位)から、IBMの研究所が今回成果を出した1平方センチメートルあたり約230ワットの太陽エネルギーを光電池システムに集めている2300sunのシステムに移行すると光電池および他の構成部品の数を10分の1にすることができます。

 このような高密度化が可能になったのは、小さい太陽電池を冷却する方式に秘訣があります。2000 sun相当のエネルギーをこのような小さな表面積に凝集したとき、研究者が最初に実験で経験したことはステンレスが溶けるほど十分な熱が生成されるということでした。しかしながら、コンピューター・チップの冷却のために研究開発していた方式を借用することで、この研究チームは、太陽電池を摂氏1600度以上という高温からわずか摂氏85度に下がるように冷却することに成功しました。

 このプロジェクトの最初の成果は、第33回IEEE太陽電池スペシャリスト・カンファレンスで本日発表されます。そこでは、液体金属冷却インターフェースが既存のどの技術よりもはるかに効率的に太陽電池から銅の冷却板に熱を伝達できるということを、IBM研究者が詳しく説明します。

 IBMリサーチ・チームは、商用の太陽電池方式を、マイクロプロセッサー用途に開発した先進的IBM液体金属熱冷却システムと結びつけることよって、画期的な成果を実現するシステムを開発しました。

 具体的には、IBMチームはガリウムとインジウムの化合物から生成された極薄の液体金属層を、チップと冷却ブロックの間に使用しています。この層は熱インターフェース層と呼ばれ、チップの温度が低く保たれるようにチップから冷却ブロックに熱を伝達します。IBM液体金属方式は今日最高の伝熱能力を低コストで実現しています。この方式は、以前に高出力のコンピューター・チップを冷却する目的でIBMによって開発に成功したものです。

 集光型太陽光発電技術は1970年代から存在していましたが、最近再び注目されるようになりました。太陽電池の温度を低く保つことができ、安価で非常に高いレベルで太陽光を集光することができる効率的な光学素子が開発されれば、その非常に高い集光率により、集光型太陽光発電技術は大規模発電向けの低コスト太陽電力を提供できる可能性を持っています。

 IBMは、1)現在のテクノロジーを用いたより安価で効率的なシリコン太陽電池の開発、2)新しい液体プロセスによる薄膜太陽電池デバイスの開発、3)集光型太陽光発電、および4)半導体量子ドットやナノワイヤーといったナノ構造をベースとした次世代の太陽電池方式という太陽光発電の4つの主要分野において研究を進めています。

 これらのプロジェクトの目標は、太陽光発電のコストを削減し、複雑性を最小限に抑え、柔軟性を増やして効率的な太陽光発電方式を開発することです。

 当報道資料は2008年5月15日(現地時間)の発表の抄訳です。

 ※原文は、こちらをご参照下さい:
 http://www.ibm.com/press/us/en/pressrelease/24203.wss

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