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ターミネーター4、戦争後の世界に踏み込む/試写レポ

ターミネーター4
【作品情報:ターミネーター4】
▽配給 ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
6月13日(土) ピカデリー1他全国ロードショー
6月5日(金)、6日(土)、7日(日)先行上映決定(一部劇場を除く)
<ターミネーター4:試写会レポート 6月13日公開>

 世界的な大ヒットシリーズ「ターミネーター」の最新作「ターミネーター4」がいよいよ全国公開される。近未来で起こった機械と人類の戦争<審判の日>を、これまでは過去にタイムスリップして阻止するといった内容で描かれてきたが、最新作では戦後の世界に初めて踏み込む。

 物語の舞台は<審判の日>から10年後の2018年。30代のジョン・コナー(クリスチャン・ベイル)が、人間と同様の思考回路をもつ機械組織、スカイネットの最後の猛攻が開始されようとするときに、人類軍の指導者となり、機械軍の支配する世界に立ち向かう姿を描く。

 劇中では『ターミネーター』でシュワルツェネッガーが演じたT-800の初期バージョンであるT-600や、オートモービル型ターミネーター、水中ターミネーターなどが、ジョン・コナー率いる人類軍に立ち塞がる。

 本作では過去の3作品とは一線を画し新しい3部作の第一章と位置づけられているが、内容は過去の作品<第一作目>とリンクする。なぜ人間の形をした機械=ターミネーターが生まれ、そして過去に送り込まれたのか―、その答えが本作、第一章で明らかになろうしている。

 新しいシリーズの幕開けに相応しく映し出される映像は現行映画の最高点に達し、残酷なまでに廃墟化した世界が広がる。ジェームズ・キャメロンが築き上げたターミネーターの世界観をひとつたりとも落とすことなく、核戦争で起こる悲劇を忠実までに表現している。戦闘シーンでは戦場カメラマンが捉えたようなリアリティ溢れる映像がサウンドとともに送り込まれ、恐怖を煽る。ハイテク化し膨張する機械軍と限界点に達した人類軍の兵器の格差も恐怖感を助長する。

 従来の米SF映画にあるような“笑い”も消されたところを見ても監督が思い描きたかった意図が垣間見える。本シリーズの火付け役、アーノルド・シュワルツネッガーが登場するところもビッグなサプライズと言えよう。

 1時間45分の物語がまるで記憶を回想するかのようにスピーディーに描写し、そして自身の体験に匹敵するかのように濃密でリアル。これぞターミネーターの真骨頂とも言うべき作品だ。

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