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三菱重工がMRJ事業化決定「三菱航空」設立、トヨタも出資

 三菱重工業は28日、次世代のリージョナルジェット機MRJ(Mitsubishi Regional Jet)の事業化に乗り出すことを決定した。4月1日からMRJ事業を担う新会社「三菱航空機株式会社」(仮称・三菱航空機)においてMRJの開発を加速するとともに、世界各国のエアラインへの販売活動を一層強力に展開する。日本企業がジェット旅客機の全機組立・販売事業へ進出するのは今回が初めてで、同社がこれまでに航空宇宙事業で培った技術を駆使し、国産旅客機事業に乗り出していく。

 三菱航空機は、MRJの設計と、型式証明(T/C)取得、調達、販売、カスタマー・サポートなどを担う。また、試作・製造、飛行試験は、当社名古屋航空宇宙システム製作所がこれに当たる。

 資本金及び資本準備金は当面、当社全額出資の30億円で、事業が本格化するに従い1000億円に増資する計画。そのうち3分の2程度を同社が出資し残りは、トヨタ自動車、三菱商事、三井物産、住友商事、日本政策投資銀行などの各社に対し出資の検討を要請している。本社を名古屋市港区大江町に構え、従業員は当面、約200人体制で始動。初代社長には当社取締役執行役員の戸田信雄が就任する。

 MRJは世界最高レベルの運航経済性と客室快適性を兼ね備えた70~90席クラスの最新鋭小型ジェット旅客機。リージョナル機として初めて主翼、尾翼に複合材を本格的に採用、新型エンジンの搭載や最先端の空力設計などとも相俟って、燃費の大幅な低減を実現、エアラインの競争力と収益力の向上に大きく貢献する。

 2007年10月に正式客先提案(ATO:Authorization to Offer)を決定、その後の国内外への販売活動で全日本空輸から25機(うち10機オプション)を受注するなど市場の確かな手応えを得て、今回、プログラムローンチを決定し、2013年の就航を目指すことになった。

 同社は商社や独立行政法人日本貿易保険(NEXI)などの協力を得ながら海外での販売も拡大し、将来にわたる伸長分野である民間航空機事業を軌道に乗せていくことで、国内の産業発展に寄与していく。

 MRJプロジェクトには、最新鋭の高効率エンジン「Geared Turbofan(TM)」を供給するプラット アンド ホイットニー(Pratt & Whitney)のほか、パーカー・エアロスペース(Parker Aerospace、担当:油圧システム)、ハミルトン・サンドストランド(Hamilton Sundstrand Corporation、担当:電源、空調、補助動力などの各システム)、ロックウェル・コリンズ(Rockwell Collins、担当:フライト・コントロール・コンピューター、アビオニクス)、ナブテスコ(担当:フライト・コントロール・アクチュエーター)、住友精密工業(担当:降着システム)の各社が主要なパートナーとして参画する。


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