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パナソニック、12年度経営方針発表 500億円の最終黒字見通す

 パナソニックは2012年度の経営方針を発表。売上高は前年比3%増の8兆1000億円、営業利益は前年比2163億円増の2163億円、純利益は8222億円増の500億円と見通した。主要の施策では、テレビ事業の事業構造改革成果の刈り取り、セット事業のコストダウンによる黒字化、パネル事業の非テレビ分野へのシフトによる収支改善のほか、成長事業としてのソーラー事業、リチウムイオン電池事業などの強化を目指す。他の施策については以下の通り、抜粋する。

【2012 年度の取り組み(基本指針と主要施策)】
(1)収益にこだわる
 ▽課題事業の再建
 テレビ事業については、昨年度実施した大規模な事業構造改革の成果をしっかり刈り取る。セット事業は、不採算モデルの絞り込みや、原価構築の徹底によるコストダウンの徹底で黒字化をめざす。パネル事業は、固定費の低減、医療やタブレット、電子黒板など非テレビ分野へのシフトで収支の大幅改善をめざす。

 ▽成長事業での増益追求
 ○ソーラー事業
 高効率な「HIT」の特長が生きる住宅市場にターゲットを絞り、今年度、急成長を見込む日本市場で、グループの販売網をフル活用して大増販を図る。目標は、前年比1.6 倍の450 メガワット以上、国内シェアNo.1。12 月には、マレーシアの新工場を立ち上げ、コスト力と供給力を一気に強化。 創蓄連携システムなど、機器連携で新たな価値提案を行い、パワーコンディショナーや蓄電池を含めた、ソーラー関連システム全体の国内売上で約1100億円を見込み、収益を伴った高成長を継続する。

 ○リチウムイオン電池事業
 民生用では、「中国・韓国への部材シフトによる原価力の強化」、「独自技術を生かした高容量化」、「顧客対応スピードの強化」に注力。その上で、薄型・高容量が求められるウルトラブックやスマートフォンなど、成長市場への提案を重点強化。 車載用では、自動車メーカーに対して全方位に積極展開し、環境対応車へアプローチ。先行する強みを生かし、生産能力最大化とコスト力強化を図り、売上を5 倍以上に拡大する。 民生用・車載用ともに黒字化をめざす。

 ○アプライアンス事業
 2012 年度は、全世界・全商品で成長機会を追求し、海外で前年比120%の売上をめざす。 グローバル増販実現のため、「生活研究に基づく地域密着商品の創出」、「エコナビの世界展開」、「スモールアプライアンス商品の群展開」を推進。・ グループの安定的な収益源として、アプライアンス事業をグローバルに拡充。

 ▽強いBtoB 事業の創出
 航空機用AV システム(アビオニクス)事業のように、顧客とつながり続け、商品・サービス両面でより高い価値を提供し続ける、ソリューション型ビジネスモデルを数多く構築する。

 ▽まるごとの収益モデル構築
  ドメインを超えて価値創出を実現する、「まるごとソリューション」事業を展開。「強い単品」をベースに、それらを「そろえ・つなげ」、さらには「メンテナンス・サービス」までを行うことで、グループとしてお客様に最大の価値を継続的に提供。 具体的な事業モデルを100 個つくる「100 本の矢」の取り組みを、全社をあげて推進。2012 年度は、すでに事業化の段階にあるものを含め50 本の「矢」を創造。これら合計で1700億円以上の売上をめざす。

 ▽経営体質の徹底強化
 本社を含むグループ全体でコスト削減を徹底し、収益体質を再構築。グローバル最適調達などによるコスト合理化、構造改革効果の刈り取りや全社的な緊急経営対策による固定費の圧縮などにより、今年度は、損益分岐点比率を7%引き下げ、2010 年度並みに経営体質を良化させる。

(2)商品を鍛える
 ▽さらなる「現地発」の追求
  白物家電においては、生活研究に当社の「環境コア技術」を融合し、中国をはじめ新興国で、エアコン、冷蔵庫、洗濯機など環境性能No.1のボリュームゾーン商品を連打していく。テレビにおいては、ビエラのスマート機能に、現地コンテンツを掛け合わせ、現地ならではの価値を生み出す提案を、インドを皮切りに順次展開。

 ▽技術・マーケティング一体で“個客”に突き刺さる
 デバイス社において、デバイスアプリケーション本部により、「市場ニーズやトレンドを迅速に把握」、「お客様の構想・設計プロセスに積極的に入り込む」といった先回りの情報収集・提案を強化。スマートフォン向け、環境対応車向けといった急成長中の分野から実践していく。

 ▽連携・群での差別化
 機器同士を連携させる技術力や、ラインアップの幅広さなど当社の強みが生きる差別化ポイントを強化。例えば、レシピをスマートフォンでダウンロードし、調理設定ができる電子レンジなど、スマート化した家電商品群を2012年度から日本市場に導入。


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