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日立と提携し炭素回収試験施設を建設、カナダのサスクパワー

【サスカトゥーン(カナダ・サスカチワン州)20日CNW=共同JBN】カナダ・サスカチワン州政府公益事業のサスクパワー(SaskPower)と日立製作所は、サスカチワン州南東部所在のサスクパワー・シャンド発電所内に総工費6000万ドルのカーボン回収試験施設(CCTF)を建設することで提携することとなった。CCTFは石炭火力発電所から排出される二酸化炭素を回収するための国際的な開発各社の能力を完ぺきに測定することを可能にする。

同州政府のロブ・ノリス・サスカチワン州政府サスクパワー担当相は「今回の発表は州にとって二重の勝利を意味する。試験施設にこうした先進的なテクノロジーを配備することは、サスカチワン州が今後も炭素回収分野で世界の先進的地位にとどまることを意味し、さらに日立のここサスカチワン州における緊要な製造能力をまさに支援することにもなる」と述べた。

サスクパワーのロバート・ワトソン社長兼最高経営責任者(CEO)は「CCTFが日立と提携することは、1970年代にさかのぼる長いパートナーシップを継続するものである。このプロジェクトは非常に重要であって、なぜならそれは石炭火力発電における二酸化炭素低排出が今後何年にもわたりサスクパワー電力システムに不可欠の部分であり続けることを支援するからである」と語った。

サスクパワーと日立はCCTFに約3000万ドルをそれぞれ出資し、所有・運用者はサスクパワーとなる。建設工事は2012年末ないし2013年初めに始まり、2014年夏に完工の予定である。日立は熟練したプロセス開発(PD)チームを送り込むとともに、同社のサスカトゥーン製造工場からコアプロセス装置を提供する。

日立が知的財産権を保有するアミン化学吸収法による二酸化炭素分離・回収技術は、このCCTFで試験される最初のテクノロジーとなる。サスクパワーは同施設が続く限り、数多くの現用ならびに新規の炭素回収技術を評価することを期待している。CCTFは多様な実証試験構成に供する目的で建設されるが、今後何年も有意義な施設として存続することは確実である。

CCTFに加えて、サスクパワーは世界で最初に首尾一貫した炭素回収・貯留運転システムを持つ商業用発電所を運用する電力会社の一つである。バウンダリーダム発電所内に石炭火力発電施設を再構築し、これに完全統合された炭素回収システムを装備するという総額12億4000万ドルのプロジェクトによって、二酸化炭素の排出量が低い電力供給と石油抽出の際発生する二酸化炭素回収が可能になる。

サスクパワーの顧客数はおよそ48万2000で、資産は63億ドル。同社は石炭火力発電所3カ所、水力発電所7カ所、天然ガス発電所6カ所、風力発電所2カ所を運用し、総発電能力は3513メガワット(MW)である。電力購入契約分を加えると総合電力供給能力は4094メガワットとなる。サスクパワーの保有する送電網は総延長15万2000キロ超、高圧変電施設は55カ所、配電施設は186カ所である。


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