現在位置: HOME > ニュース&コラム > ビジネス・産業 > 電力・発電


米産炭大手ピーボディなど、豪マッカーサー・コールに買収提案

 【セントルイス(米ミズーリ州)11日PRN=共同JBN】ピーボディ・エナジー(Peabody Energy、NYSE: BTU)とアルセロール・ミタルSA(ArcelorMittal SA、NYSE: MT)の両社は11日、オーストラリアのマッカーサー・コール(Macarthur Coal、ASX: MCC)の全株式を買い取る共同提案を同社取締役会に対して行ったと発表した。

 ピーボディが60%、アルセロール・ミタルが40%それぞれ出資した新会社が提案を行ったもので、取引所外での買収提案の形で1株当たり15・50豪ドルの現金でマッカーサー株式を全量買い取る。この新会社はマッカーサー株式の関連株式約16%を保有済み。

 買収提案価格で計算すると、マッカーサー株式は総額47億豪ドルで、最近の株式市場出来値を大幅に上回る。

 マッカーサー社取締役会に対する提案は拘束性のあるものではなく、適宜適切な期間内に完了する予定のデュー・デリジェンスが成功裏に終了するかどうかが条件となっている。買収提案の結果は、最低50・01%の株式売却申し入れの受け入れ、オーストラリア外国投資審査委員会(FIRB)の承認、その他慣習的条件や認可に従う。

 ピーボディ社のグレッグ・ボイス会長兼最高経営責任者(CEO)は「業界トップクラスであるピーボディ社の操業および開発、商業化力を使ってマッカーサー社の石炭資産を経営することで、大きな価値が生まれ得るものと考えている。買収提案が進んで、マッカーサー社株主の利益となる取引が完了するのを楽しみにしている」と述べた。

 アルセロール・ミタルの最高財務責任者(CFO)で、同社グループ取締役会のメンバーでもあるアディティヤ・ミタル氏は「アルセロール・ミタルは長い間にわたりマッカーサー社への投資家だった。我々の提案についてマッカーサー社取締役会と意見を交わしたい」と述べた。

 マッカーサー社は、低揮発性微粉炭直接吹き込み用れき青炭(LV・PLC)の生産では世界首位で、コパベラ、ムーアベール合弁事業、ミドルマウント炭坑などオーストラリアのボーエン盆地に石炭生産・開発の資産を有している。保有する石炭埋蔵量は約2億7000万トン(可採埋蔵量は1億7500万トン)、資源の総量は約23億トン(可採ベースで17億トン)。同社の生産ガイダンスによると、今年6月末に終わった1年間の生産量は380万ないし400万トンだった。

 ピーボディ社は民間としては世界最大の産炭会社で、クリーン石炭技術では世界トップクラス。2010年の石炭販売量は2億4600万トンで、売上高は約70億ドルだった。ピーボディ社は米国の電力生産用燃料の10%を、世界全体では2%を供給している。

 アルセロール・ミタルは世界有数の鉄鋼・鉱業の統合メーカーで。世界60カ国以上で操業している。2010年の同社売上高は780億ドルで、粗鋼生産量は9060万トンと世界の鉄鋼生産のうち約8%を占めた。鉱業分野では、2010年の鉄鉱石の生産量は4700万トン、原料炭は700万トンだった。

 今回の株式買収提案にあたってピーボディはUBS、バンクオブアメリカ・メリルリンチの2行を金融アドバイザーに任命、法務顧問にはフリーヒルズを任命した。アルセロール・ミタルは、金融アドバイザーにRBCキャピタルマーケッツを、法務顧問にはマレソンズ・スティーブン・ジャックを任命した。


関連記事

powered by weblio


前後の記事



記事バックナンバー

購読のご案内

取材依頼・プレスリリース

注目のニュース
最新の産業ニュース
写真ニュース

最新の写真30件を表示する