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超大型コンテナ船受け入れ可能に、ブラジルのインビトゥバ港

【サンパウロ29日PRN=共同JBN】ブラジル開発・工業・貿易省によると、ブラジルから日本への輸出品で上位に入るのは鉄鉱石、次いで鶏肉となっている。鶏肉、鉄鉱石を合わせた今年1月の日本市場への輸出は、輸出全体の58・39%を占めた。また、日本からの輸入品は自動車部品、車両、コンピューター、エレクトロニクス部品、半導体が主なものとなっている。貿易専門家によると、東北大震災後もブラジル、日本の2国間貿易は変化がないはずだとしている。日本政府は高速道路、空港、港湾、住宅、工場などの修復に3000億ドル以上を充てると発表している。一方ブラジルではブラジルでの物流あるいは日本への輸出入品を処理するため、新たなロジスティックに関する代替策が浮上している。それはインビトゥバ港である。同港はサンタカタリナ州にあり、リオグランデドスル州の工業地区へのアクセスと(ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイの4カ国で構成される南米南部統合市場同盟の)メルコスール加盟各国へのアクセスを提供している。

今月になって、サントス・ブラジル社が管理するコンテナ処理ターミナルにZPMC社製の2機のクレーンが届いた。このクレーンは「ポーテーナ(Portainers)」(岸壁クレーン)と呼ばれるもので、世界最大級の船舶、超大型コンテナ船(ULC)に使用でき、一度に20フィートのコンテナ2個もしくは40フィート(標準規格)コンテナ1個を取り扱える。定格荷重はコンテナ用65トン、特殊貨物取り扱い80トンとなっている。このクレーンは移動距離が57メートルあり、大型コンテナ船上のコンテナの21列目まで達する。

サントス・ブラジル社は3年前に公開入札を通じてインビトゥバ港でのコンテナ取り扱いを落札して以来、アジア、欧州、米州からの船舶受け入れのため、ハイテクとインフラで同港を拡大、準備を進めてきている。総投資額は4億4400万レアル近くを見積もっている。この中にはターミナルのリース料(25年契約。リニューアルによる25年の延長条項付き)、バース2カ所の建設にかかわる土木工事費、クレーンの購入など装備の購入などと地元労働者の訓練が含まれている。

インビトゥバ港にはブラジル政府による投資も行われている。ことしは港の水深を11メートルから15メートルにするための浚渫が計画されており、アクセスルートの複線化も計画に入っている。さらにサンタカタリナ州北部とインビトゥバ港を結ぶフェロビア・リトラネア鉄道と、接続を利用してブラジルの鉄道網につながるフェロビア・テレサクリスチーナ鉄道が計画されている。

この投資と外洋港としての自然環境と合わせて、インビトゥバ港には悪天候による物理的な制約・制限が全くないため、すべての港湾利用者に大きな競争力を提供できるほかとは違うターミナルとなる。


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