現在位置: HOME > ニュース&コラム > ビジネス・産業 > 国際情報


エキノックス・サミット、低炭素電化へのコミュニケを発表

【ウォータールー(カナダ・オンタリオ州)9日CNW=共同JBN】「エキノックス・サミット:エネルギー2030コミュニケ(Equinox Summit: Energy 2030 Communique)」が世界の科学者、技術者、起業家、将来の指導者を集めたユニークなサミットの閉会にあたって発表された。サミットの予備的文書になるコミュニケには、地球温暖化を引き起こす電気関連の排出物を削減するため社会を変える行動をおこそうという先見的な提案が含まれている。

コミュニケは今後取るべき一連の技術的アプローチ、その導入ステップを明らかにしており、それらは今後何十年間に現在のエネルギーシステムを電化に移行させ、長期的には化石燃料に対する依存度を大幅に削減したエネルギー社会の実現を加速する可能性を持つものであるとしている。

サミットのアドバイザーの1人、ジャティン・ナトワニ教授は「われわれが同定した6つの優先行動は、しかるべき支持さえ得られれば世界規模の変化を起こす触媒になりうる。先進国の都市だけでなく、生活の質の向上のための中心的なリンクである電気の恩恵に浴していない町や村に住む何十億という人たちに対してもだ」と述べた。同氏はウォータールー大学持続可能エネルギー研究所エグゼクティブ・ディレクター兼パブリック・ポリシー・フォー・サステイナブル・エナジーのオンタリオ・リサーチ・チェアである。

▽20年で地球を低炭素化することは可能か?
エキノックス・サミット:エネルギー2030の参加者は、どうすれば科学・技術が今求められている急を要する変化を起こす触媒になるのかについて、集中的に探求や討議を行い提案にまとめるために集まった。

エキノックス・サミットにはカナダ、ブラジル、中国、コスタリカ、インドネシア、ナイジェリア、米国、その他多くの国が参加しており、非常な多様性をもった地球社会の現実、課題、希望が体現されている。人口1千万人以上の21の巨大都市に住む人もいれば、地球の全人口の3分の1におよぶ電気のない生活を強いられている人々もいる。

▽諸国家のための電力ロードマップ
エキノックス・コミュニケは、サミット参加者が練り上げたアイデアやビジョンを要約している。参加者の目的は低炭素発電へ移行する際の複雑なテーマを扱うことだ。コミュニケは今すぐ、具体的にできる行動を民間、政府に分け、さらに国単位、国際的に分けて提案している。これらのアイデアは今後発行される「エキノックス・ブループリント:エネルギー2030(Equinox Blueprint: Energy 2030)」文書でさらに詳しく探求されることになっている。

▽コミュニケの中で述べられた道程は以下の通り。
 *風力、太陽エネルギーなどの大規模再生可能エネルギーを既存の配電網に組み込む技術の導入を加速する。
 *低炭素輸送を開発する新たな方法。
 *都市をスマート・エネルギー技術で再構築する方法。
 *現在、電気のない生活をしている人々に持続可能な電力を供給する方法。

エキノックス・コミュニケを補完するものとして、オンラインのアーカイブ・ビデオで世界的な思想家たちが低炭素の持続可能な電化社会をどう達成するか講義や討議をしている模様が包括的に提供されている。

▽ビデオ資料は以下の通り。
 *サミット参加者が非公開討議の模様を公開フォーラムで詳しく述べたもの。http://wgsi.org/video
 *コンピュータ画像によるサミットのベンチマーク映像
http://www.youtube.com/user/wgsisummit
 *サミットの成果を写真で示したダイアリー
http://www.flickr.com/photos/wgsisummit/

▽次への課題
コミュニケで示されたアイデアはサミットの概要になるもので、詳細は今後数カ月以内に発行される「エキノックス・ブループリント:エネルギー2030」で記述される。

▽エキノックス・ブループリント:エネルギー2030
エキノックス・ブループリント:エネルギー2030は、社会がエネルギー面で直面する課題を描いたものになる。さまざまな国際機関、政府機関による2030年のありうる状態についての予測を詳述し、これらの問題に対処するためのエキノックス・サミットの勧告、提案を記述している。

エキノックス・ブループリント:エネルギー2030は世界の科学・技術面で影響力のある人々、業界のリーダー、各国政府に向けて情報を提供し、助言を行い、動機づけを狙っている。ブループリントは、科学・技術がこれらの課題に直面するためにいかに貢献できるかを中心に据えて記述している。ブループリントは最新の科学的方法に基づき実用的で、現実世界に則したソリューションを提供しており、投資や政策的な焦点の決定、さらに今後20年間にエネルギーの課題に対処するさいに役に立つ可能性がある国家的、国際的な科学・技術面での取り組みの調整のための勧告を行っている。

▽オンライン取材
エキノックス・サミット:エネルギー2030のビデオは、サミットの最終セッションを含め、ウェブサイト(http://wgsi.org/video)で閲覧可能。

▽エキノックス・サミット:エネルギー2030について
エキノックス・サミット:エネルギー2030はペリメーター理論物理学研究所(Perimeter Institute for Theoretical Physics)とウォータールー大学が2009年10月に共同で設立した非営利の提携事業体であるウォータールー・グローバル・サイエンス・イニシアチブ(Waterloo Global Science Initiative、WGSI)が取り組んだ最初のイベントである。同イニシアチブは科学と技術を使って世界の最も根源的な社会、環境、経済の諸問題に対する長期的な考え方、ソリューションを産み出すために触媒になることを使命としている。同イニシアチブは世界中の優れた人材が一堂に集まり、新しい考え方を分かち合い、より良い未来に向けて共に作業する貴重な機会を提供している。詳しい情報はウェブサイト(http://wgsi.org)を参照。

TVO社はエキノックス・サミット:エネルギー2030のメディア担当パートナーである。TVO社に関する詳しい情報はウェブサイト(www.tvo.org)を参照。


関連記事

powered by weblio


前後の記事



記事バックナンバー

購読のご案内

取材依頼・プレスリリース

注目のニュース
最新の産業ニュース
写真ニュース

最新の写真30件を表示する