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米アップル「iCloud」発表、データセンターに5億ドル投資

 米アップルは7日、無料クラウドサービス「iCloud(アイクラウド)」を発表した。iCloudは、iPhone、iPad、iPod touch、Mac、Windows PC上のアプリケーションとシームレスに連動し、ユーザのコンテンツはiCloudに自動的にワイヤレスで保存され、そこからユーザのすべてのデバイスに自動的にワイヤレスでプッシュ配信される。これにより使用中のデバイスのひとつに何らかの変更があると、ユーザのすべてのデバイスがワイヤレスでほぼ即座に更新されるようになる。今回のサービスに伴い3つのデータセンターのノースカロライナ州メイデンに建設。メイデンのデータセンターに5億ドル以上を投資するという。

 サービスの概要については以下の通り。

 ▽従来のMobileMeサービス-連絡先、カレンダー、メール-すべてがiCloudとシームレスに連動するように完全に再設計され、書き直されている。ユーザは友人や家族とカレンダーを共有し、me.comでホストされる広告表示のないプッシュ型メールを利用できるす。受信箱やメールボックスはユーザのすべてのiOSデバイスとコンピュータを通じて最新の状態に保たれる。

 ▽App StoreやiBookstoreで購入したiOSアプリケーションや書籍が、それらの購入に使用したデバイス上だけでなく、ユーザのデバイスすべてにダウンロードできるようになった。また、App StoreとiBookstoreでは自分の購入履歴を確認することもでき、iCloudアイコンをタップするだけで、すでに購入したアプリケーションや書籍を追加費用なしでお持ちのiOSデバイス(最大10台)にダウンロードできる。

 ▽iCloud Backupは、iPhone、iPad、iPod touchを充電している間に、それらiOSデバイスのバックアップをWi-Fi経由で自動的かつセキュアにiCloudに対して毎日行う。バックアップされる内容は、購入した音楽、アプリケーション、書籍、カメラロール(写真およびビデオ)、設定とアプリケーションのデータ。iOSデバイスを入れ替えた場合には、セットアップ時にApple IDとパスワードを入力するだけで、iCloudが新しいデバイスの内容を更新する。

 ▽iCloud Storageは、iCloud Storage APIを使って作成したすべての書類をシームレスに保存すると共に、それらを自動的にユーザのすべてのデバイスにプッシュ配信する。いずれかのデバイス上で書類を変更すると、iCloudが変更内容をユーザのすべてのデバイスに自動的にプッシュ配信する。

 AppleのPages、Numbers、Keynoteアプリケーションは既にiCloud Storageに対応しています。ユーザアカウント毎に最大5GBの無料ストレージが提供され、それをメール、書類、バックアップに利用できる。Appleから購入した音楽、アプリケーション、書籍の保存に使われるスペースおよびPhoto Streamに必要とされるスペースは、この合計5GBの容量には含まれない。ユーザはストレージを追加購入することもできる。

 ▽iCloudの革新的なPhoto Streamサービスは、ユーザが撮影した写真やデバイス上に読み込んだ写真を自動的にアップロードし、すべてのデバイスおよびコンピュータへワイヤレスにプッシュ配信する。これによって、例えば、午後に行われた野球の試合中にiPhoneを使って撮影した何十枚もの友人の写真が、自宅に戻った時にはiPad(さらにはApple TV_)を使って友人全員で一緒に見る準備ができている、といったことが可能になる。

 PhotoStreamはすべてのiOSデバイス上の写真アプリケーションに組み込まれるほか、MacではiPhoto_に、Windows PCでは「ピクチャ」フォルダに保存される。写真の保管スペースを抑えるために各デバイスには直近の写真1000枚が保存され、鑑賞できるほか、写真をアルバムに移動して永久保存するのも容易になる。

 MacとWindows PCでは、保存スペースが大きいこともあり、Photo Stream経由ですべての写真を保存できる。iCloudではそれぞれの写真をクラウド上に30日間保管するが、これは使用中のデバイスをiCloudに接続し、Photo Streamを通じてWi-Fi経由で自動的に最新の写真をダウンロードするには十分な時間と言えるしている。

 ▽iTunes in the Cloudでは、過去にiTunesを通じて購入した音楽をユーザのiOSデバイスすべてに追加費用なしでダウンロードできるほか、新たに購入する音楽についてもユーザのデバイスすべてに自動的にダウンロードできるようになる。また、iTunesから購入したものでない音楽についても、iTunes Matchを使って同様の恩恵が受けられるという。

 iTunes MatchはユーザのiTunes以外で入手した音楽が、1800万曲を超えるiTunes Store_で提供中の楽曲と合致する場合には、それを256kbps AAC DRMフリーバージョンと差し替えるというサービスで、(何週間もかけて手持ちの音楽ライブラリ全体をアップロードする代わりに)合致した音楽は数分で入手でき、合致しない残りのごく一部の音楽のみがクラウド上へアップロードされる。iTunes Matchは今秋より年間24.99ドルで提供予定。

 Appleは7日より、iTunes Matchを搭載しないiTunes in the Cloud無料ベータバージョンを、iOS 4.3が稼働するiPhone、iPad、iPod touchをお使いのユーザに提供する。

 Appleでは、3つのデータセンター(3番目はノースカロライナ州メイデンに最近完成)を使ってiCloudを提供する準備を進めている。Appleはメイデンのデータセンターに5億ドル以上を投資し、iCloudサービスに対して期待される顧客の需要に応えていく。


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