現在位置: HOME > ニュース&コラム > ビジネス・産業 > 電力・発電


10年間で2兆3000億ドルにも、クリーンエネルギーへの投資予測

【ワシントン8日PRN=共同JBN】ピュー・チャリタブル・トラスト(Pew Charitable Trust)が8日発表したリポートによると、世界主要20カ国・地域(G20)のクリーンパワー・プロジェクトに対する民間投資は2010年末には2兆3000億ドルに達する可能性がある。膨大なエネルギー需要と強力なクリーンエネルギー政策によって、中国、インドがリードするアジアへの投資が促進されよう。しかしこうした政策の採用に当たって、G20のすべての国にクリーンパワー・プロジェクトへの民間投資を誘致し、この新興世界産業での事業でより効果的に競争するチャンスがある。

「グローバル・クリーンパワー:検討された2兆3000億ドルのチャンス」では、風力、太陽光、廃棄物からのバイオマス/エネルギー、小型水力発電、地熱発電、海洋エネルギー計画への民間投資の予測を分析している。このリポートの基本的データは、クリーンエネルギーと炭素市場のファイナンスと投資に関するニュース、データ、分析の大手プロバイダーであるブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスによって集計された。リポートでは2020年までの将来の成長を決定するため政策シナリオについて以下の3つのモデルを考えた。1)旧態依然。現在の政策を一切変更しない。2)コペンハーゲン。2009年のコペンハーゲン気候変動会議での誓約を実施する政策。3)クリーンエネルギー強化。投資増大と容量追加を最大限に促進するための政策。

ピュー・クライメート・アンド・エナジー計画の責任者であるフィリス・カッティノ氏は
「このリポートが伝えるメッセージは明確である。民間投資を最大化し、雇用創出を推進し、製造業を奨励して輸出の機会を捉えたいと望む国は、自国のクリーンエネルギー政策を強化する必要があるということだ」と語っている。

リポートによると、クリーン・エネルギー・セクターは依然として大きな経済的チャンスであり続けている。G20加盟国は旧態依然とした状態に比べて、今後10年間にクリーンパワー・プロジェクトにさらに5460億ドルの追加投資を得る可能性を持っている。クリーンエネルギー強化のシナリオでは、予想されるクリーンパワー・プロジェクトでの2兆3000億ドルの投資額は、世界経済に英国の全GDPに相当する額が加わるのと同じになる。この同じ期間における G20での再生可能エネルギー容量追加は、現在のほぼ4倍の再生可能エネルギー容量にあたる1180ギガワットに達すると予想されている。G20におけるクリーンパワー・プロジェクトに誘致される予想投資総額は以下の通り。

 *旧態依然:        2020年までに1兆7000億ドル。
 *コペンハーゲン:     2020年までに1兆8000億ドル。
 *クリーンエネルギー強化: 2020年までに2兆3000億ドル。

アジアはことし、クリーン・パワー資金が向かうトップの地域になった。中国とインドが強力なクリーンエネルギー政策を行いこの方向をリードした。中国、インド、日本、韓国は2020年までに世界のクリーンパワー・プロジェクト投資の約40%を占めることになろう。

ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスのマイケル・リーブライヒ最高経営責任者(CEO)は「アジアにおいて強力で一貫性のある政策により支援された民間投資は、過去2年間で倍増している。アジアは現在クリーンエネルギー投資で先頭を行く地域であり、欧州と米国がこのセクターへのサポートで立場を変えなければ、このリードは近い将来さらに拡大することになる」と述べている。

これら3つのシナリオの中で、中国が世界のリーダーとしての立場を保持し、今後10年間でクリーンエネルギー資産投資で累積6200億ドルの投資を引きつけることになる。インドは同国のクリーンエネルギー政策のおかげで、すべてのシナリオで2020年までに2009年の第10位から3位にまで上昇する。インドはG20加盟国中最大のクリーンエネルギー強化策に基づいて、763%の投資増加を実現できるかもしれない。

欧州は強力なクリーンエネルギー政策と目標のおかげで、世界のクリーンエネルギー経済における初期のリーダーだった。リポートによると、欧州共同体におけるクリーンパワー・プロジェクトへの投資は、クリーンエネルギー強化シナリオに基づけば10年間で総額7050億ドルに達する可能性がある。欧州の伝統的クリーンエネルギー国である英国とドイツは、3つのシナリオのどれでも世界的なクリーンパワー・プロジェクトへの投資でトップ5カ国に入る。

リポートではまた、積極的に強力なクリーンエネルギー政策を展開することで最も得るところの多い国の中に、米国が入っていることが分かる。一例を挙げると、米国はクリーンエネルギー強化シナリオで、今後10年間にクリーンパワー・プロジェクトに3420億ドルの投資を引きつける可能性を持っている。旧態依然たる状態での投資額に比べると、40%増の970億ドルがさらに投資されることになる。これ以上の割合で投資額が増える可能性のあるのは、インドと英国だけである。

主要な研究結果、各国現況、インタラクティブなグラフ、ビデオを含んだリポートの全文はwww.PewEnviroment.org/CleanEnergyで目を通すことができる。

ピュー・チャリタブル・トラストは、現在最も取り組みがいのある問題を解決するための知識の力で推進されている。ピューは公共政策を改善し、公共に情報を提供し、市民生活を元気づけるための厳格で、分析的なアプローチを採用している。


関連記事

powered by weblio


前後の記事



記事バックナンバー

購読のご案内

取材依頼・プレスリリース

注目のニュース
最新の産業ニュース
写真ニュース

最新の写真30件を表示する