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中性脂肪値下げる効果  トコトリエノール

【シンガポール18日PRN=共同JBN】シンガポールの科学者たちは、ビタミンEの1種であるトコトリエノールに血液中の脂肪の1種である中性脂肪の水準を低下させる効果があることを発見した。中性脂肪の数値が高いことは心臓血管疾患、代謝性疾患のリスク増大と密接なつながりがある。

科学者たちは、パーム油から天然に抽出されるガンマ、デルタ両トコトリエノールには2カ月間のサプリメント摂取でヒトの血液中の中性脂肪値を28%低下させる力があることを発見した。さらに、ダブルブラインド、偽薬方式の人体試験ではトコトリエノール治療を受けた被験者は平均体重、肥満度、肥満率、ウエストが減少する傾向を示した。このため、この研究は肥満と戦う自然療法としてのトコトリエノールの可能性を示している。

ダボス・ライフサイエンス(シンガポール)の科学者とマレーシア・パーム油庁(マレーシア)、フィトファーマ社(日本)の研究者の協力によるこの研究は、評価の高い日本動脈硬化学会の機関誌(ジャーナル・オブ・アセロスクレローシス・アンド・スロンボーシス)の2010年10月号で報告された。研究はボーダーラインの高コレステロール血症の20人を対象に日本の宝クリニックで行われた。被験者はベースラインではコレステロール降下剤の投与は受けなかった。

ダボス・ライフサイエンスのトコトリエノール研究開発責任者のダニエル・ヤップ博士は「ほかの研究は、高脂血症の治療薬として日本の厚労省から承認されている青身魚に含まれる多価不飽和脂肪酸のエイコサペンタエン酸(EPA)の中性脂肪低下効果を示している。この研究は、トコトリエノールがEPAより大きな血清中性脂肪低下効果を持っていることを明らかにしている。より重要なのは、トコトリエノールでは副作用が観察されず、中性脂肪を効果的に低下させる自然療法になり得ることを示唆していることである」と語っている。

中性脂肪値の上昇はメタボリック・シンドローム(代謝症候群)を示すリスク要因の1つで、心臓血管疾患、糖尿病、脳卒中のリスク増大につながる。この研究はガンマ、デルタ両トコトリエノールには中性脂肪の生成(SREBP1/2、DGAT2、APOB100)を可能にする遺伝子を直接的に抑制することで中性脂肪値を低下させる能力があることを-初めて-示し、トコトリエノールが体内の中性脂肪合成を直接規制できることを示唆している。同時に、この下方規制は体内へ脂肪を供給する中性脂肪輸送リポタンパク質(VLDLとカイロミクロン)の水準低下にもつながる。研究はマウスモデルとヒトでの臨床研究でトコトリエノールの中性脂肪低下効果を示すことによって、生体外研究の結果をサポートしている。

さらに、研究はトコトリエノールがLDLコレステロール(“悪玉”コレステロールとしても知られる)の酸化から生じる脂肪プラークが動脈内に蓄積される病気であるアテローム性動脈硬化の発症を阻害する可能性があることも示している。ガンマトコトリエノールがLDL受容体の発現を誘発して血液からのLDLコレステロール除去を強化できることが発見された。これは健康な血中脂質水準を達成する重要なステップである。

トコトリエノール研究開発、生産の専門会社であるダボス・ライフサイエンス・シンガポールのアーサー・リンCEOは「わが社の研究はトコトリエノールがメタボリック・シンドロームの予防、治療に役立つ可能性があることを示している。この研究は天然のトコトリエノールがビタミンEの一般的な形態であるアルファトコフェロールにはないユニークな健康関連の利点を持つビタミンEのはるかに強力な形態であるというさらなる証拠をもたらすものである」と述べている。

▽ダボス・ライフサイエンスについて
ダボス・ライフサイエンス社(Davos Life Science Pte Ltd)はサプリメント、機能食品、個人ケア、医薬品の成分として使う天然トコトリエノールを分離、純化する製造会社として2004年に設立された。ダボス・ライフサイエンスは自社のトコトリエノールを「ナチュラルe3」の名称で販売しており、この製品は米食品医薬品局(FDA)の規制に従った食品安全標準であるGRASを得ている。同社はトコトリエノール専門の世界最大の研究開発センター、天然トコトリエノールを製造する世界最大の製造施設を持っている。詳しい情報はhttp://www.davoslife.comへ。


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