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マルチタスキングが増大、日米などのメディア利用調査

【シェルトン(米コネティカット州)12日PRN=共同JBN】サーベイ・サンプリング・インターナショナル(SSI)が米国、英国、フランス、スペイン、日本の成人を対象に行った最新調査によると、世界の消費者は情報の探し方、共有化の仕方を変えつつある。同時にウェブサイトを検索し、電子メールを送り、誰かと話をするメディア・マルチタスキングがすべての国、特により若い消費者の間で広がっている。例えば、米国では18-34歳の60%がメールを書きながら誰かと話をすると回答しているのに対し、35歳以上では24%にすぎない。

SSIのマーク・ハーディー北米主任戦略責任者兼マネジングディレクターは「より若い人たちは複数のメディアに同時に注意を払うのは当然だとみなしている。それどころか、それがマルチタスキングだとは考えもせず、通常のコミュニケーションの方法なのだと考えている」と語っている。SSIがこの傾向に気付き始めたのは数年前のことで、パネルメンバーのいるフォーカスグループが調査について話しながらウェブをサーフしたりテレビを見たりすることが多いと話した。同社の最新の調査はこの傾向が増大し、マーケットリサーチ会社にとって面倒な事態になっているとともに、チャンスにもなっていることを示している。

ハーディー氏は「いまでは人々のことを知る手段は増えている。しかし人々の焦点は細分化されている。リサーチ会社はこの細分化された環境で成功する方法を考え直す必要があるだろう。例えば、人々との環境やほかの活動についての質問を追加するというやり方も選べるだろう」と述べている。

複雑さを増大させているのは、世界中の消費者が移動中であることを好むという事実がある。そのためにモールから帰宅途中の電車内までどこででも調査を受けることになる。日本ではラップトップを持っている消費者(73%)の方がデスクトップを持っている消費者(54%)より多い。英国、スペインではラップトップがデスクトップに追いついた。いまでもデスクトップを持っている人の方が多いのは米国とフランスだけである。

しかし30歳以下に限ってみると、ラップトップは世界中でデスクトップに取って代わりつつある。例えば米国では18-24歳の80%がラップトップを持っているのに対しデスクトップを持っているのは67%にすぎない。この差は日本ではさらに大きく、より若い消費者の80%がラップトップを持っているのに比べデスクトップを持っているのは52%である。

携帯電話利用の増加も移動性に向かう傾向を強めている。調査が行われたどの国でも、回答者の70%以上が携帯電話を所有しており、フランス、スペイン、日本ではその数は80%を超えた。さらに印象的なのはフランスを除くすべての国で携帯電話を持っている人の方が地上線電話を持っている人より多く、その差は18-24歳の年齢層では特に大きいことである。

▽ソーシャルメディアの利用は増大しているが、ソーシャル・ネットワークは一枚岩のブロックではない
ソーシャルメディアはすべての国で広く利用されている。英国、米国、フランス、スペインでは調査回答者の約半数が過去1週間以内にソーシャルメディアを利用しており、より若い消費者が最も熱心なユーザーだった。日本は異なるプロフィールを示しており、ソーシャル・ネットワークが少なく、ブログが多い。例えば、日本の回答者の24%は自分のブログスペースを持っているが、これに比べてほかの国では4-7%にすぎない。

ハーディー氏は「ソーシャル・ネットワーキングの増大を考える際には、それが一つのブロックではないことを忘れないことが重要だ。利用する人たちの間には現実の相違がある。例えば、18-24歳の年齢層はフェースブックやツイッターを使うことが年齢層の高い消費者より少ない-リンクトインは大幅に少ない。対照的にこの年齢層はマイスペースと個人ブログのヘビーユーザーである」と述べている。

▽電話は依然として主要な接続手段だが、携帯メールも拡大している
世界中で電話は依然としてひとびとが接続する主要な手段である。しかし日本では携帯メールが電話と同じ重要性を持つところまで迫っている。

18-24歳の年齢層でも、電話は接続手段のトップである。しかしより若い消費者の間では携帯メールとソーシャル・ネットワーキングがより高い年齢層の間でよりもコミュニケーション・ミックスの大幅に大きな部分を占めている。日本では携帯メールは18-24歳の年齢層で現実に電話を圧倒している。

▽日本を別にしてテレビは依然としてニュース源のトップだが、インターネットは最も価値があると認められている
日本を除くすべての国でテレビは依然として最も多く利用されるニュース源で、インターネットが2番目に人気がある。日本ではインターネットが第1位を獲得した。すべての地域でテレビが主要なニュース源にとどまっているものの、インターネットは最も価値があると認められている。

ハーディー氏は「インターネット利用から携帯メール、ラップトップ所有率まで日本はカーブの先頭に立っている。リサーチ会社としては日本が新しい規範を代表しているのかどうか-そして、もしそうならこの新しい世界にどのように備えればよいのか-自問してみる必要がある。明らかに、調査の依頼状を電子メールで送るという古いパラダイムは調査を将来も持続させるものではない。すべてのソース-パネル、ウェブサイト、ソーシャルメディア、系列提携関係など-にリンクしてインターネット全体をパネルに変える新しいダイナミックなサンプリング・プラットフォームであるSSIダイナミックス(商標)のような新しいツールが必要である」と語っている。

▽調査のハイライトはオンデマンド・ウェビナーで入手可能
SSIの新しい調査のハイライトは、新しいオンデマンドのウェビナー「新しい消費者を理解し、関与させる:アティピカルな世界で“ティピカルな”ターゲットに興味を起こさせる」を通じて入手できる。このウェビナーはウェブサイトwww.surveysampling.comで無料でアクセスできる。
 
▽サーベイ・サンプリング・インターナショナル(Survey Sampling International=SSI)について
サーベイ・サンプリング・インターナショナル(www.surveysampling.com)は調査用サンプリング・ソリューションの一流の世界的プロバイダーである。SSIはインターネット、電話、モバイル/ワイヤレスを通じて72カ国の調査回答者を対象にしている。顧客サービスには質問書デザインのコンサルテーション、プログラミング、ホスティング、データ処理が含まれている。SSIはリサーチ会社トップ50社のうち48社を含む1800社以上の顧客に奉仕している。1977年創立で、15カ国に17事務所がある。


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