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ルチル鉱から酸化チタン濃縮、ホワイト・マウンテン社が成功

 【サンチアゴ(チリ)16日PRN=共同JBN】カナダに本社のあるホワイト・マウンテン・チタニウム社(以下ホワイト・マウンテンもしくは同社、OTC ブリティンボード:WMTM)は16日、一度に60時間連続のテストランを頂点とする第2段階のパイロットプラント試験作業計画を成功裏に完了したと発表した。カナダ・オンタリオ州のSGSレークフィールド(SGS Lakefield,以下SGS)で実施された試験作業計画は、同社経営管理者、主要なエンジニアリング・コンサルタントであるAMEC社サンチアゴ・オフィスの技術スタッフ、天然ルチル鉱の有益性に精通したSGSエンジニアリング関係者によって監督、検証された。

 第2段階パイロットプラント試験作業は、天然ルチル鉱の二酸化チタン(TiO2)含有量濃縮生産することであり、それはチタン顔料とスポンジ金属生産者の化学品と微粒子仕様に対応するものである。過去2年にわたり作成、手直しされてきた処理工程表と手続きを参考にして、パイロットプラント用の機材は、試験作業計画の開始までの3週間で組み立てられた。すべての試験作業は、同社が採掘権を持つチリのセロ・ブランコ(Cerro Blanco)鉱区開発プロジェクトでラス・カロリナス(Las Carolinas)鉱脈とその周辺で産出した天然ルチル鉱と現在特定されている275トンの大量サンプル見本使って実施された。この大量サンプルは、本格的な処理プラントに粗鉱を供給するよう選ばれたラス・カロリナス鉱脈地域から産出したもので、TiO2含有量は2・9%である。

 機材の組み立てが完了した時点で、処理工程表の最初の段階は破砕サーキットである。大量サンプルは袋詰めの8インチ以下の物質としてSGSに搬出され、パイロットプラントの原材料(粗鉱)として使われる前に2分の1インチ以下にまで破砕される必要があった。サンプルが2分の1以下までは破砕され終わると、プラント用材料となる粗鉱をホッパーに運ぶためフロント・エンド・ローダーが利用され、12インチのベルトコンベア経由でロッドミルに送り込まれた。ロッドへの供給量は毎時1・2トンと設定された。ロッドミルは地上の粗鋼を振動ふるいにかけ、ボールミルの中で規格より大きなサイズの粗鉱をさらに破砕して、選鉱くずとして放出される混入物と分離された。2つの振動ふるいが作動する閉鎖回路システムを通じて、ロッドミルとボールミルからの100メッシュ以下の粗鉱はその後、脱泥サイクロンに送り込まれた。空気同調された天然ルチルの大部分を含むサイクロンの底流は、事前比重選鉱サーキットに送り込まれ、サイクロンのオーバーフロー部分は選鉱くずとして放出された。

 処理工程表の第2段階は事前比重選鉱サーキットが含まれ、それは細粒部分の回収サイクロンとともに粗いミドリング粉と粗大部分の機械的振動テーブルが含まれていた。機械的振動テーブルはより高比重の天然ルチルを濃縮し、低比重粗鋼の容量にして50%余りを除外する。事前比重選鉱の結果、天然ルチルは当初の TiO2含有量2・9%から約5・0%の品位までの処理を完了した。

 処理工程表の第3段階は通常の浮遊選鉱サーキットに関係した。事前比重選鉱サーキットで品位を高められた粗鋼は、まず初めにペーハー(pH)調整を受けるため調整タンクに送り込まれ、さらなる回収、濃縮、洗浄のため調整タンクから通常の浮遊選鉱サーキットに移された。調整浮遊選鉱は最初により粗く捕捉する浮遊選鉱セルを通過し、そこで天然ルチルの大部分が回収、濃縮された。天然ルチルの回収を支援する目的で、比較的少量の市販化学薬品と空気注入を組み合わせて浮遊選鉱セルに送り込まれた。粗く捕捉する浮遊選鉱セルからの濃縮物は、6回の洗浄段階でさらに洗浄された。浮遊選鉱用に天然ルチル特定の化学薬品を組み合わせ利用によって、SGSは浮遊選鉱セル内部のpHを粗く捕捉する浮遊選鉱セル内で約3・5、洗浄段階で約4・75に維持した。浮遊選鉱セルから出る選鉱くずは、長石回収サーキット向けの供給源となる。同社は浮遊選鉱からの選鉱くずから商用の長石濃縮物を回収する処理工程表の作成をSGSで行い、当初の固定サイクル試験作業の結果は近く出る見込みである。

 処理工程表の最終段階は磁気分離である。最終的な浮遊洗浄段階に続いて、TiO2を濃縮した天然ルチルは、高強度磁気分離器に送り込まれ、磁性体と常磁性体の両物質が除去された。磁気分離によって2種の濃縮生成物、すなわちTiO2高品位天然ルチル、磁性体と常磁性体金属の濃縮副産物が生まれる。

 それぞれのユニットでの回収段階に関する完全な処理工程詳細、回収物、生成物の品位など同社への最終報告書の中で、SGSは連続60時間のパイロットプラント試験運用について以下のような分析結果を報告している。

 「数年の開発試験作業の後、純度の低い水準でも高品位のルチル濃縮物を生成することができる独自の処理工程が開発された」

 「ラボラトリー試験作業で開発された工程表と試薬のスキームは、継続的なパイロットプラント運転試験を受けた」

 「十分なエンジニアリング・データがパイロットプラント運転中に収集され、フィージビリティ・スタディーと将来のプラント設計が可能になった」

 「磁気分離が行われた後、TiO2含有量97%というチタン濃縮品位を実現した。これは1級の品位であると考えられる」

 以下の表は、75ミクロン以上と以下に磁気分離する目的で、60時間の試験運転して生成された最終製品の化学分析の結果である。


 Magnetic Separation Results from the Concentrate
 produced during Continuous Operation - Non-magnetics

Element Assays
+75 Micron Fraction -75 Micron Fraction

Titanium TiO2 % 96.8 97.3
Iron Fe2O3 % 0.70 0.86
Silica SiO2 % 0.95 0.80
Alumina Al2O3 % 0.11 0.08
Magnesia MgO %      <0.01     <0.01
Calcium CaO % 0.06 0.17
Sodium Na2O % 0.07 0.03
Potassium K2O % 0.02 0.02
Phosphorus P2O5 % <0.01 <0.01
Manganese MnO %     <0.01 0.01
Chromium Cr2O3 % 0.39 0.42
Vanadium V2O5 % 0.23 0.26
LOI % 0.17 0.18

 すべての粒状物質の分析は、SGSから発表される第2段階最終報告書としてしかるべき時期に提供される。それは同社が塗料および顔料用のアプリケーション向けにTiO2濃縮された天然ルチルについて予想されるバイヤー向けに粗鋼を供給できると見込まれる75ミクロンを基準とする最終生成物の検査を経て行われる。

 同社は既に発表したように、SGSが最適化された試験作業による第2段階パイロットプラント処理工程表をさらに簡素化する作業に取り組んでいる。SGSはこのパイロットプラントを解体する前に、事前比重濃縮サーキットにスパイラルおよびネルソン濃縮機の利用、浮遊選鉱サークルの水媒体として海水を利用する試験を実施した。同社はSGSからその最適化報告書が発表されるしかるべき時期にこの付加的な試験作業の結果を発表する。

 ホワイト・マウンテン・チタニウム社のミハエル・クルタンエク社長兼最高経営責任者(CEO)は「第2段階のパイロットプラント試験作業計画が成功裏に完了したことは、セロ・ブランコ鉱区プロジェクトの本格開発決定に対する前進に向けた大きな一里塚である。われわれは今や、処理日程表がラボラトリーの段階でなくパイロットプラントレベルでも持続的基盤で有効であることを実証した。このパイロットプラント計画で得られた結果は、プロジェクトにおける本格的な処理プラントの最終設計に貴重なデータとなる。重要なことだが、われわれはパイロットプラント規模でセロ・ブランコの粗鉱からTiO2高品位濃縮の天然ルチルを継続的基盤で回収する能力を実証したが、それによってわれわれは塗料と顔料に必要な化学薬品と特殊粒子のバイヤーとともにスポンジ金属生産者に対応することができる。このことは当社にとって待望かつ大きな成果である」と語った。

 ▽ホワイト・マウンテン・チタニウム(White Mountain Titanium Corporation)について
 同社はセロ・ブランコ(Cerro Blanco)鉱区の採掘権を保有している。採掘権は登録済みの33の採掘権とこれから構成される5つの探査権で構成されている。セロ・ブランコ鉱区はチリのアタカマ地域にあるバイェナル市から約39キロ西方、すなわちチリ北部の地理的地域を指すリージョンIIIに位置する約8225ヘクタールである。同社の主要な目的は、セロ・ブランコ・プロジェクトを最終的なエンジニアリング上のフィージビリティにまで進め、計画のルチル濃縮生産について長期供給(オフテイク)契約を確保することである。同社はそのルチル濃縮物をチタン金属と顔料の生産者に販売する意向である。副産物の長石を生産する商用的可能性を調査する作業も続いている。長石はガラス・セラミックス産業用のアプリケーションに利用する可能性がある。

 接触先は以下の通り。
White Mountain Titanium Corporation
Michael Kurtanjek, President
(56) 2 657 1800
Brian Flower, Chairman
(604) 408-2333


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