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米PTI 食品用モジュラー式PETリサイクル設備発売

 【ホランド(米オハイオ州)22日PRN=共同JBN】食品用の再生ポリエチレン・テレフタル酸塩(rPET)樹脂を生産するためのコンパクトなモジュラー・システムが世界で発売された。このシステムは家庭で使用済みのPETボトルを効率的に食品用の樹脂に戻すことができるため、吹込み成形、射出成形、熱形成用途など世界的に高まっていているrPETの需要に対してコスト的に効率よく対処できる。

 PTIリサイクリング・システムズ社(PTI Recycling Systems, LLC)はプラスチック・テクノロジーズ社(Plastic Technologies, Inc.)の100%子会社で、定評あるrPET製造プロセス「LNO(商標)c」を世界市場に供給するために創設された。米国では、プラスチック・テクノロジーズ社の姉妹会社であるフェニックス・テクノロジーズ社(本社オハイオ州ボウリング・グリーン)がLNOcプロセス樹脂を過去2年間商業生産している。

 プラスチック・テクノロジーズ社のクレイグ・バロウ社長は「プラスチック・テクノロジーズ社は世界的なエンジニアリング企業として、世界の多くの有名ブランド商品のパッケージングを非公開かつ高い技術を保って行うことで高い評価を受けている。現在までにLNOcプロセスの有効性を多くの応用例を通じて確認してきており、当社はこの技術はrPET製造の新たな世界標準になる可能性があると考えている」と述べた。

 新会社のトップにはスティーブ・ホークスワース取締役が就任する予定で、国際的にこの「小敷設面積、省エネルギー」システムの販売とアフターサービスを担当する(この装置の敷設面積は232平方メートル以下で、必要があれば容易に分解でき別の敷設場所に移設可能である)。

 ホークスワース取締役は「標準システムの場合、年間rPET製造量は1000万ポンドすなわち4500メートルトンになる。製造能力はモジュールを一基追加することによって容易に倍増することが可能だ。さらに総保有コストは他のrPET技術では800万ドルから1000万ドルの資本投下が必要なのに比べおよそ4割低いと見積もられている」と述べた。

 モジュラー・システムのため、市場で実証済みのrPET製造設備を自社の施設に可及的速やかに導入したいと考えているユーザー、特に過去に投資金額、設置場所、取り扱い労働者などの制約で導入をあきらめていた企業には最適である。導入先はリサイクル工場、製品製造メーカー、小売業者、自治体など。

 ホークスワース取締役は「rPET供給は1、2の大規模プラントで行うより、多くの小規模処理工場で行う方が向いているというのが当社の考え方だ。当社は地域ごとに『消費・収集・変換』をするアプローチが良いと考えている。rPET生産工場をペットボトル消費地の近くに立地することで供給時間を短縮し、二酸化炭素の負荷も低減できる」と述べた。

 LNOc(登録商標)プロセスはフェニックス・テクノロジーズ社が特許を持つ「極小粒子サイズ」技術に基づいている。粒子サイズが微小なため、浄化処理が他のプロセスに比べてより効率的であり、製造スピードの向上と相当程度の省エネルギーが実現した。商標名の中で使われている「c」は「圧縮(compacted)」から取られおり、高圧縮樹脂を生産することを意味する。

 LNOc技術によって作られたrPETは他の方法に比べて発色性や収率に優れている。もう一つのメリットは固有粘度(IV)または分子量が高いことで、それらはほとんど未使用樹脂のIVに非常に近い。これはパッケージする際の性能が高いということだ。
 これによって製造されたrPETはいろいろな種類の食品や飲料への応用に最適で、用途としては水、炭酸飲料、ジュース、果物、焼き菓子、肉、チーズなどがある。容器のタイプとしてもボトル、熱形成された容器ならびにフィルム、水飲みコップ、野菜オイルやファーストフード容器などがある。

 PTIリサイクリング・システムズ社はコンエアー・グループ社(本社ペンシルバニア州クランベリータウンシップ)の協力を得て、モジュラー型のLNOcプロセス設備を作りあげた。この装置はrPETの破片を極小粒子の粉末にする粉砕機、できた粉末を圧縮してペレットにする圧縮機、そして通常の樹脂乾燥機からなる。

 ▽プラスチック・テクノロジーズ社について
 プラスチック・テクノロジーズ社は世界のプラスチックパッケージング業界で、予備成型ならびにパッケージデザイン、パッケージ開発、コンピューターによるラピッドプロトタイピング、予備製品試作、材料評価エンジニアリングなどの供給元として高い評判を得ている。詳しい情報はウェブサイト(http://www.plastictechnologies.com)ならびに(http: //www.ptirecyclingsystems.com)を参照。


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