イノベーションセンターを開所、ＩＢＭがベトナムで
【ホーチミン市２２日ＰＲＮ＝共同ＪＢＮ】ＩＢＭ（ＮＹＳＥ：ＩＢＭ）は２２日、ベトナムに最初のＩＢＭイノベーションセンターをオープンすることで、成長国家との関係を一層広げた。新しいセンターは、バンキング、通信、エネルギー、政府国営の各産業におけるデジタル基盤プロジェクトへの需要を支えるために、地元コミュニティーが技能を育成したり、新しい技術を開発したりすることを支援するのが目的である。
センターはホーチミン市に本拠を置き、ベトナム、カンボジア、ラオス全域の企業家、ビジネスパートナー、ベンチャー資本家、研究家に対して新しい技術を市場に出すことを支援する訓練ワークショップ、コンサルティング・サービス、広範な技術インフラ、実地支援へのアクセスを提供する。
ベトナムで急成長する技術コミュニティー育成支援および援助に向けたＩＢＭの取り組みの一環として、ＩＢＭはさらに以下のように代表的な大学との新たな協力を発表するとともに、無料のデベロッパーリソースへのアクセスを拡充した。
－ホーチミン市にあるベトナム国立大学（ＶＮＵ）工科大学はＩＢＭアカデミック・イニシアチブに参加し、ＩＢＭと協力して新たな大学クラウドコンピューティング・センターとクラウド関連カリキュラムを創設する。
－ハノイにあるベトナム国家大学（ＶＮＵ）工科カレッジはサービスサイエンス・マネジメント・エンジニアリング（ＳＳＭＥ）学部を創設し、ＩＢＭと合同でカリキュラムを作成する。
－ＩＢＭは、ＩＴプロフェッショナルの技能向上を助ける世界最大かつ最多アクセスの世界規模サイトであるＩＢＭデベロッパーワークス（developerWorks）に最初のベトナム語バージョンを立ち上げる。
この日のニュースはベトナムで加速するＩＴ成長に応えるものである。ベトナムのインターネット利用が大きな比率で増加し続けており、ＩＴ部門は年率２０パーセント成長してきた。ベトナム・インターネット・ネットワーク・インフォメーション・センターによると、２０００年には２０万人の市民に限定されてきたインターネット利用が、２００５年から２００８年の間に倍増し、現在では２０００万人のベトナム人がインターネットにアクセスしている。
すべての途上国の中で、ベトナムは最も高いインターネット普及率を示し、２０２０年までに完全に工業化された国家になるとの目標を掲げることで、ベトナム全土にわたる広範なインターネット・アクセスは、イノベーションを成熟産業に持ち込む新ビジネスの創出の促進に寄与する。
これらの機会を支援するにあたって、ベトナムＩＢＭイノベーションセンターは、ユーザーのソフトウエア技術が市場に出る前にそれらを検査・認証するための技術専門家とカスタマイズした実践的サポート体制を提供する。センターは、クラウドコンピューティング、ウェブ２・０技術、サービス指向アーキテクチャー（ＳＯＡ）、サービスマネジメント、エネルギーや環境のためになるコンピューター設計などのオープン・スタンダードに基づく新技術のトレーニングとそれへのアクセスを提供する。
ＩＢＭのＩＳＶ・アンド・デベロッパー・リレーション担当ゼネラルマネジャーのジム・コーゲル氏は「ＩＢＭは世界中の新興市場に大きな投資を続け、ビジネスを成長させると同時にＩＴ技能およびイノベーションを推進する地元の生態系開発も支援する。今回のＩＢＭイノベーションセンターと新たな大学との協力関係によって、われわれはイノベーションを推進し、地域のビジネスおよび研究活動がグローバルな規模で競争することに助けるため、ＩＢＭの技術リソースおよび専門的技術を一層利用しやすくする」と語った。
ベトナムの同センターはＩＢＭイノベーションセンター４３カ所の拡大続ける世界ネットワークに新たに加わる。これは世界の１０万のビジネスパートナーに対するＩＢＭの１００億ドルの年間投資の一環である。
２００８年にＩＢＭイノベーションセンターは２万２０００以上のビジネスパートナーに対して、彼らの技能向上とＩＢＭ技術に基づくソリューションを開発するためワークショップ、セミナー、コンサルタントで支援した結果、利用可能となったテクノロジーは７０００以上に達した。
ＩＢＭイノベーションセンターは今年、ダイナミック・インフラストラクチャーからクラウドコンピューティング、エネルギー効率までの広範囲な分野におけるＩＢＭの優れた技術についての見識とともに、パートナーがいち早く（製品を）市場に出し、開発コストを削減し、販売サイクルを短縮したりすることを支援するうえで利用可能なＩＢＭリソースを活用することによって、パートナーとＩＢＭとの関係を引き出すための詳細事項について説明するＩＢＭパートナー・デベロップメント・シリーズの対話形式セミナーを無料で開催する。
ホーチミン市のＵＮＩＣＯＭソフトウエア（UNICOM Software）のアレキサンダー・グリゴルク社長兼最高経営責任者（CEO）は「ＩＢＭビジネスパートナーの一員として、当社はクアラルンプールのＩＢＭイノベーションセンターにある技術およびコンサルティングに関する専門知識への無料アクセスで恩恵を受けてきた。このセンターは、われわれの高いパフォーマンスを維持し、ポーティング（移植）コストならびに検査コストを低減し、当社バンキングソフトウエアの市場出荷をより迅速にすることを可能にしてくれた」と語った。
ベトナム市場へのＩＢＭのコミットメントをさらに強化するため、ＩＢＭイノベーションセンターはまた、地域のＩＢＭビジネスパートナーとＩＢＭベトナムのクラウド・ラボ、バンキング・センター・オブ・エクセレンス、テクニカル・イクスプロレーション・センターとを結ぶ地域テクノロジーハブとして機能する。
ＩＢＭベトナムのカントリーゼネラルマネジャーであるボー・タン・ロン氏は「途上国としてのベトナムは地元企業、新興企業、研究者、ＩＴプロフェッショナルに対して大きな機会を提供している。２０００年以来、ＩＢＭはＩＴスキル関連の成長およびイノベーションを推進するためにベトナムのような新興国で１２以上のＩＢＭイノベーションセンターを開所してきた。この国は豊かなタレントに恵まれており、ＩＢＭは地元の技術コミュニティーの発展を支援することを約束する」と語った。
▽新たな研究活動関係とソフトウエア開発リソース
この日の発表には、将来の雇用機会に対応するために技術およびビジネススキルを開発するニーズを支援する新たな研究およびカリキュラムを創設することを目指し、ＩＢＭとハノイにあるＶＮＵ工科大学およびホーチミン市のＶＮＵ工科カレッジとの間で締結した２つの個々のイニシアチブが含まれている。
ホーチミン市のＶＮＵ工科大学とＩＢＭは、大学がさまざまな最新のクラウドコンピューティング・コンフィギュレーションをテスト、評価、拡大適用することが可能となるクラウドコンピューティング・ラボを創設する。このラボは、同大学が世界クラスの研究活動に従事することを支援し、地域の有力な企業とコラボレーションを可能にする。
共同の努力には、クラウドコンピューティング技術に関連するＩＢＭハードウエアおよびソフトウエアの研究と教育プログラムおよびカリキュラムの創設が含まれる。大学はまたＩＢＭアカデミック・イニシアチブに参加する。このイニシアチブは２１世紀のスキルを推進するプログラム作りを支援するため、教員や学生に対して多くの無料のリソースを提供する。
ハノイのＶＮＵ工科大学とＩＢＭは合同で、コンピューターサイエンス、工学技術、ビジネス戦略を一つの専門分野に統合するＳＳＭＥに重点を置いた新しいカリキュラムとリサーチを構築する。カレッジはベトナム経済成長とイノベーションに直ちに貢献できるように、現在の労働力に参画するため必要なビジネスおよび技術の統合されたスキルを持つ学生を輩出することを目指す新たな学問分野に重点的に取り組むＳＳＭＥ学部を設立する。
ベトナムには近代化およびイノベーション努力への強い要求がある中で、ＩＢＭは２０以上のベトナムの学術機関と緊密に協力して高度な技術を有するプロフェッショナル育成を支援する。
さらにＩＢＭは２２日、ベトナムのＩＴプロフェッショナルがソフトウエアツールやコード、ＩＴスタンダードとベストラクティス、技能訓練によりアクセスしやすくする目的で、デベロッパーワークス上でベトナム語リソースを公開した。これらのリソースはwww.ibm.com/developerworks /vn.で参照可能である。
技術スキル取得のための最大で最もアクセスが多い世界規模のサイトとして、デベロッパーワークスは世界中の数百万のデベロッパーに利用され、オープン・スタンダード、新しい技術の進展に寄与すると同時に、ＩＴ企業がＪａｖａ、Ｌｉｎｕｘ、ＸＭＬ、クラウドコンピューティングなどの技術投資を支援するツールやスキルを入手できるようにする。
ＩＢＭベトナムに関する詳細はwww.ibm.com/vn.を参照。
ＩＢＭイノベーションセンターに関する詳細はwww.ibm.com/partnerworld/iicを参照。
ベトナムのＩＢＭイノベーションセンターに関する詳細はwww.ibm.com/partnerworld/iic/vietnam.htmlを参照。
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- ［国際情報］イノベーションセンターを開所、ＩＢＭがベトナムで 2009/05/25 月曜日
