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香港フィリジェント社、豚インフルエンザ菌に対応したマスク発売

 【香港27日PRN=共同JBN】香港を拠点とするバイオ企業、フィリジェント社は猛威をふるうA型インフルエンザウイルスのメキシコ新種の世界的な流行を防ぐため、同社が備蓄していた感染予防の「バイオマスク(BioMask)」の流通を開始した。バイオマスクはそれに触れたウイルスを数秒以内に殺す能力を持つ世界で初めてのマスクで、感染病の最初の犠牲になりやすい現場労働者や子供に必要な通気性も備えている。同社のメリッサ・モウブレーダルベラ最高経営責任者(CEO)は「人道団体や政府が感染、特に子供たちの感染を封じ込めるための最前線にいる。当社も彼らの必要に応えるべく備蓄したものを配分している。バイオマスクはこのような状況に備えて開発されたものだ」と語った。

 流行病の専門家によれば、ウイルス殺菌能力を持つバイオマスクのような効果的なマスクを付けていれば、流行発生の最初の1カ月間に感染数を百万人からただの6人に減らすことができるという。今日までに、新種の豚インフルエンザによる死者はメキシコだけで81人を越え、米国へ広がり、次いで飛行機によってニュージーランドへと飛び火している。封じ込めが最重要である。フィリジェント社のモウブレーダルベラCEOは「抗ウイルス薬やワクチンが配布されるか、このウイルスに薬剤耐性がある場合はそれらが開発されるまで時間を稼がなければならない」と述べた。バイオマスクはEUのCEマークを取得しており、接触したバクテリアやウイルスの99.9%を殺す能力があり、A型インフルエンザの新種である豚インフルエンザの拡大を止める強力な武器になる。

 A型インフルエンザは手や物の表面についた場合、何日も生きられないとしても、数時間は生きている。人間から人間への感染も物の表面に接触することによって起きる。バイオマスクは殺菌作用があるため、連続的に菌を殺し続けることによって、二次汚染のリスクを減らすことができる。バイオマスクはウイルスに触れた後も表面に生きた菌がついていることはないため、マスクの取り扱いに十分注意を払うことができない、またはマスクをつけていると落ち着かなくなる子供たちに最適である。

 フィリジェントのマスクは流行発生時の厳しい流通条件にも耐えられるように作られている。普通のマスク同様、値段的には手ごろで、カビによる汚染や湿気、熱、寒さなどの厳しい条件にも耐えられる。マスクは折りたたんで包装され、緊急増産が可能である。「現在、バイオマスクや他の感染予防グッズを人々のもとに可及的速やかに届けるため、小売業者や人道団体と話をしている」と同CEOは述べた。

 ▽バイオマスクについて
 バイオマスクはフィリジェント社の「インテリジェントろ過」技術によって科学的な根拠に基づいて開発され、テスト済みの多層構造の材料からできており、内部構造には同社独自の活性層があり、これが抗菌に特化した特性を持っている。この活性層が病原菌を積極的に検知、捕捉し、接触から数分以内に迅速に殺すことができる。

 フィリジェント社が特許をもつ「バイオフレンド(BioFriend、商標)」繊維は、病原菌が通常結合しようとするヒトの細胞のサイトをまねて病原菌をとらえ、ウイルスであればその表面をバクテリアであれば細胞壁を破壊することによって殺す。インフルエンザ・ウイルスを含む多くのウイルスは、ヒトの細胞表面の末端シアル酸残基に結合することが知られている。バイオフレンド繊維の結合剤はインフルエンザ・ウイルスが結合するシアル酸の動きをまねている。

 手術用のマスクや米国N95規格をクリアした防じんマスクを含めて、通常のマスクは空中の病原菌を殺す能力はない。それらのマスクはいわば受身の機械的ろ過技術を使っているだけである。従ってマスクの表面や内部についた微生物は何時間も生き続け、その間二次感染の危険性が増すことになる。ぴったりと顔に密着するN95タイプのマスクと比べて、バイオマスクは有効性、快適性、さらに通気性に優れている。

 CEマークを取得する検査過程で、一回のしぶきに含まれる50倍の量の生きているA型インフルエンザ・ウイルスをエアロゾル化させてバイオマスクにスプレーした。(メキシコの豚インフルエンザはA型インフルエンザの新種である)。わずか1分以内に99.9%のウイルスが殺された。同様なテストが他の病原菌についても行われ、同様の結果が示されている。バイオマスクは、経口、皮膚伝染などすべての主な感染経路についてテストされたが、人体に対する有害な影響はなかった。バイオマスクの皮膚刺激性についても、ISO10933「医療用品の生物的評価」に定められた国際標準にのっとってテストされた。細胞に対する細胞毒、接触における皮膚の炎症、繰り返し使用された後の皮膚の敏感性がテストされた。細胞毒、炎症、皮膚の敏感性いずれも観測されなかった。

 バイオマスクはフィリジェント社が今年発売する抗菌性パーソナルケア商品ラインアップ、バイオフレンド(BioFriend、商標)の第一弾である。フィリジェントはECの機器指令(MDD)93/42/EECに準拠し、革新的なバイオマスクの医療デザイン、有効性、安全性についてEUの厳しい基準をクリアしている。

 ▽バイオフレンドについて
 フィリジェント社は2008年にウイルスやバクテリアを接触しただけで殺すことのできる革命的な技術、バイオフレンドを開発した。バイオフレンドの分子技術はレーヨン、木綿の織物繊維などに応用できる。バイオフレンド繊維は病原菌が通常結合するヒトの細胞のサイトをまねて病原菌をとらえ、ウイルスであればその表面をバクテリアであれば細胞壁を破壊することによって殺す。バイオフレンドはメキシコの豚インフルエンザなど世界的流行品種を含むA型インフルエンザ、単純疱疹、ライノウイルス、風邪、麻疹、肺炎、SARS、結核、連鎖球菌、およびMRSAを引き起こす菌を殺すことができる。バイオフレンドのインテリジェントろ過技術は危険な要素だけに的を絞って攻撃するため、通気性や快適性は損なわれない。バイオフレンドは幅広い微生物を殺す能力を持っているため、さまざまな材料に対して応用することができ、従って幅広い一般消費者製品に応用が可能である。バイオフレンドは感染を封じ込め、それから守るだけではなく、バクテリアやウイルスに汚染される可能性があるパーソナルケア商品を安全で清潔に保つことができる。

 ▽フィリジェント(Filligent)社について
 フィリジェント社は香港を拠点とするバイオ企業で、病気の感染を防ぐための先端的で安価なインテリジェントろ過技術を開発した。分子レベルの生化学を駆使した同社独自の技術は危険な病原菌や化学物質を空気中、水中、さらに人間の皮膚など物の表面から探しだし、人間の体内に入る前に殺すか不活性化する。フィリジェント社は一般の人たちが感染したり他の病気にかからないための安価でありながら、先端的な製品を提供している。フィリジェント社が提供するのは健康のための商品である。


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