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30万クレジットの排出量削減売却、W・エナジーのオークションで

 【ウースター(米マサチューセッツ州)、ハンブルグ(ドイツ)25日CNW=共同JBN】エネルギー及びグリーン商品のオンライン・エクスチェンジ(ワールド・グリーン・エクスチェンジ)を運営するワールド・エナジー・ソリューションズ社(TSX:XWE)は25日、エヌ・サーブ・エンバイロメンタル・サービス社(N.serve Environmental Services GmbH)が、ワールド・グリーン・エクスチェンジを介してエレクトラベル・GDF・スエズ社(Electrabel GDF Suez)に30万クレジット のプライマリーCERs(世界認証排出量削減)を売却したと発表した。

 このオークションは、入札者にプロジェクトの特性・特徴等の情報を明らかにし、世界の流動的なカーボン・マーケットにもかかわらずエヌ・サーブ社が信頼して取引できるように構築された。エヌ・サーブ社およびワールド・エナジー社は、バイヤーがプライマリーCERsを購入する際に直面するリスクに対処できるよう取引プロセスを調整した。CERsは登録済みの6件のクリーン開発メカニズム(CDM)・プロジェクト群(2008年-2012年期)から売却され、供給未達に対する防衛策のため、幾つかの年間受渡目標量をオファーすることによるバッファ構造が用意された。

 プロジェクトはすべて、硝酸工場の一酸化二窒素(N2O)削減からクレジットを生み出している。硝酸CDMプロジェクトは新興経済への革新的環境技術の移転を容易にし、かなりの、そして予測可能で明らかな付加的クレジットを生成すると言う点で、京都議定書の中の成功案件である。本オークションでのCERsはイスラエル、南アフリカおよび韓国における登録済みのCDMプロジェクトに対応するものである。エヌ・サーブ社は、硝酸プラントにおける二次的触媒技術によるN2O削減を世界的にリードする開発者であり、CO2換算3000万トン以上を削減する可能性を持つプロジェクトを維持し気候変動への戦いに貢献している。

 エヌ・サーブ社の創設者兼マネージング・ディレクターであるマルテン・フォン・フェルゼンゼルベック氏は「エヌ・サーブ社とワールド・エナジー社間の緊密な協力により、セコンダリーCERsと緊密に関連するプライマリーCERsの市場価格の獲得を確実にする本オークションに、アクティブでインテリジェントなプロセスをもたらした。さらに、事前締結方式の契約で買手の入札を募ることにより、当社は、取引完了手続きを著しく合理化でき、更なる安全性も得られた。これは市場が現在置かれている困難な状況を考えると、特に有益であった」と語っている。

 エレクトラベル・GDF・スエズ社のポートフォリオ・マネジメント部門長であるチャールズ・ヘルトーゲ氏は「当社が欧州排出量取引制度(EU-ETS)へ適応するためには、カーボン・クレジットを当社自身のポートフォリオから生み出すか、プロジェクトオーナー/プロジェクト開発者との二者間交渉、または仲介者からのチャンスをつかむことの何れかによって調達する。今回の枠組みによって、ワールド・エナジー社は一連の魅力的プロジェクトを我々に提案しただけではなく、透明性のある取引プロセスを実現し、オークション日以前に、我々の適合要件を満たす契約を作成し、オークション当日にわずか2時間で取引を完了することを可能にした」と述べた。

 ワールド・エナジー社の社長兼最高執行責任者(COO)であるフィル・アダムス氏は「当社は、エヌ・サーブ社が当社との取引を選択することによって当社のオンライン・オークション取引プロセスおよびそのビジネスモデルの正当性・価値を実証してくれたことに感謝している。当社のプラットフォーム(オンライン・オークション・サイト)が当社を競合他社と差別化し、刻々と変化するカーボン市場の要求、すなわち、透明性、選択および価値に対しての要求の増大にうまく適合していると確信しており、また、本オークションは、当社が世界及び、国内、― これは先日成功裡に実施されたRGGI(米国東・中部大西洋岸10州によるキャップ・アンド・トレード実施会社)オークション ― の両方で、我々が環境分野で構築中の継続的推進努力を浮き彫りにしている」と発言している。

 ▽エヌ・サーブ・エンバイロメンタル・サービス社(N.serve Environmental Services GmbH)について
 エヌ・サーブ・エンバイロメンタル・サービス社は、最高の精度でのモニターリングを伴うN2Oの技術及び調整要件に特に重点を置いた、硝酸N2O削減プロジェクトの開発、実施および管理における世界的大手である。エヌ・サーブ社の独自のアプローチは、同社が全体的なプロジェクトに参加し、それによって工場所有者の資本需要およびリスクへさらされる機会を削減している。エヌ・サーブ社はヤラASA社(Yara ASA)と共に、ジョンソン・マッセイ社(Johnson Matthey plc)と世界的な包括的独占的市場協調関係を築いている。三井物産株式会社はエヌ・サーブ社の少数株券を有している。
エヌ・サーブ社はドイツのハンブルグに本社を置き、チリ、コロンビア、イスラエル、エジプト、インド、タイおよび韓国にオフィスを構え、地元のパートナーとの連携を含めた世界的ネットワークを有している。

 ▽ワールド・エナジー・ソリューションズ(World Energy Solutions, Inc.)について
 ワールドエネルギー・ソリューション社(TSX:XWE)は、エネルギーおよび環境関連商品のオンライン取引を運営している。今日の変動の激しい市場において、その影響を受ける電気、天然ガス、発電・輸送の能力量及びグリーン・エネルギー資産等の購入者及び販売者のために、ワールドエネルギー社の実証済みアプローチは、通常は複雑な調達プロセスを強力且つ合理化された、コスト節約のための手段に変換することを実現した。ワールドエネルギー社は、顧客が従来のエネルギー関連商品についてより魅力的な価格を見出す手段を提供するだけでなく、環境関連商品の新興市場におけるリーダーの位置を占めている。ワールドエネルギー社では今日まで、およそ10億キロワット時のグリーンパワーとRECs(再生可能エネルギー証書)のほかに、さまざまな強制的および自主的なカーボン・クレジットを取り引きしてきた。当社のワールド・グリーン・エクスチェンジ(World Green Exchange登録商標)は、先駆的なRGGI(米国東・中部大西洋岸10州で設立した排出権余剰分取引制度を管理・運営する会社)により採用され、CO2排出に関するキャップ・アンド・トレード・プログラムを強力推進している。詳細については、www.worldenergy.comを参照。


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