現在位置: HOME > ライフ > 食欲のスパイラル > コラム


【武蔵野うどん】きやんち=埼玉県本庄市     推薦者: F番記者

きちんち
きちんち
きちんち
 行き場に困るとそばかうどん。いや丼定食もあるではないか、と怒られそうだが、私の場合はそうと決めている。練馬から関越自動車道を北上して、本庄児玉ICの手前1キロ付近の側道に「武蔵野うどん」という看板が見える。武蔵野という名が付くくらいだから、この地(埼玉)に由来するのであろうと気にはなっていたが、入る機会がなかった。

 この日は、昼すぎに近郊の取材が終わり、腹も空いていたことから「この辺で名物のものを食べよう」という事になった。例の通りネットで調査するもピンとくるものがなく、決め兼ねていたところにあの看板がヒョッコリと現われた。「武蔵野うどんでも食べてみるかね」。

 武蔵野うどん「きやんち」は、創業10年の新興店だが、地元では有名のようで店内には多くの先客がいた。名物は「ざるうどん」。ということで、ランチ定食の「生桜えび天丼セット肉汁ざるうどん(1050円)」と「ねぎとろ丼セットざるうどん」を頼んだ。

 運ばれてきたそれは、卓上に納まりきれないほどの品々。ボリュームだけ見ても顔がほころぶ。まずはうどんを「ツル、ツルルル」。分厚い麺を汁に浸けて一息に飲みこむ。ツルツルとした表面に、歯ごたえ十分のコシ。汁の味は甘からず、辛からずでちょうど良く、出汁は鰹節の風味が効いている。まずまずと言ったところだ。

 そもそも武蔵野うどんは、東京多摩地域と埼玉西部に伝わる郷土料理で、群馬や香川と同様に小麦の生産が盛んだったことが由来のようだ。同店はそれまで、同じ市内でも群馬に近い山王堂で営んでいたようで、当時の目玉は「つみっこ」(すいとん)だった。この地に移ったのは約2年前。この時に、武蔵うどんをメインとした。

 それでも、つみっこはいまだに同店の名物料理。今、流行りのB級グルメ県内大会で2年連続の優勝を果たしている代物だ。現在は、夜の部のみの提供で、事前予約が必要。

 ちなみに、埼玉県の公式サイトでは同店を「元イタリアンのシェフがつくる手打ち武蔵野うどん」と紹介している。確かにメニューにも、赤富士盛り(麺に辛い赤いタレ)やクリーム明太子うどん、濃厚豚つけ麺など奇抜なものがあった。縁起を担いで次回は赤富士盛りでも食してみようか。

<メニュー>
肉汁(並)500円、きのこ汁(並)550円、肉かけうどん650円、生桜海老天ぷらうどん700円、定食時価、クリーム明太子うどん880円、赤富士盛り800円、濃厚豚つけ麺650円、

◆武蔵野うどん「きやんち」 ▽住所=埼玉県本庄市児玉町下浅見76-2。▽営業時間=平日の午前11時~午後3時(ランチ営業)、夜は事前予約の営業、定休日は日曜日たまに祝日。▽駐車場あり(12台)。▽電話番号=0495-71-1022。





食欲バックナンバー

購読のご案内

取材依頼・プレスリリース

カテゴリー
最新のスパイラル