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社説 波紋

18歳選挙権がこの夏から

 18歳選挙権がこの夏の参議院選挙から本格的に始まる。18歳、19歳と、これまで投票権を持っていなかった若者が政治に参加することになる。

 その数は推定240万人。各政党、候補者ともに、これまでの有権者とは異なる若者層に対し、何を訴えるのか。選挙活動の一つの見所になるかもしれない。

 本質的な意味合いも違い、イベントになるのだが、先日には国民的アイドルグループのメンバーの順位を決定する選抜総選挙がおこなわれた。トップ当選者は24万票を集めた。

 1人が何票も投票をおこなえ、その投票権は販売するCD1枚に対して1票が付いている。お目当てのアイドルの順位を上げるために、1人が複数枚を購入することは当たり前で、出身の地域ぐるみによる協力体制などもみられる。音楽CDの市場縮小のもとで、売上増に向けた優れた戦略である。

 この販売手法に加え、当選者1人ひとりの御礼、挨拶の言葉も、ある方面からは高い評価を受けている。事前指導を経ているとの諸説も聞くが、次回の総選挙に向けてファンの心を確りと捉えているようだ。

 24万票。参院選なら余裕の当選級票数に値するとも。新たな若者層の心を引き寄せきれない選挙になれば、分母が大きくなったことで一層の低投票率になる可能性も高い。引き下げを、元に戻すなんてことがあるかもしれない。


[2016年6月27日付け本紙2368号掲載分]


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