現在位置: HOME > ニュース&コラム > ビジネス・産業 > 電力・発電


メジャー引き続きトップ層に、プラッツ世界エネルギートップ250社

 【シンガポール20日PRN=共同JBN】20日夕、シンガポールで発表された「プラッツ世界エネルギー企業トップ250社ランキング」によると、石油メジャーは世界で最も金融上の強い影響力を保持し続けている。しかしこのランキングはまた、電力会社のような非石油企業の復活とアジア太平洋の企業の重要性と影響力の上昇について指摘している。

 エクソンモービル社は世界的需要の増加、記録的高価格、市場の脆弱性という背景に対して4年連続でトップ250社で1位となった。2位はロイヤル・ダッチ・シェル、3位はフランスのトタールSAだった。

 プラッツ・ランキングでは依然として米国企業が全体で最大のブロックを占めているが、上位を占める割合は7年前にこのランキングが発表されてから30%下降している。エクソンモービルに続く米国トップ企業はシェブロン、バレロエナジー、コノコフィリップス各社。

 トップ100社内に占める欧州・中近東・アフリカ(EMEA)各社の割合は2001年から38%上昇した。2008年EMEAベストパフォーマーはシェル、トタール、BP、ロシアのロスネフト、イタリアのENIだった。トップ250社の上位を占めるアジア各社の割合は、ランキング発表以来歴史的な約30%上昇した。2008年のアジア・エネルギー業における最優秀企業はペトロチャイナ(中国石油天然気)で、全体の9位となりこれまでランク入りしていた多くの企業をしのいだ。アジアにおける2-5位はそれぞれ、チャイナ・ペトロリアム&ケミカル(中国石油化工:Sinopec)、リライアンス・インダストリーズ、オイル・アンド・ナチュラルガス、PTTだった。

 プラッツ社のビクトリア・チュウ・パオ社長は「エネルギー市場のグロバリゼーションは当社ランキングにますます反映されてきている。多くの地域企業がリーダー的な業務達成を行って引き続きグローバル・トップ250での序列を上げてきているのを喜んでいる」と語った。

 プラッツは20日、資産、売上高、利益、投資利益を基準として世界の業績優秀なエネルギー企業を評価する世界エネルギー企業トップ250社の発表に加えて、業界8セグメントにおけるアジア・エネルギー企業トップ15、アジア・エネルギー企業急成長トップ10、アジア・エネルギー企業トップを表彰した。企業がランク入りするためには資産が20億米ドル以上で市場公開されていなければならない。業績ランキングはシンガポールのセントレジス・ホテルで行われた第3回アジアリーダーシップ賞祝賀夕食会で発表された。出席者はアジア太平洋地域からを中心とする約200人に上るエネルギー企業幹部だった。

 トップ250社を前年と比較すると、上位20位以内にとどまり続けた企業はすべて米国以外からだった。事実、現在世界最大のエネルギー企業3社はロシア企業である。ロスネフト・オイルは6位で、ガスプロムは仲間のルクオイル(11位)を抜いて7ランク上昇して10位となった。また上位50位でロシア企業7社が入り、アジア太平洋は8社がランク入りしている。その内3社はインド企業である。

 2008年プラッツ・ランキングは業界セクター業績面で総合石油企業がこれまで同様ランク上位で強力なプレゼンスを示している。しかしランキングではまた50-100位内での非石油企業の復活が明らかになっている。プラッツでは合併・吸収の波、電力・ガス会社によるヘッジ戦略の改善と2004-2006年の価格高騰後の平常化そして東部欧州、中近東、アジア、中南米でのエネルギービジネスでの株式公開もしくは財務公開という3つの要因が関係していると見ている。

 ペルシャ湾岸地域ではアブダビ・ナショナル・エネルギーとサウジ電力会社がトップ250位に入った最初の企業となった。これはより一層の財務データ透明性とディスクロージャーへと進んでいる傾向を反映している。後者のランク入りに加えて、電力全般が2005年の石油メジャーの収益と比べてそれに先行していることが注目される。

 今年で2回目になる総売上高別世界最速成長企業のプラッツ・ランキングでは2007年に急成長企業として登場した14企業の内11企業が2008年のリストに入っている。注目すべき地域の動きとしてはトップ20位以内に中近東の企業が初めて入ったことが含まれる。このリストで日本の唯一の代表はインペックス・ホールディングスで2007年の17位から2008年は6位に入っている。

 この夕食会で基調講演を行ったシンガポールのS・イスワラン上級国務相(通産担当)はプラッツの急成長企業とトップ250社でリスト入りしたアジア企業が増えているだけでなく、アジアと環太平洋がグローバルなエネルギー持続可能性の対話で役割を担いその役割を拡大しつつあることを強調した。このアジアリーダーシップ賞しくが夕食会に先立ちエネルギー企業代表は第6回プラッツ・トップ250エグゼクティブ・サミットでエネルギー見通しと主要問題について議論した。

 夕食会の主要スポンサーは3年連続してロジカル・インフォメーション・マシーンズである。同社はエネルギーと金融セクターへのデータ、分析、リサーチのプロバイダーで、同社の顧客には世界最大のヘッジファンド、ミューチュアルファンド、銀行、エネルギー関連企業が含まれる。

 プラッツ世界エネルギー企業トップ250社ランキングのリストと追加情報は以下を参照。 http://www.platts.com/top250

 ▽プラッツについて
 マグローヒル・カンパニーズ(NYSE:MHP)の1部門で、エネルギー・商品情報の有力な世界的プロバイダー。1世紀近い事業経験を持ち、150カ国以上で顧客にサービスを提供している。世界各地の17事務所から石油、天然ガス、電気、廃棄物、原子力発電、石炭、石油化学、海運、金属の各市場にサービスを提供。プラッツのリアルタイムのニュース、価格、分析サービス、各種会議は透明で効率的な市場の運営を助けている。トレーダー、リスクマネジャー、アナリスト、業界リーダーはよりよい取引、投資の決定を行う上でプラッツに頼っている。詳しい情報はウェブサイトhttp: //www.platts.comを参照。


関連記事

powered by weblio


前後の記事



記事バックナンバー

購読のご案内

取材依頼・プレスリリース

注目のニュース
最新の産業ニュース
写真ニュース

最新の写真30件を表示する