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村上泰賢氏の「わが国産業革命のはじまり」130-日本産業革命の地・横須賀造船所―

私の身体にネジが入った 
 最近、私の身体に歯のインプラントネジが入って本紙に拙文を綴る公認資格を得た「ネジが入って一人前」の気分になっている。

 これまでインプラントとは歯の治療器具のことと理解していたがそれは誤りで、失われた歯根に代えて顎骨に埋め込む人工歯根(デンタルインプラント)のほかに、骨折・リウマチなどの治療で骨を固定するためのボルト、体内に埋め込む医療器具や美容整形のシリコンや心臓のペースメーカーも「インプラントimplant」、
と知った。

 初め人工歯根を埋め込んで固定するための予備治療。そのあとスイス・ストローマン社製という小さなネジを見せてもらった。チタン合金製だという。むかし登山用で買ったチタンのカップが高価なこととその軽さに驚いた。歯の場合も軽さが決め手でチタンかと思うとそうではなくて、70年前頃にスウエーデンのある学者がウサギで骨髄の実験をしていて、たまたまウサギのすねに埋め込んだチタン器具を取り出そうとしたらしっかり骨にくっついてはがせない。他の金属とは異なり「チタン金属には拒否反応を起こさず、結合する」ことがわかったという。

 なるほど、だから最初のネジを顎の骨に埋め込んだのち、数ヶ月間チタンネジと骨や周囲の肉との結合を待って、被(かぶ)せものの型取りをする。その後、第2のネジで被せものを固定し、ネジ穴を白い材料で埋めると外見ではほとんど自分の歯と見分けがつかない。結局歯根としたネジに被せものを固定する「ネジの二段重ね」となった。それを固定するドライバーや技術も見たかったが、残念ながら口を開けて治療を受ける身では自分の口の様子は見られない。

 経過は順調で一週間くらいで違和感がなくなった。

本紙2692号(2025年7月27日付)掲載





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