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村上泰賢氏の「わが国産業革命のはじまり」126 -日本産業革命の地・横須賀造船所―

NHK大河ドラマ 再来年は『逆賊の幕臣』・小栗上野介 

 3月3日13時にNHKは2027年の大河ドラマを小栗上野介を主人公とした『逆賊の幕臣』、主役を俳優松坂桃李(とおり)と発表した。

 「逆賊」というマイナスイメージの題名に驚いた人も多い。私も、これでは小栗上野介の名を知らない人は「悪者の物語を見るのか」と誤解して、チャンネルを切り替えられそうと心配し、NHKの担当者に懸念を伝えました。

 その返信でわかったのは、プロデユーサーも脚本家も小栗上野介についての知識は当初まったくなかった。「勝海舟のライバル」と時々出る名に気がついて調べてみたら、日本の近代化にとってとんでもなく大事な業績を残しながら歴史の闇
に葬られてきた人物、とわかったのでドラマ化に決定したとのこと。

 「逆賊」だから殺したのではなく、小栗上野介らを殺した後に明治政府が貼ったレッテルで、ほかにも西軍=明治政府軍が殺した人物は以後の歴史ですべて「逆賊」とされてきた。
 
 「官」の反対語は→「民」である。ところが「官軍」の反対語を→「民軍」といわず、日本語は「賊軍」にしてしまう。

・「賊軍」は…何をしても悪い人たちの軍隊 となる。すると
・「官軍」は…何をしても正しい人たちの軍隊 とな(れ)る。

なれる、だけ。世界中の軍隊で何をしても正しい軍隊が存在するはずがない。「官軍」「賊軍」はとんでもない決めつけ言葉だから、私どもの地域では「官軍」という言葉は使わない。 NHK担当者は、小栗が明治政府に逆賊として殺されたあと、
その近代化の功績も歴史から消えてしまったことを逆説的に表現した題名、とのこと。すべてわきまえての返信にとりあえず納得し、あとは具体的にそれをどう展開するかに期待している。

本紙2680号(2025年3月27日付)掲載





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