現在位置: HOME > コラム > さゆり「おとなまえ」 > 記事



ポインセチアは魔法の花

 クリスマスの季節になると華屋の店先を彩るのがポインセチア。ポインセチアって原産国はメキシコらしいです。

 紅い花に見える部分は苞(葉)であり、実は花弁ではないのです。私がそれを知ったのは『ポインセチアは魔法の花』というメキシコの物語を読む機会があったから。

 さて、その物語を要約してみましょうか。昔、ある村にクリスマスを楽しみにしていた一人の心優しい女の子が居ました。しかしその年、彼女の父は職を失い、貧しい生活の為にクリスマスどころか家族で生活をする事で精一杯な状態でした。クリスマス当日、村の教会にはイエス様の誕生を祝う人々で溢れていました。彼女はイエス様へ捧げるロウソクさえなく、教会の入り口で足を止めていました。すると背後から『これをもっておゆきなさい』と声が……。見ると天使像の下に雑草が茂っていました。彼女がその雑草をもって教会に足を踏み入れると、真っ赤な美しい花に変わりました。どんな贈り物よりも素晴らしいその花は人々を虜にしました。――それがポインセチアです。

 この話は、私の心を大きく揺さぶりました。世界には生まれた環境によって、今日生きられるか否かの人がいるのだ、と今更ながらに感じたからです。

 銀座で仕事をしていると、毎晩毎晩美しい生花がこれでもかと店を彩ります。そして三日やそこらでその花々は捨てられてゆく。色んな花を見慣れるし、この世界に居ればいるほど『貧しさ』への感覚も薄れます。しかし、コロナ渦では異常なほど多くの人々の生活が変化をしましたね。今まで余裕のある生活をしてきた人々が「貧しさ」を身に染みて感じている。「貧しさ」って、環境や物理的なものばかりと思いがちですが、自分のエゴや傲慢やあらゆる欲……精神面での貧しさをそう呼ぶ事もあります。実際に、ふと「自分は変わったな」と感じるか事があるのです。自分が道に迷いそうになった時、自身の生活を改めないといけない。贅沢な環境にどっぷり浸かると、当たり前の感覚がズレ、それに気付かないと危険なのです。元居た自分ではなくなってしまう。だから、謙虚さを忘れず、もっと広く世界に視野を広げなくてはならない。

 店先にポインセチア。見掛けたら是非足を止めてみてください。神様に捧げられるその花……。真っ赤なその花にあなたの内面を見られていると思うと、自分を戒めようとするはずです。年の瀬に、身の引き締まる思いがしませんか?





バックナンバー

購読のご案内

取材依頼・プレスリリース

注目のニュース
最新の産業ニュース
写真ニュース

最新の写真30件を表示する