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小池安雲の色の魅力

第86章

 立春は過ぎましたが、本格的な寒さが到来しています。みなさま、いかがお過ごしですか? インフルエンザや風邪が猛威を振るい、体調管理が欠かせない季節になりました。かくいう私も、病をキャッチしないように予防に関する知識を集めていますが、インターネットはたくさんの情報があふれかえっていて、正しい方法を見極めるまでがとっても大変! さまざまな情報がすぐに手に入るのは便利ですが、あまりに情報が多すぎるのも考えものですね。

 いったいどうしたら正しい情報が得られるのか?と、日々よく考えます。正しさに正解はないのかもしれませんが、正しさについて考えていくのはとても大切なことだと思うので、おのおのが正しさを意識して考えることで全体が良い方向に進んでいけばいいなと願っています。

色の視点で「正しさ」を考えてみると、まずはグリーンが思い浮かびます。グリーンの正しさは「正確さ」に焦点が当てられており、数値や統計など、間違いがない事実を記録するのが持ち味です。さらに正確な記録をするために必要なのは“基準がある”ことです。計測にあたって基準となる条件を決めて、その条件を元に継続的に事実を記録していくことが正しさの大前提。今年になって明らかになった厚生労働省の不正統計は、途中で基準や条件が変わったことが問題になりました。

 もちろん、正確な事実を継続的に記録したとしても、その結果が間違った方向で利用されたら、それは正しいとは言えなくなります。グリーンを原色の構成で見てみるとイエローとブルーに分けられるのですが、イエローは個人、ブルーは伝達と感情の色です。ある事実があったとして、それを誰が扱い、どのように伝達をしたのかの経緯も、正しさを考えるうえで非常に重要な要素になるでしょう。

現在、データを収集する際によく利用するインターネットは、グリーンにややブルーを加えたターコイズで表されます。ブルーが強まったということは、情報にその発信者の感情や人柄、思想が反映されやすいということ。

 どんな人が、どんなことを、どんな風に伝えているのか。その3点を心に留めながら、溢れる情報を正しく受け取っていきたいですね。

 ここで、いつものワンポイントアドバイス。グリーンは客観性の数字なので、「みんな」をいう大勢を基準にしやすくなります。みんなの意見を優先しすぎて、自分のことがおろそかにならないよう、使いすぎにはご注意あれ!

 2019年2月17日付・第2463号紙面より


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