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小池安雲の色の魅力

第77章

 ゴールデンウイークが過ぎ、日常が戻ってまいりました。みなさま、いかがお過ごしでしょうか。連休中は世間のウキウキした雰囲気が伝わってきて、特に予定のない私も何だか心が浮き立つような気がいたしました。楽しそうな様子を見ると幸せな気分になりますね!

 「楽しく生きる」という言葉をよく耳にするようになったのはいつごろからでしょうか。書店でも「自分らしく生きる」「好きなことを仕事にする」といったようなタイトルの本を目にすることが増えました。幸せを追求する生き方はとても素晴らしく、豊かな世の中になったんだなと感じます。

 一方で「好きなことが見つからない」「今の仕事は好きではないから辞めたほうが良いのかもしれない」と、楽しい生き方を推奨する世の中ならではの悩みを持つ方も増えたように思います。好きなことをして生きることを理想として、そうではない自分に不足感を持ってしまう。好きなことを探して不幸になってしまっては、本末転倒です。

 好きなこと、を表す色はいくつもあります。楽しいことはオレンジ、喜びはイエロー、嗜好はブルー。そして、好きなことを磨く、好きなことを極める、夢を実現するといった意味があるのはバイオレットです。バイオレットの特筆すべき点は、「人は人、私は私」という独自性。好きかどうかや満足するかどうかの物差しは、他者ではなくて自分が持っています。そして、自らが目指すものや惹かれるものに関しての学びを深めたり、スキルを上げて満足感を高めていくのです。

 では、どうやったら好きなことや目指すものを見つけて、心からの満足感を得られるのでしょうか。バイオレットには「真実」という言葉があります。自分の気持ちが正直なものであるかが、目的の発見には最も大切です。夢の地図を手に入れたとしても、測量が間違っていたら目的地にはたどり着けません。正しい計測は、気持ちの正しい把握から。自分の本心をきちんと把握していれば、道に迷うことはありません。

 自分の意思で決断をしていく。意思の純度を上げていくことこそが自分の気持ちに肯定的に生きることであり、好きに生きることにもつながる、というのがバイオレットのメッセージです。

 ここでいつものワンポイントアドバイス。バイオレットは周囲の雰囲気にのまれずマイペースを貫くという利点を持っていますが、行き過ぎると空気が読めない人になります。くれぐれも、使いすぎにはご注意あれ!


2018年5月17日付・第2436号紙面より


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