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韓国・権理事長インタビュー

 【ねじ・ネジ・業界紙】去る6月に開催された第8回機械要素技術展のねじ・締結技術フェアには、高度な競争力と付加価値を備えた製品・技術・サービス等を提供する国内のねじメーカー並びに商社に加え、隣国の韓国からはねじ部品等を含めた工業製品団体の韓国金属工業協同組合をはじめ、ねじ関連企業多数が出展参加した。


期間中、会場に日本でも馴染みの深い同協同組合・權赫枸理事長が表敬訪問され、韓国における市場環境やねじ業界動向等について以下の要旨で語った。

当組合は、ねじの他にバネやパイプなど金属・工業製品類と、多岐にわたる業種から計五四〇社の組合員で構成。国内のねじ製造業は約四〇〇社といわれ、うち五〇社が組合に参画しています。


ねじ生産量は03年で推定約六七万†、前年比7〜8%増の伸びです。使用する材料は国内産(ポスコ製など)80%、残り20%は日本製。品種は、企業毎に幅広いアイテムを生産していますが、近年はスタンダード品を中心に中国からの輸入増加が目立ち、その要因とする価格差は国内産比で最大が四割に及んでいます。以前は、五割ほどの格差が生じていたのですが、材料価格の値上げにより輸入の製品単価も上昇へと変化しました。


ねじの需要産業は自動車、家電・弱電、輸出向けの順に大きなウエートを占め、自動車関連をみると全体の約40%にいたっています。しかし、ユーザーの組立現場(工場)などは安価な人件費を求めて中国などへの海外進出が加速となり、それに伴って各部品企業の拠点も移転を行ない、国内市場では産業の空洞化による需要縮小の現象が起きています。ねじ企業の中には海外生産展開を図っているメーカーもみられますが、それらの大半は自動車・弱電やその部品関連などの協力企業として仕事が確保されていたことでの進出でありました。ただ現在は、独自資本や提携などを視野に新たな生産拠点の確立を目指して準備を進めている企業もみられます。


材料値上げについては、上げ幅・実施時期などは各様で価格改正となっており、どの企業も日本と同じようにユーザーからの断続的なコストダウン要請を背景に、製品価格への転嫁に苦戦している様子が窺える。取り巻く環境が厳しい下で早期な対応による企業収益の健全性を求めていかねばなりません。材料の入荷は、各社によって異なりますが総体的に遅延や供給削減もみられ、市場の混乱を防ぐべく安定した生産体制の維持に努力を重ねています。今秋にも再度の材料値上げが予測されており、業界をあげて更なる対策に取組んでいきます。


韓国のねじ業界に限らず世界各国の多岐にわたる分野・産業・企業が、中国の生産並びに市場の巨大化傾向に何等かの形で影響を受けているのですから、我々も生き残るために高い国際競争力を培い、常に市場の変化に柔軟対応できる体質の強化を目指していかねばなりません。その意味からも、今回の同展示会への出展は大きな意味をもっています。日本のねじは技術・品質・機能など全体的な面において先進国であると共に、裾野の広い需要市場は多種多様なニーズの宝庫として単なる締結部品・ねじでは満たせず、商談の場を含めて韓国ねじ産業の向上に欠かせない勉強の場でもあると位置付けていて、今後も積極的な参加を計画していきます。


      


韓国の02年度ねじ需給統計(四地域ねじ協会交流大会配付資料より)によると、国内の生産量は五十八万†で前年比7%増加、海外からの輸入量は約二万†(前年比12%増加)の取扱量全体では合計五九九三二六†(同8%増加)となっている。そのうち輸出向けは五六九六三†(同10%減少)、内需は五四二三六三†の前年比10%増加。国別輸入は最も多いのが中国からの一〇七八五†、ついで台湾の三四七九†と、この二カ国で約7割を占めている。





第1937号

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