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富士製作所が着脱省力ナットを開発

 【ねじ・ネジ・業界紙】†富士製作所(大阪府東大阪市菱江二七〇。木村繁雄社長)では、このほどナットの着脱作業の省力化を実現した「フジクイックナット」並びに「フジスピードロックナット」の二種類を開発。ナットの締付け・取外し工程に掛かる時間の短縮が大幅におこなえるなどの特徴を備え、新たなフジブランド製品に加えて全国の取引先およびユーザーへのPR活動をはじめた。

締結部品としての機能を持つねじのなかで、最も多く用いられているのはボルトとナットの組み合わせである。その使用方法は、周知の通り被締結物から出たボルトのねじ部先端にナットを嵌め込み、専用工具などによって適正トルクで回転させ、被締結物の面とナットの面が接触した時点で締付けを完了する。メンテナンスなどの取外しの場合は、逆の手順による工程で殆どおこなわれている。しかしながら、組み立て現場などにおいてナットを回す工程や要する時間は、できるだけ省略もしくは短縮することにより作業効率は上がり、ナットとボルトの組み合わせを用いた締結での課題となっている。


同社では、このような背景から六十有余年におよぶねじ作り一筋に培ってきた切削加工技術とノウハウを駆使し、ナットの着脱作業の簡素化を目指した開発に着手する。少量多品種ニーズに応えてきた切削加工における生産技術で研究・試作などを積重ね、締付けと取外しの両工程における大幅な時間短縮を可能にした新機構を有する「フジクイックナット」並びに「フジスピードロックナット」の製品化に成功した。





フジクイックナットは、上ナットと下ナットを一体化しているが、上ナットは下ナットに対して半回転( 度)する仕組みである。それぞれ上ナットには2ヶ所(白と黒)、下ナットに1ヶ所(白)のストッパーが設けられ、上ナットの回転によりストッパーの位置も連動すると共にナット内部の特殊機構が作用する。取付け手順は、まず上ナットの白ストッパーを下ナットのストッパーに合わせ、ボルトなどのねじ部に通して一気に被締結物の面まで挿し込む。そのあと上ナットを右回転させて黒ストッパーが下ナットのストッパーへと当って止まり、この時点で上ナット内部のねじがボルト等のねじ部と嵌め合う。最後に、下ナットをスパナなどの工具で締付けて完了。一連の手順を同社では「締め付けたい箇所までスルスルストーン、最後にキュッと半回転するだけでピタリ」と説明。また、取外す場合には逆の手順によりワンタッチでおこなえる。


フジスピードロックナットは、偏芯作用による弛み防止ナットのフジダブルロックナットに着脱工程および時間省力化の新機構を加えた製品。単体の下ナット(凸部)と上ナット(凹部)の組み合わせで、下ナットはボルト等のねじ部に挿し込むだけで回転させることなく一気に被締結物の面まで進められ、下ナット内部のねじ部とボルト等のねじ部を嵌め合わせて軽く締める。つぎに上ナットをボルト等のねじ部に嵌め込み回転させていくと、下ナットとは完全に密着せずに弛み止め効果を発揮するための締め代(隙間)ができる。そのあと上ナットをスパナ等の工具で締め付けることにより、上・下ナット内部のテーパー状の凹部と凸部(どちらかのテーパーはボルト軸芯に対して偏芯形状)が重なり合い、偏芯による弛み止めの作用を働かせて完全にロックする。保証荷重は既製の六角ナットと同等。


両製品ともに、何度でも繰返しの使用がおこなえる耐久性を持ち、あらゆる材質・寸法で小ロットの製作にも対応する。クイックナットは特許と意匠を、スピードロックナットは特許を出願中である。





同社では、今後も切削加工技術を活用した新たな機構・機能を備える製品の研究開発に取り組んでいくとともに、少量多品種に柔軟対応できる生産体制で様々なマーケットニーズを満たす展開を図る―としている。





第1922号

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