[PR]
技術レポート〜なぜ今マグネシウム合金なのか†
【ねじ・ネジ・業界紙】どんな用途に
†Mgは、現在ある実用金属中で比重が最も軽く、Alの3分の2、鉄の4分の1である。ポータブル電子機器や自動車部品の軽量化に寄与している。
†樹脂より比重は大きいが、重量あたり強度や曲げ弾性率が高く、同じ強度を満たす部品を成型した場合、樹脂よりも薄く出来る。ノートパソコンの液晶パネルフレームや携帯電話等に利用されている。
†熱伝導率が樹脂の熱伝導率の数十倍あるため、熱を効率的に放熱することが出来る。AV機器のハウジングや通信情報機器の部品に使われている。
†シールドめっきした樹脂よりも電磁シールド性が高いため、†と同様に携帯電話のハウジング、ノートパソコン等の電子機器に効果的。
†他の金属よりも比熱が小さく融点が低いため、再溶解リサイクルする際に新材製造時よりも必要なエネルギーが少なくて済む。
今後の需要は
ダイカスト製品においては現在のMg合金よりも高温強度、耐食性を高めたストロンチウム(Sr）、カルシウム(Ca)、イットリウム(Y)等を添加した次世代Mg合金が今後の需要を担っていくといわれている。自動車関連業界では環境規制強化により、各メーカー共に燃費向上のための軽量化対策に追われている。その解決策として次世代Mgが注目され、採用拡大が活発化してきている。欧州メーカーではトランスミッションハウジングやシートフレーム、インスツルメンツパネルフレーム等大型部品への採用が始まった。日本のメーカーにおいても、今後採用拡大が予定されている。
この様に多くの特徴を持つMg合金は今後、様々な分野に応用され、今まで実現不可能とされてきた製品をも世の中に送り出す可能性を秘めている。
なお、同研究室では鉄鋼・Al合金等金属材料の成分分析に関する試験・相談を行なっており、それと同時にMg合金の成分を迅速かつ簡便に定量化する技術も研究しているので、気軽な問合せにも応じている。
第1921号
見出し一覧
- 技術レポート〜なぜ今マグネシウム合金なのか† -- 2004/02/06 金曜日
