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川崎重工、名古屋でB787派生型機向け新工場を建設

 川崎重工業は、航空機製品の生産・組立工場である名古屋第一工場で、ボーイング787型機の増産に対応するため、工場建設に着手する。

 名古屋第一工場南工場の東側隣接地に建設する新工場は、延床面積約6万平米で、2014年度末竣工の予定。同社では、ボーイング787の生産において前部胴体、主脚格納部、主翼固定後縁を担当しており、新工場では既設工場と同種の生産設備を追加導入し、主として派生型機の前部胴体を生産する。

 ボーイング社は、ボーイング787について、現在生産する「787-8型」(210~250席クラス)、「787-9型」(250~290席クラス)に加え、今年6月に派生型機「787-10型」(300~330席クラス)を新たに787ファミリーに加えることを発表し、開発を進めている。

 ボーイング787の生産では、川崎重工が担当する胴体構造部位において、世界初の全複合材製の一体成形胴体を採用するなど、革新的な生産技術を多数導入している。

 川崎重工は、ボーイング787向け製品の工場(名古屋第一工場北工場)を2006年7月に、また増産用工場(同南工場)を2010年3月に竣工して生産を進めている。新工場建設は、さらなる増産および「787-10型」の生産開始に向け、生産能力の増強を行うもの。

 現在、ボーイング787は世界各国で運航されており、各型合わせた受注機数は1000機を超えている。川崎重工は、2007年度初めに「787-8型」の前部胴体を初出荷し、その後も順調に生産を継続してる。

<新工場の概要>
▽所在地=愛知県弥富市楠3丁目20-8
▽建物延床面積=約6万平米(全長250m、幅194m、高さ21m)
▽主要設備=(1)世界最大級(直径9m)の複合材硬化用オートクレーブ、(2)胴体を一体成形(積層)するプリプレグ自動積層機、(3)胴体を一体加工(孔明け・ファスナー取付)するパネルリベッター、(4)胴体を一体加工(孔明け・トリム)するトリム・ドリル装置、(5)大型NDI(超音波非破壊試験装置)。


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