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仏シンクタンクが指摘、完全自由市場で農業価格乱高下

 【ブリュッセル9日PRN=共同JBN】パリを本部にするシンクタンクmomagriのピエール・パジェス会長は9日、欧州議会に対するmomagri の経済モデルに関する当初結果を発表した。現在国際協議で使用されているモデルと異なり、このモデルは農業特有の性質を考慮したモデルとなっている。

 momagriのチーフエコノミストであるベルトラン・ムニエル氏によって提出されたmomagriのモデルは、自由貿易が価格を安定させないで不安定さを増加させていることを示している。2008年に市場が完全な自由貿易になるとの仮定に基づいたシミュレーションでは、大規模な農作物・穀物価格の乱高下が大幅に増加し、家畜の価格は暴落する。

 さらに金融投機筋の参入が増加することによって、規制のない自由貿易は一層価格の乱高下を招くことになる。これは金融投機筋の(市場参入の)パーセンテージをますます増加する農業価格の不安定さにリンクさせた画期的な指標によって明らかにされた。これらのシミュレーションに基づくと、持続的な需要と一体になった自由貿易の拡大が採算の取れるレベルで価格を安定させ得るとの主張はできない。

 momagriのジャック・カールス執行副社長は「現行モデルで予測されているような今後の農業価格の規則的、直線的な上昇を確保するためには、採算性の法則をごまかすような方法でしか考えられない。このユートビア的なシナリオは、投機家が存在せず、農家は完ぺきに将来を予測でき、気象条件が理想的であると仮定している。国際的協議、共同農業政策(CAP)、世界貿易機関(WTO)が意思決定の基盤としている前提は現実を反映しておらず、前提となるものはむしろmomagriモデルを使用したシミュレーションによって厳しく問題提起されたイデオロギーである」と語った。

 パジェス会長は「WTOにおけるファルコナーWTO農業交渉議長の提案の影響をシミュレーションしてみると、このモデルは価格不安定の高まりが完全自由貿易のシナリオに極めて近似していることを示している。従って複数国による関税、国内インセンティブ、輸出奨励金の引き下げ決定は最貧国の利益にはならず、それどころか逆効果である。農家は極めて混乱した市場で生き残ることはできない。国際的農業政策がなければ、国際協力の枠組みの外で実施されるいかなる廃止も、すべての国の食料の安全性を脅かすことになる」と述べた。

 この理由からmomagriは、国際的レベルでの適切な規制を通じた自由市場を確保するために「世界貿易機関」が設立されなければならないと考える。http://www.momagri.org

(共同通信PRワイヤー)


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