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水資源保護に世界は行動を ブラジルで世界環境フォーラム

【サンパウロ2013年6月26日PRN=共同JBN】ブラジルのフォスドイグアスで6月21―22日にビジネスリーダーグループLIDE(Grupo de Lideres Empresariais)が開催した世界環境フォーラムは、環境保全を目標にして生活の在り方を見直す社会への移行を促す宣言を採択した。「2013年:水資源で協力する国際年(2013: International Year of Cooperation on Water)」をテーマにしたフォーラムには、ビジネスマンや市民活動家、行政担当者など405人が参加した。

LIDE環境持続性担当のロベルト・クラビン氏と市民活動団体SOSマタ・アトランティカのペドロ・パッソス氏は、ブラジルのイザベラ・テイシェイラ環境相とパラナ州のベト・リチャ知事に対し、イグナス・パーク声明を手渡した。環境相はイグナス・パークの中を通るエストラーダドコロノ道路の再開に反対する立場で、「パラナ州の持続的開発を促進するために、道路の再開は必要ない」と述べた。

続いてテイシェイラ環境相とリチャ州知事、ビセンテ・アンドレウ国家水資源庁長官、パラナ州のルイズ・シェイダ環境・水資源局長が、ブラジル国内で水資源管理の強化に取り組む全国水資源管理協定に調印した。

スピーチ

「世界的な水資源の危機」をテーマにしたパネル討論会では、ブラジル水会議のベネディト・ブラガ代表が良質な水を利用できる「水の安全保障」を確立する必要性を強調し、「国民に水の安全保障を提供するのは政府の義務だ。われわれには技術的な解決策があるが、問題は政策と資金である」と指摘した。

環境法が専門のロバート・F・ケネディー・ジュニア氏は「ブラジルと世界の水資源管理」と題してスピーチし、民営化が現時点で最も厄介な問題であると語った。同氏の見解によると、支払い能力がない人も含めて誰もが水資源を利用する権利を持つべきであると訴えた。

海洋学者でオーシャン・フューチャーズ・ソサエティー代表のジャン・ミッシェル・クストー氏は、世界にはたった一つの水系しかないという事実に注目するよう求めた。「海洋の環境的役割」のパネルでは「今こそわれわれは、この星の生きものを守るための解決策を見つけなければならない」と強調した。ブラジルは地球環境を守るために他の国を説得するリーダーとしての役割が期待されるという。

マリナ・シルバ元環境相は、最近ブラジル各地に広がったデモを擁護し、「技術の進展によって新しい政治課題が浮上している」と述べた。人々はこれまでのような無力な立場から抜け出したいと願っているという見方を示した。

フォーラムの成果を集約した「フォスドイグアス宣言(Carta de Foz do Iguacu)」はエコシステムや水資源を考慮して消費パターンを変更する必要性を強調した。水資源の保護や下水道の整備を確立する政策を早急に実施するよう提案し、イグアス・パーク道路の中止や、2014年以前の確率論的安全評価(PSA)法案の承認、公衆衛生の改善を促す税制の導入などに早期に取り組むための綱領も作成した。


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