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ソニー経営方針、デジタルイメージング技術応用で各事業拡大目指す

 新たな経営体制の下で発表されたソニーの経営方針。エレクトロニクス事業の再生を図り、2014年までに同事業での売上高6兆円、ソニーグループ全体では8兆5000億円を目指すとしている。エレクトロニクス事業の重点施策では、中核事業であるデジタルイメージング・ゲーム・モバイルの強化と、テレビ事業の再建、新興国での事業拡大、新規事業の創出、事業ポートフォリオの見直しをなどを図っていくとしている。特筆すべき点は、デジタルイメージング技術の応用であろう。同技術を一層高め、これまでのカメラやゲームといった分野にとどまらず、メディカル分野にも応用して事業の拡大を目指すことがうかがえる。重点施策のうち、デジタルイメージング・ゲーム・モバイル事業、とテレビ事業再建、新規事業の創出の一部内容を次の通り、抜粋する。

 ▽中核事業であるデジタルイメージング・ゲーム・モバイルの強化
 デジタルイメージング、ゲーム、モバイルの3つの事業領域をエレクトロニクス事業における重点事業領域と位置づけ、投資及び技術開発を集中する。この3つの事業領域を重点的に成長させ2014年度にはエレクトロニクス事業全体の売上高の約70%、営業利益の約85%を創出することを目指す。

 デジタルイメージング事業では、ソニーが得意とするイメージセンサー、信号処理技術、レンズなどの独自技術の開発を一層強化し、これらを基にした民生用機器(デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、レンズ交換式デジタル一眼カメラなど)、放送・業務用機器(放送局向けカメラ、セキュリティカメラなど)の商品力強化と差異化を実現していく。また、これらの要となる技術をセキュリティやメディカルなど幅広いアプリケーションに活用することで、デジタルイメージング事業の領域を広げていく。民生用機器、放送・業務用機器、イメージセンサーを併せて、2014年度に売上高1兆5000億円、二桁の営業利益率を目指す。

 ゲーム事業では、「プレイステーション3」、「PlayStation Vita」を中心に圧倒的なエンタテインメント体験を提供するハードウェア及びソフトウェア群と「PlayStation Network」、周辺機器ビジネスの広がりを柱に、売上高及び営業利益の拡大を目指す。「PlayStation )Network」関連では、ゲームタイトルのダウンロード販売の拡大、定額課金サービスの強化、PlayStation Suite対応端末及び対応コンテンツの拡大を行っていく。ゲーム事業では2014年度に売上高1兆円、営業利益率8%を目指す。

 モバイル事業では、100%子会社化が完了したソニーモバイルコミュニケーションズが担うスマートフォン事業と「Sony Tablet”(ソニータブレット)」及びパーソナルコンピューター「VAIO」などの事業を、技術開発、設計、販売・マーケティングなどの面で融合させ、魅力的な商品を迅速に開発し、市場投入していく。

 また、デジタルイメージングやゲームに代表されるソニーの幅広い技術、映画・音楽・ゲームなどのコンテンツ、ネットワークサービスプラットフォーム「Sony Entertainment Network」、そしてこれまでの携帯電話事業で培った通信技術やビジネスノウハウを積極的に活用することで、新しいモバイル商品の市場投入や新しいビジネスモデルの構築を推進していく。さらに、モバイル商品群のオペレーション統合による効率化や最適化も追求する。これらを通じて、モバイル事業全体で2014年度に売上高1兆8000億円、収益性の大幅な改善を目指す。

 また、新興国におけるエレクトロニクス事業の売上高は2011年度には1兆8000億円だったが、これを2014年度には2兆6000億円に引き上げる。民生用AV/IT製品については、新興国での売上高が2014年度に全世界の60%まで拡大することを目指す。

 ▽テレビ事業の再建
 テレビ事業は2013年度の黒字化達成に向け、2011年11月2日に発表した収益改善プランの実行に既に着手しており、2012年度以降もこれを加速させる。既に実行したサムスン電子との液晶パネル製造合弁の解消による液晶パネル関連コストの削減に続き、さらなる設計効率の追求やモデル数削減(2012年度に2011年度比約40%減)など事業構造の変革に取り組むことで、テレビ事業に固定的にかかる費用を2013年度には2011年度比で約60%削減することを目zス。オペレーションコストについては、2013年度には2011年度比で約30%削減することを目指す。

 現在のテレビ事業を支える液晶テレビ<ブラビア>については、画質・音質の向上や地域ニーズに合わせた商品の投入を継続的に行い、魅力ある商品ラインアップを展開していく。さらに将来に向けては、有機ELや「Crystal LED Display」などの次世代ディスプレイの開発及び商品化、モバイル商品や映画・音楽コンテンツなどソニーグループ内での連携による商品力の向上など、ハードウェアの差異化も追求し、ソニーのテレビの魅力を高めていく。

 ▽新規事業の創出/イノベーションの加速
 中長期の成長を目的としたイノベーションの加速及び商品の本質的価値を追求するための差異化技術の強化を、積極的に推進していく。中長期の成長をめざす具体的な事業領域の例として、メディカル事業と4K関連事業がある。

 新規事業領域であるメディカル事業については、既に参入済みの医療用プリンターやモニター、カメラ、レコーダーなどの医療周辺機器事業で2014年度に売上高500億円を目指す。加えて、ソニーの強みであるデジタルイメージングの各種要素技術を活用した内視鏡などの医療機器向けビジネスや、半導体レーザー、イメージセンサー、微細加工などの技術を活用できるライフサイエンス事業にも参入していく。

 ライフサイエンス事業の領域では、細胞分析機器メーカーiCyt社や医療検査・診断機器開発メーカーのMicronics社を既に買収しているが、これ以外にも、メディカル事業のさらなる展開に必要であり、ソニー自身の強みとも合致する領域でのM&Aを積極的に行い、将来のソニーの事業の柱の1つに育成していく。


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