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特許庁とアセアン各国の知財庁が「東京知財声明」を採択

 特許庁は8日、アセアン各国の知財庁との第1回日アセアン特許庁長官会合を同日、東京で開催したと発表した。会合では、アセアンが今後経済成長を遂げていくために知的財産保護の強化が必要であること、そのために日本が協力していくことを確認し「東京知財声明」を採択した。

 この採択によって、今後、アセアン各国の条約加盟の支援や、審査・行政能力の向上、普及啓発活動などについて、具体的なアクションを定めて協力していくことになったという。また、この協力活動をアセアンのニーズに沿ったものとするため、この長官級会合を定期的に開催していく予定で決まった。同庁は、日本企業のアセアンにおける事業活動を支援するためにも、アセアンの知財庁との対話の枠組を有効に活用してく。

 今回行われた背景に同庁は、アセアン各国は近年目覚ましい経済成長を遂げており、今後、経済成長の過程においてイノベーションが加速化されると共に、経済成長による国民所得の向上で、より高品質、高付加価値な製品・サービスへのニーズが高まり、優れたデザインやブランドに対する需要が向上することも予測される。

 イノベーションやデザイン、ブランドの創造、保護、活用を図るためには、知的財産が適切に保護される環境整備が必要である。一方、アセアンでは、域内の経済活動の自由化を目的とした共同体を2015年に構築することを目指しており、アセアン地域は我が国にとって一層重要な一大経済圏となることが予想されている。日本企業にとっても、研究開発成果やデザイン、ブランドがアセアン地域で適切に保護され、円滑に事業を展開するためには、アセアン各国の産業財産権上の制度、運用の改善が必要と判断。

 特許庁の提案により、知的財産分野における今後の協力関係について各庁の長官が活発に意見交換を行った。そして、アセアンが今後経済成長を遂げていくために、知的財産保護の強化が必要であること、そのために日本が協力していくことを確認し、「東京知財声明」を採択した。

 具体的には、「東京知財声明」において、次の事項について日アセアン相互の利益となることを認識し、合意した。(1)日本とアセアンとの相互の繁栄のために協力を強化していくこと、(2)貿易・投資の円滑化やイノベーション・技術移転を促進し持続的な経済発展を実現するために知財システムが重要であること、(3)日本とアセアンの協力が、アセアンの「知的財産権行動計画2011-2015」の実現のために有益であること、(4)多様なニーズや経済レベルに配慮の上、WIPO(世界知的所有権機関)等を含めた関係機関を通じて、又は直接の継続的な対話に基づき、ニーズに応じた協力を実施していくこと、(5)第2回会合を2012年7月にシンガポールで開催すること―。

 本会合をきっかけとして、今後、アセアン各国の条約加盟の支援や、審査・行政能力の向上、普及啓発活動などについて、具体的な協力をしていくことになった。また、この協力活動をアセアンのニーズに沿ったものとするため、この長官級会合を定期的に開催していく予定。


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