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フランクフルト・オートショー開幕、ウィスマンVDA会長が挨拶

【フランクフルト、ベルリン15日PRN=共同JBN】第64回国際モーターショー(IAA)は15日、政界、実業界などから数多くの参列者を前に、アンゲラ・メルケル首相によって正式に開幕した。ドイツ自動車工業会(VDA)のマティアス・ウィスマン会長は「この国際モーターショーは、自動車産業の疲れを知らない再生と革新の力をよく表している。サッカー場33カ所に匹敵する場内に1000を超える展示者が展示している。総数183台の新車の初公開が80万人のビジターを待っており、世界90カ国以上から集まった1万1000人を超える報道陣が、この世界で最も重要な自動車展示会について報道している。IAAは自動車産業界の『水晶球』である。ここで人々は現在の自動車と未来の自動車の両方を集中して見ることができる」と挨拶した。

ウィスマン会長はさらに、IAAのスローガンである「普遍化された未来」が意味するところは明確で、このリーダー的なモーターショーは将来の自動車のコンセプトを展示するだけでなく、間もなくさまざまなモデルで路上に現れる自動車を展示していると指摘し、「自動車産業の進歩と本体のダイナミズムは重力のようなものであり、交渉の余地はない」として、過去5年間にわたってドイツ自動車産業界は1000億ユーロを前進のために投資し、2010年だけでもドイツ自動車産業界全体で3000以上の特許を獲得したと述べた。ウィスマン会長はさらに「この創造性の結果をみるには、特許庁へ行く必要はなく、IAAを見ればよい」と語っている。同会長は、こうした革新の多くは、自動車に75%にも上る付加価値をつけているサプライヤーがもたらしたものであると説明している。

ウィスマン会長はまた「製造業者とサプライヤーが一緒になって、ドイツ自動車産業のユニークで革新的な力を特徴付けている。こう考えているのはわれわれだけではない。アーンスト&ヤングの最新調査によると、外国の自動車マネジャーたちはドイツを世界で最も魅力的な自動車の場所として選んでいる。これは単に革新を推進するというだけでなく、品質、生産性ももたらしている」と語った。

ウィスマン会長は、2008、2009の両年に短時間労働の拡大について「管理・労働協議会、労働組合IG Metall、VDAのすべてが一つになり、政府の適正な方向性を持ったサポートが加わる」ことが危機克服にとって極めて重要だったと喚起し、「この歴史をともに継続しよう」と呼びかけた。労働力にもまた回復がもたらされた。現在自動車産業はドイツで72万4100人を雇用しており、昨年より1万8000人以上増えている。ウィスマン会長はまた、機動性を確保するという連立協定における公約にメルケル首相の注意を向け「この約束が特にモータリストからの支持を得ている」と語った。

またウィスマン会長は二酸化炭素削減の成功について、「単に言及しただけでなく、実現した」と語った。4年前ドイツで登録される乗用車は平均1キロメートル当たり170グラム相当の二酸化炭素を排出していた。2年前にはこの数字は154グラムに減った。ウィスマン会長は「現在では1キロメートル当たりの二酸化炭素排出は145グラムである。これは100キロメートル当たり5・9リットルの燃料消費に相当する」と指摘している。ドイツ・ブランドの自動車はこの面で大幅に進歩している。一例を挙げると、ドイツ・ブランドの新規登録乗用車は、平均して10セグメントのすべてで競争相手より低くなっている。

「ここフランクフルトでわれわれは二酸化炭素ダイエットに関するレシピを展示している。古典的内燃機関の最適化、ハイブリッド自動車、プラグイン電気自動車、レンジエクステンダー、それに100%蓄電池で作動する電気自動車、燃料電池による電気自動車である。IAAは初めて電気自動車に関するすべての付加価値チェーン専用のホールを設けた。そのため、世界最大の電気自動車展示会とも言うことができる」とウィスマン会長は述べている。

金融市場の状況についてウィスマン会長は「われわれは未だ危機を乗り越えてはいないし、金融市場はまだ病んでいるように見える。しかし実生活は不安がなくなることを約束している。2011年は自動車の年になっている。今年この世界市場は6500万台の販売市場に拡大し、2年前より1000万台も増える新記録になる。2020年の予測は世界で9000万台である」と指摘している。

ウィスマン会長は、自動車業界が現在正常に戻る過程にあると指摘するとともに、「これは新しい展開ではないが、経済について私が見るところでは、『ダイナミズムの失速』と『景気後退』という誤った考えとの間に大きな違いがある」と述べ、最大の問題が米国や欧州のいくつかの国の財政赤字であるとの認識を示した。同会長はさらに次のように語っている。「これらの現在および将来の『借り入れ』は、信頼できる方法と強力なリーダーシップでなくすべきである。この国際的負債という災害が克服できれば、金融市場の安定に関する信頼は回復するだろう。ドイツ政府が一貫して欧州の目的と共通通貨をサポートし、同時に欧州の負債を下げるよう努力するのであれば、われわれもドイツ政府を支持する。強力な製造業セクターと強力な産業ベースが備わって初めてドイツと欧州の課題は克服できる。金融市場はもう一度製造業セクターに奉仕すべきである。コンピューター支援による高速取引と不透明な金融商品は、包括的な『再生復元』すなわちこのセクターに対する世界的規制を必要としている。欧州が世界的競争でその地位を保つためには一つのことを絶対に採用する必要がある。つまり、最弱なものが標準を決定するのではなく、最も革新的で最高のものが標準となるということである」

IAAは9月15、16の両日を商談会にあて、第64回国際モーターショーは9月17日から25日まで一般公開される。詳細はhttp://www.iaa.deを参照。


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