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コントゥアグローバルがルワンダの発電所建設、4社と融資契約

 【ニューヨーク、ロンドン、ハーグ、チュニス(チュニジア)26日PRN=共同JBN】米コントゥアグローバル社(ContourGlobal)は26日、ルワンダのキブエにあるキブ湖にメタンガス採取と生産のための総合施設を建設し、25メガワットの発電所を併設する「キブワット(KivuWatt)プロジェクト」の第1段階のため、新興アフリカ諸国インフラストラクチャー基金(Emerging Africa Infrastructure Fund、EAIF)、オランダ開発金融会社(FMO)、アフリカ開発銀行(afDB)、ベルギーの発展途上国向け投資企業NV/SA(BIO)の4社と9125万ドルの融資契約に署名したと発表した。この総合プロジェクトによって、キブ湖の湖水に閉じ込められそのままでは健康を害するメタンガスを取り除き、そのガスを使ってルワンダの国営電力会社、エネルギー・水・衛生機構(EWSA)が必要とする電気を発電するための燃料とする予定。同国では国民の大多数はまだ電気の恩恵に浴していない。

 この署名は26日キブワット・プロジェクトの現地で行われ、同時にプラント用に採取したガスの収容施設を載せる750トン・バージの完成を祝った。この催しには、コントゥアグローバル、融資金融機関とフィンランドのバルチラ(Wartsila)社を含むプロジェクト関連請負企業の代表が参加した。バルチラ社は発電機の製造と発電所を建設する予定。また催しにはルワンダ側からカロンギ市長のカユンバ・バーナード氏、西部州のセレスティン・カバヒジ知事、エネルギー・水担当相のコレサ・ルハミャ氏が参加した。さらに参加した外交団にはキガリの米臨時代理大使アン・キャスパー氏、オランダ大使のフランス・マッケン氏が含まれている。

 キブワット・プロジェクトは、キブ湖の深層水から溶けだした表層メタンから成る原産燃料を開発することで、電力コストを大きく引き下げ、ルワンダの高度成長経済を促すことになる。またキブワット・プロジェクトは初めてのメタンガスの大規模利用であり、メタンガスの採取により環境に優しく持続可能な電力源を供給することに加え、ガスが湖周辺に自然流出するのに伴う環境被害が大きく緩和される。

 25メガワットはキブワット・プロジェクトの第1段階で、26日の融資契約書名に見られるように国際的な開発支援コミュニティーから強力な援助を受けており、また2011年5月には世界銀行グループの多数国間投資保証機関(MIGA)が投資保証を行っている。第1段階は完成までに総額約1億4200万ドルが必要で、世界銀行基準に従った広範囲の環境調査、許認可を必要とし、最終的な100メガワットに達するまでにさらに3段階が続くことになる。

 コントゥアグローバルのジョセフ・C・ブラント社長兼最高経営責任者(CEO)は「キブワット・プロジェクトへのコントゥアグローバルの取り組みに対して本日に重要な節目を迎えたことによって、完成までの道のりがはっきりした。融資パートナーであるEAIF、FMO、AfDBのリーダーシップと創造性に大いに感謝しており、ルワンダ政府がルワンダのエネルギー安全保障に重要な貢献を強化してくれたのを誇りに思う」と語った。

 AfDBのルワンダ代表であるネガツ・マッコネン氏は、アフリカ開発銀行がこの融資に参加できたのを誇りにしていると語るとともに、「キブワット・プロジェクトによって、ルワンダの地方、企業を問わず電力事情が改善され十分な電力が供給されることになるだろう」と指摘した。

 EAIFのトニー・リー会長は「キブワット・プロジェクトは発電の歴史でも最も革新的なもののひとつである。EAIFは、ルワンダとルワンダ国民の利益になるキブ湖での再生可能ガス資源の採取を可能にする共同融資の一員に参加できたのを喜んでいる」と述べた。

 FMOのエネルギー&ハウジング責任者であるフーブ・コーネリッセン氏は「FMOとして、このプロジェクトによって、現地の再生可能ガス資源を使用することでルワンダの発電能力がさらに増え、ルワンダ経済・社会開発が促進されると固く信じている。FMOは共同融資グループの一員としてこの革新的プロジェクトに参加できたのを喜んでおり、開発途上市場の民間セクターをサポートするというFMOの使命にもぴったり合っている」と語った。

 ▽コントゥアグローバル社(ContourGlobal)について
 コントゥアグローバル社はニューヨークに本社があり、世界20カ国で3250メガワットを発電もしくは建設中の国際的電力企業である。この非上場企業は2005年後半にジョセフ・ブラント最高経営責任者(CEO)とニューヨークに本社のある50億ドルの投資ファンド、リザボア・キャピタル・グループが設立した。コントゥアグローバルは4大陸で1500人以上を雇用しており、天然ガス、水力、風力、太陽光、バイオマス、石炭、石油による発電施設を開発、運営している。同社は高成長ながら公共施設が整備されていない市場や先進国での革新的ニッチ分野に注力している。2011年のグループ全体の売上高は約9億ドル。
詳しい情報はhttp://www.contourglobal.comを参照。

 ▽アフリカ開発銀行(AfDB)について
 AfDBは多国間開発銀行で、株主は53のアフリカ諸国(地域メンバー国:RMC)と24のアフリカ以外の国(非地域メンバー:non-RMC)で構成されている。AfDBグループの主目的は個別もしくは統合した地域メンバー国の持続可能な経済発展と社会の進歩に寄与することにある。この目的達成のため、広範な開発計画とプログラムに以下の分野で融資を行う。(1)(政策に基づく融資を含む)公共部門への融資、民間セクターへの融資、融資保証とエクイティー投資(2)施設支援計画、プロジェクトへの技術的援助(3)緊急援助補助金。アフリカ開発銀行グループが2010年に認可した金額は65億ドルに達している。AfDBは民間セクターへの窓口を通じて、通常の対政府借款を補完するため、可能性のある計画への金融、技術的支援を含む民間セクターへの多様な金融商品を提供している。2011年4月末現在、民間セクターへの融資総額は77億ドル。特にエネルギーを主とするインフラは、民間セクター部門での融資で高い優先順位を持つ。

 ▽新興アフリカ諸国インフラストラクチャー基金(EAIF)について
 新興アフリカ諸国インフラストラクチャー基金(EAIF)は2002年に創設され、現在の貸出総額6億ドルの基金である。EAIFは、サブサハラのアフリカ諸国47カ国での民間インフラ建設と開発への融資として官民協力してドル、ユーロ建て長期融資や商業的条件でのメザニン型融資を提供している。融資する部門には、電気通信、運輸、水、電力が含まれる。EAIFは商業的条件で融資を行っているが、目的とするところは経済成長促進、貧困の低減、大衆層の福利、株式発行・参画、社会的、経済的、文化的権利の促進を行うプロジェクトをサポートすることにある。

 EAIFはスタンダード銀行の一部門であるフロンティア・マーケッツ・マネジャーズが管理している。

 EAIFの詳細はhttp://www.emergingafricafund.comを参照。

 ▽FMOについて
 FMO(オランダ開発金融会社)はオランダの開発銀行である。FMOは意欲的な起業家に投資することによって、開発途上と新興市場での持続可能な民間セクターの成長を支援している。FMOは強力な民間セクターが経済と社会発展を牽引すると考えており、人々が自らの技能を発揮し、生活の質を改善すると考えている。FMOは発展上の影響が大きい金融機関、エネルギー、ハウジング、農業関連産業の4つのセクターに注力している。FMOの投資ポートフォリオは50億ドルで、最大の相互的民間セクター開発銀行のひとつである。

 詳細はhttp://www.fmo.nlを参照。


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