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大量の露天掘り石炭鉱床開発へ、ピーボディと新疆ウイグルが協定

 【新疆(中国)14日PRN=共同JBN】米ピーボディ・エナジー(Peabody Energy、NYSE: BTU)と新彊ウイグル自治区人民政府は14日、数十年にわたり運転できる最新の年産5000万トン露天掘り石炭鉱床も開発を進める包括協定を結んだ。

 この協定は14日、新彊の区都ウルムチでピーボディのグレゴリー・H・ボイス会長兼最高経営責任者(CEO)、同社フレデリック・D・パーマー上級副社長、ピーボディ・アジアのシー・ツェンチュン社長、自治区人民政府上級官僚らが出席した式典で調印された。協定の作成に関係した党側メンバーには、張春賢党書記、ヌエル・バイキリ自治区主席、クレキシ・マイハスチ同副主席が含まれる。

 ボイス会長兼CEOは「ピーボディは世界最大かつ最速で成長している石炭市場で世界級の大規模露天掘りを進めるため、新彊政府と協力することを名誉に思う。われわれは皆新彊の巨大なエネルギー源の全面的恩恵を開放し、雇用創出、経済開発、社会的責任を通じてこの地域に必須のエネルギーと恩恵を供給する」と挨拶した。

 バイキリ主席は「われわれはピーボディが世界で最も先端的な採掘技術、管理システム、環境保護、安全基準の適用を通じて、この協力プログラムを開発し、中国のみならず世界トップの現代的炭鉱になることを心から願っている。中国新疆ウイグル自治区共産党と新彊人民政府は新彊におけるピーボディの開発を全面的に支援し、できる限り早期に協力プログラムを実行に移したい。われわれは両者にとって可能な限り最高の利益を生み出すと信じている」と述べた。

 協定の条項に従って、ピーボディは中国最大の露天掘りとなる採炭場を建設し、管理し、操業する。その際ピーボディは安全、訓練、生産性、資源回収、環境基準、土地回復に当たって最高のプラクティスを採用する。

 新彊地域は強大な石炭埋蔵量を持つ中国最大の行政地域であり、石炭埋蔵量は中国のそれの約40%を占めると推計されている。政府は新彊の石炭生産量が2010年の約1億トンから10億トン以上に増えると期待している。

 建設中の新しい鉄道網は2013年までに敷設される見込みであり、中国最速成長中のエネルギー市場に同地域をさらに開放することになる。

 ピーボディは今後数カ月かけて新彊政府と協力して、地質学的、エンジニアリング、環境上の再調査を実施して、施設の最終的な建設場所を選択する。新彊政府はこのプロジェクトに対して最高水準の石炭資源の割り当てを加速する約束をしている。

 中国は世界最速成長中の経済と世界最大のエネルギー利用国である。国際エネルギー機関(IEA)によると、中国は2035年までに600ギガワットの石炭燃料発電を稼働するとみられ、そのためには毎年20億トン以上の石炭を必要としている。中国は今年だけで、石炭燃料の電力容量を50ギガワット増やしたいとしており、それは年間の石炭使用量で数百万トンを付加することに相当する。

 ピーボディ・エナジー社は世界最大の民間セクター石炭会社で、クリーン石炭ソリューションのグローバルリーダーである。2010年の販売量は2億4600万トン、売上高約70億ドル。ピーボディ社は米国内電力の10%、世界全体の電力の2%をまかなっている。


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