現在位置: HOME > ニュース&コラム > ビジネス・産業 > 航空・宇宙


中南米のLAN、TAM両航空が合併覚書 交渉継続

【サンティアゴ(チリ)、サンパウロ(ブラジル)14日PRN=共同JBN】チリのラン航空(LAN Airlines S.A., NYSE:LFL/IPSA、以下LAN)とブラジルのタム航空(TAM S.A.、BM&FBOVESPA:TAMM4/NYSE:TAM、以下TAM)は14日、両社が一つの親会社の下でそれぞれの持ち株を統合する意図を表明した拘束力のない覚書(MOU)を結んだと発表した。この合併によって新しい中南米航空グループが誕生し、南米大陸全体と世界にシームレスな旅客・カーゴサービスを提供することになる。新しいグループはLATAMエアラインズ・グループ(LATAM Airlines Group S.A.)との名称となり、グループ内にはラン航空とペルー、アルゼンチン、エクアドルにある同子会社、LANカーゴとその子会社、タム・リネアス・アエリアス(TAM Lineas Aereas S.A.)、TAMムルコスア、LANとTAMのその他すべての持ち株会社所有企業が含まれる。この取引は拘束力のある正式契約に入ることを前提にしており、該当企業と株主の、活動、規制上の承認を含む諸条件を満たさなくてはならない。

グループ内の航空会社はそれぞれ、これまでのオペレーション航空運行事業許可とブランド名で業務活動を継続する。航空会社はこの地域全体の国際旅客便とカーゴサービスに対する包括的ネットワークを構築する。同取引によって可能となる成長は新たな目標に達し、両社社員により多くの機会を生み出し、グループ航空会社の本国とサービスを提供する諸国の経済発展とジョブの伸びを育成する。

全株式の取引は唯一親会社の下でLANとTAMの経済権益を一体化するとともに、外国所有権と両社が業務しているそれぞれの国の管理上の要件を満たす。取引に関連して、ラン航空はLATAMエアラインズ・グループ(LATAM)と改名され、すべてのグループ持ち株会社の活動を調整する親会社としてサービスを開始する。TAMの株主はTAMの1株当たり0・90株に相当するLATAM普通株式と交換される。

LATAMは引き続きサンティアゴ証券取引所への上場とニューヨーク証券取引所(NYSE)へのADR上場を維持し、ブラジルのボベスパ(BOVESPA)内のBDR(無記名預託証券)を経由して株式を上場する計画である。

TAMはグループ内で、自社機構を保持してブラジル企業として営業を続ける。ラン航空の既存持ち株会社はグループ内の独立事業部門として(LAN航空の社名を継続して)業務を続ける。グループ内のそれぞれの航空会社は既存の本社とガバナンス体制を維持する。

LANとTAMの支配株主はLATAMグループ持ち株会社の活動の調整に当たって、戦略的決定を共同で管理するガバナンス・モデルに合意した。タム航空取締役会の現副会長であるマウリシオ・ロリム・アマロ氏はLATAM取締役会会長、LANの現CEOであるエンリケ・クエト氏はLATAMのCEOに就任する。

グループ内で、TAM現会長であるマリア・クラウディア・アマロ氏は新しい機構下のTAM会長に就任する。タム航空の現社長兼CEOのマルコ・ボログナ氏はTAMのCEOを務める。タム・リネアス・アエリアス現社長のリバノ・バロッソ氏は現職にとどまる。LANの現社長兼最高執行責任者(COO)のイグナシオ・クエト氏はラン航空CEOとなる。

TAMのマルコ・ボログナCEOは「これは当社創業者である(故)ロリム(アドルホ・アマロ)機長のビジョン完結である。ロリム氏は、大規模な中南米航空会社グループこそオープンスカイ市場にあっては、旅客やカーゴの顧客により競争力のあるサービスを提供できると信じていた。われわれの力と補完的なネットワークを結合することは、顧客、従業員、株主、そして中南米に大きな利益をもたらす。LANとTAMの統合は、どちらも1社ではサポートすることができなかった新しい方向性を提供することができる。これによってわれわれは、諸外国の航空会社と競争して、地域のサービスを強化しつつ母国に新しいジョブを創出する立場になることができる」と語った。

LANのエンリケ・クエトCEOは「本日はLANと顧客、社員、株主にとって最高の日である。われわれは共にLANを中南米の真のリーダーに育てた。そのことを誇りに思い感謝している。しかし、この業界が一体化する際には、もはや立ち止まることはできない。本日、われわれは友人であるTAMと力を合わせ、世界をリードする航空会社グループの一つを設立する道程を示す意志を発表した。われわれは友人であるTAMを大いに評価、尊敬しており、長年にわたる協業の利益を享受してきた。TAMは航空サービス、インテグリティー、中南米市場の大きな可能性に対する確信という情熱を共有している。今回の合併によって、われわれは中南米のリーダー2社を利用して、中南米が誇りうる世界的リーダーを創造する」と語った。

統合航空会社グループは23カ国の115地点余りに旅客サービスを提供する一方、中南米と世界の多くの地点にカーゴサービスを行う。航空会社グループは220機余りの航空機団を運行し、従業員数は4万を超える。これら航空会社は2009年に合わせて85億ドルの売り上げを記録し、4500万余りの旅客、83万2000トンのカーゴを運送した。新グループはその規模、収益性、市場到達規模で世界の有力航空会社グループの仲間入りをする。

合併は約4億ドルほどの年間相乗効果を生み出すことになる。旅客ネットワークの調整、貨物ネットワーク(海外およびブラジル国内)の成長、コスト削減などの調整からも、これらの相乗効果は同じ割合で広がることが予測される。経営陣は、取引の完了後の初年度に約3分の1の相乗効果、3年後に相乗効果すべてを実現できると予測している。

従業員は合併の一つの結果として充実した就業チャンスとより迅速な成長から恩恵を受ける。新航空会社の規模と多様性は、より大きな安定性とより強力な財務体質を提供し、株主全体に恩恵を与える。統合航空会社は、将来の運搬、成長の促進、地域全体での雇用増進のために200機余りの航空機を保有する。

乗客は合併の一つの結果として、航空便、目的地、乗り継ぎ接続の増加から恩恵を受ける。統合航空会社は中南米地域とそれ以遠にわたるシームレスな旅行を可能にする。マイレージプログラム会員は、より多くの航空便の利用でマイレージを増やし利用することができ、これまで以上にパートナーを通じてマイルを取得することもできる。

貨物顧客は、他の航空会社よりも大きな容量、頻度、目的地を備える中南米で最も総合的な貨物ネットワークを利用できることになる。合併航空会社は、拡大したネットワーク全体で予約、出荷、ならびに貨物追跡を顧客がシームレスに行うことができることを保証するよう迅速に取り組む。

覚書(MOU)によって、両社は今後拘束力のある正式契約に向けて2社間交渉に入る。正式契約には最終的文書、デュー・デリジェンス、それぞれの企業および株主の承認と活動、規制上の承認を受けなくてはならない。拘束力のある正式契約が結ばれ、合併が完了するかどうかの保証はない。

取引に関する詳しい情報は以下のサイトで閲覧できる。
 http://www.latamairlines.com

▽顧問
TAMに関しては、BTGパクテュアルが排他的財務顧問を務め、Truci Attoneys、Machado、Meyer、Sendacz e Opice Advogados、Clifford Chance、Cariola Diez Perez-Cotapos & Cia. Ltda.が法律顧問を務める。LANに関しては、JPモルガン証券が財務顧問を務め、Claro y Cia、Sullivan & Cromwell LLP、Pinheiro Neto Advogadosは法律顧問を務める。

▽電話会議とウェブキャスト
LANとTAMはサンティアゴ、米国東部時間2010年8月13日午後6時、ブラジル時間同日午後7時に電話会議を開催。電話会議へのアクセスは以下の番号へ電話。会議認証番号は94458484。

 *米国の参加者用ダイアルイン番号: +1-866-610-1072
 *海外からの参加者用ダイアルイン番号: +1-973-935-2840
*ブラジルの参加者用ダイアルイン番号: 0-800-891-9722
*チリの参加者用ダイアルイン番号: 1-230-020-6927

また電話会議の音声ウェブキャストがライブで利用でき、音声録音はそれぞれの社のホームページhttp://www.lan.comとhttp: //www.tam.com.brで利用できる。また同日に立ち上げられた両社合同ウェブサイトhttp: //www.latamairlines.comでも利用可能。

電話会議の再生は、会議終了後できるだけ速やかに利用可能にされ、2010年8月27日まで利用できる。電話会議の再生は以下の電話番号で可能になる。会議認証番号は94458484。

 *米国の参加者用ダイアルイン番号: +1-800-642-1687
*海外からの参加者用ダイアルイン番号: +1-706-645-9291
*ブラジルの参加者用ダイアルイン番号: 0-800-891- 6201
*チリの参加者用ダイアルイン番号: 1-230-020-6914

 (Photo: http://photos.prnewswire.com/prnh/20100813/NY50434-a )
 (Photo: http://www.newscom.com/cgi-bin/prnh/20100813/NY50434-a )
 (Photo: http://photos.prnewswire.com/prnh/20100813/NY50434-b )
 (Photo: http://www.newscom.com/cgi-bin/prnh/20100813/NY50434-b )

▽LANについて
LAN航空は中南米で大手の旅客・貨物航空会社の一つである。同社とそのアフィリエートは、中南米全域に完全な乗り継ぎ便を提供する広範なネットワークを通じて世界70カ所以上の目的地へのサービスを提供する一方、さまざまなアライアンスを通じてこのほかに国際的行き先70カ所および北米、欧州、南太平洋の地域とも結んでいる。LAN航空とアフィリエートは、チリとペルーの国内便市場でそれぞれトップを位置を占めており、アルゼンチンとエクアドルの国内市場でも重要な役割を果たしている。

LAN航空とアフィリエートは現在、87機の旅客機で構成される世界で最も近代的な航空機編成の一つを運行している。LANカーゴとそのアフィリエートは11機の貨物専用機を所有している。同社は世界最新の航空機編成の一つを所有しており、このため今までより効率的で、同社が約束している環境保護政策を反映して二酸化炭素の排出も大幅に削減している。

LANはスタンダード&プアーズ社格付けで投資グレード(BBB)の世界でも数少ない航空会社の1社である。同社の世界一流の品質基準によって、同社はLANが10年以上会員である世界大手航空会社のアライアンスであるワンワールド(商標)への加盟が可能になっている。LANの詳細は http://www.lan.comを参照。

▽TAMについて
TAMはスターアライアンスの加盟社で、2003年以来ブラジル国内航空のリーダーとして2010年7月時点で国内43%、国際82・7%の市場占有率を占めている。TAMはブラジル全域に44カ所の目的地に定期便を運行し、地域アライアンスを通じて国内市場の88の都市にサービスを提供している。海外への運行では、米国、欧州、南米各地の18の目的地へのフライトを提供している。またTAMはコードシェア協定を結ぶことによって、国際航空会社と座席のシェアが可能となり、旅客を米国、欧州、南米の79都市へ運ぶことが可能になっている。スターアライアンスのネットワークは世界181か国の1167空港へフライトを提供している。TAMは2010年7月現在、エアバスA340、A330、A321、A320、A319とボーイングB777、B767旅客機で構成される143機のフリートを所有している。これらの航空機によって、毎日およそ国内便700便と国際便80便を運行している。TAMはブラジルでロイヤルティープログラムを提供した最初の航空会社である。このプログラムは現在720万人以上の契約者を持ち、1080万枚以上のチケット売上げとなっている。詳細はhttp://www.tam.com.br.を参照。

▽事業合併に関する追加情報と情報の提供場所
この報道発表は、LAN航空S.A.(LAN)とTAM S.A.(TAM)両者の事業合併に関するもので、証券登録届出書と目論見書の対象となり、LANおよび合併にともない創立される新会社によって米証券取引委員会(SEC)に届けられる。この報道発表は、登録届出書、目論見書の代わりとなるものではないし、LANと新会社がSECに届ける資料もしくは SECに届けられるいかなる他の文書でもなく、提案された合併に関連して株主に送られる文書に代わるものでもない。「投資家および株券保有者は、SECに出される登録届出書、目論見書、株式交換文書およびその他の関連文書が入手可能になり次第熟読されるよう促される。理由は、提案されている事業合併に関する重要情報が含まれるためである」。届け出されればその種の全文書はSECのウェブサイト(www.sec.gov)で無料で手に入れられるし、もしくは直接電話でLANもしくはTAMに申し込める。それぞれの連絡先は以下の通り。LANは、Gisela Escobar Kochが担当で、電話は56-2-565-3944、電子メールがgisela.escobar@lan.com。TAMは、Jorge Helitoが担当で、電話は55-11-5582-9715、電子メールがjorge.helito@tam.com.br。


関連記事

powered by weblio


前後の記事



記事バックナンバー

購読のご案内

取材依頼・プレスリリース

注目のニュース
最新の産業ニュース
写真ニュース

最新の写真30件を表示する