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三菱重が中国で歯車機械を生産、シェアドファクトリー方式採用

常熟菱重機械
常熟菱重機械(写真・三菱重工)
 三菱重工業は、中国で歯車機械を生産すると発表した。中国におけるゴム・タイヤ機械生産拠点である常熟菱重機械有限公司内に新工場を建設して、シェアドファクトリー(複数製品生産工場)方式により、ゴム・タイヤ機械の増産とともに歯車機械の生産を始める。生産開始時期は2011年3月を計画。

 歯車機械の現地生産は、生産台数の急増が続く中国の自動車メーカーの設備需要を睨んだもの。まずは、歯車機械のベストセラー機であるドライカットホブ盤GE15Aを日本と同一の技術と品質を確保して生産し、自動車、二輪車、減速機などの小型で高精度な歯車加工を行うメーカーへの拡販をはかる。生産台数は初年度約40台、4年後約100台を見込む。

 常熟菱重機械の主工場に隣接して増設する工場には、歯車機械製造用の各種組立・計測関連設備を導入するほか、ショールームも併設し、実機展示ならびに客先からのテストカット要求にも対応可能とする。新工場の建設着工は2010年8月、竣工は2011年2月の予定。また、並行して主工場にはゴム・タイヤ機械増産のための五面加工機を設置する。

 常熟菱重機械は、三菱重工の中国地域統括会社である三菱重工業(中国)有限公司の傘下企業。3月からゴム・タイヤ機械の生産を開始、中国の急速な“クルマ社会”化を背景に順調に生産を拡大して、今回の工場増設に至ったが、これに歯車機械の中国生産拠点設立を模索していた工作機械事業部がジョイントすることとなった。

 シェアドファクトリーは、一つの海外拠点で複数の製品を生産する方式。会社設立にかかる時間とコストを抑制しながら生産拠点の効率的な配置を実現するのが目的で、サプライチェーンの共有化による現地購買力の向上や、複数製品を生産することによって特定製品の急激な需要変動の影響を吸収するなど、経営の安定化にも寄与させる。

 三菱重は今回の常熟菱重機械での歯車機械生産をパイロットケースと位置づけ、この方式による海外拠点の整備・拡充を今後も推し進めていく。


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