現在位置: HOME > ニュース&コラム > ビジネス・産業 > 四輪・二輪


米ザップ社が中国永源汽車を買収、電気自動車で

_prw_im1_02U5Ky2e.jpg 【サンタローザ(米カリフォルニア州)、中国浙江省8日PRN=共同JBN】米ザップ社(ZAP 、OTCブレティンボード: ZAAP)と中国の永源グループ(Jonway Group)は8日、両社がこのほど正式契約に調印し、ザップ社は成長する中国の電気自動車市場への参入戦略の一環として、浙江永源汽車社(Zhejiang Jonway Automobile Co. Ltd.)の51%を獲得したと発表した。ザップ社はカリフォルニアに本拠を置く創業15年の電気自動車メーカー。永源汽車は中国で創業20年の自動車メーカーで永源グループの完全所有子会社。

 契約の条項に従って、ザップ社は2903万米ドルで永源汽車の51%を獲得する。ザップ社と永源汽車の取締役会は2010年7月2日をもってこの買収を承認、調印している。

 永源汽車は2009年の年間売り上げとして約4000万米ドルを計上しており、2010年第1四半期の売り上げは約2000万米ドル。今回の取引の条件によれば、永源汽車は取引締結の段階では無借金であるとしている。

 同正式契約の条項に従って、ザップ社は2011年3月30日までは永源汽車の残り49%を同じ評価額で獲得する権利を有している。同期日以降の買収はその時点での評価額による。ザップ、永源両社は今回の取引は2段階による買収の第1段階であるとし、その狙いをザップ社の電気自動車技術、永源汽車の ISO9000獲得に裏打ちされた大量生産能力という両社の補完的な専門性を組み合わせることによって、代替エネルギー自動車市場に参入するてこにするためであるとしている。ザップ社は第1段階の終了、規制当局の最終認可を待って、残り49%を買収するつもりである。

 ザップ社と永源社の合併は、ザップ社のコスト効率の良い電気自動車製造に拍車をかけ、同時に同社に中国市場へのアクセスを与えるものである。永源社の販売網は80以上の直接のディーラーを抱え、それらを通して全国数百の認可ディーラーに流す仕組みになっている。永源社の大量生産能力は、ザップ社に対して革新的な電気自動車を商業化するための強力な生産基地を提供するものである。

 ザップ永源社の最高経営責任者(CEO)スチーブ・シュナイダー氏は「ザップのエンジニアは電気自動車の経験を持ち、永源社は生産能力を持っている。これらを組み合わせた新統合会社は、世界の安価で燃費効率の良い電気自動車の市場が急成長を遂げてもそれに応じて成長することができるだろう。新会社はザップの広範囲にわたる知的財産、国際市場へのアクセス、ならびに永源の中国の販売網、収入ベースを併せ持ち、高い株主価値を提供する。新会社は今後世界の販売網、生産活動を一体化する」と語った。

 ザップ社の取締役会議長、プリシラ・ルー博士は「キャサヤ・ファンドがザップ社に投資し、わたしがその関連でザップ社に入った時点ですでに計画されていたことだが、永源社買収の狙いは、ザップ社に補完的な設備、製造技術を付与することで、同社が世界の電気自動車メーカーとしての地歩を固めることにある。永源経営陣は今後もガソリン自動車の製造の指揮をとるが、次の四半期からザップ社の電気自動車用の生産ラインの立ち上げを始める。ザップ社の側では当面の目標達成に向けて事業管理チームを強化することになる」と述べた。

 永源汽車は約800人の従業員で、毎月約1000台の自動車を製造しており、浙江省台州市三門の約141エーカーの敷地に建てられた建坪360万平方フィートの近代的な工場は、年間3万台の生産能力を持っている。永源汽車は品質に注力をしており、ISO9000認証を獲得、中国強制製品認証制度(CCC)でも認証されている。永源汽車は中国では自動車ディーラーの全国販売網をもち、欧州、エジプトでは販売パートナーを通して販売している。永源の3ドア・スポーツ・ユーティリティ・ビークル(SUV)は欧州市場の販売パートナーを通じてイタリアでCEマークを獲得している。

 永源汽車の最高経営責任者(CEO)アレックス・ワン氏は「ザップ社のエンジニアリング技術によって当社は電気自動車市場に進出し、中国電気自動車市場のリーダーとしての地歩を得ることができる。ザップ社は当社が作ってきた自動車の新モデルを国際市場に出し、自動車販売網に乗せてくれることになっている。ザップ社はさらに当社がこれら新市場の国際水準に合うように協力してくれるだろう」と語った。

 今年初めにはザップ社は同社の合弁企業、ザップ杭州社(ZAP Hangzhou)を通して永源社のいくつかの自動車モデル用に電動駆動システムを投入している。これらの自動車は公開されており、上海万博でも電気自動車タクシーとして利用されている。永源社はさらに「ザップ・アライアス(Alias)」の製造を決めている。この車は米国の「プログレッシブ・インシュアランス・オートモーティブX」賞金コンテストで決勝に残った15モデルの1つである。さらにザップ社は、米郵政公社がガソリン・エンジンの配送車を100%電気駆動に変更、改造するプロジェクトに選んだ5社のうちの1社である。

 プリシラ・ルー博士は「新しいザップ永源社は両社の補完的な強みを兼ね備えた会社として、電気自動車市場でも得意な地歩を占めることになる。永源汽車は高品質の車を大量に生産する技術を持ち、中国自動車市場へアクセスする手段も持っている。ザップ社は同社の電気自動車技術に対する豊富な経験と部品を組み上げるエンジニアリング・ノウハウを生かして永源汽車向けの新たな電気自動車を作り、世界の自動車販売網にのせることができるだろう。永源は土地、建物、近代的製造設備など物的資産で約6千万米ドルの価値があり、現金収支は流入超、無借金で、収入は伸び続けており、ザップ社にとって高い株主価値を提供する。ザップ永源社は今や世界から見ても重要な自動車メーカー、販売会社になった」と述べた。

 ▽ザップ社について
 ザップ社は、世界で最も古い歴史と経験を持つ電気自動車のプロバイダーである。1994年以来、世界75カ国以上に11万7千台以上のさまざまなタイプの電気自動車を供給している。ザップ社は電気トラックとバンを軍隊、政府、企業の社用車用に供給し、電気を動力とする斬新なオートバイ、スクーター、全地形対応車(ATV)を開発している。ザップ社はカリフォルニア州・サンタローザに本社をもち、現在、市街走行用電気自動車とトラクターを製造しており、技術的ノウハウをてこにしてザップ・アライアス(ZAP Alias)と呼ばれる費用対効果の高い高速電気自動車を開発している。詳しい情報はウェブサイト(http://www.zapworld.com)を参照。


関連記事

powered by weblio


前後の記事



記事バックナンバー

購読のご案内

取材依頼・プレスリリース

注目のニュース
最新の産業ニュース
写真ニュース

最新の写真30件を表示する